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  小学校の頃の話、 
大きな町なのに、大手私鉄のみが公共の交通手段で、駅の傍の踏み切りは常に『開かずの』状態 
事故も自殺も多くて、2~3年に一回は人死にがあった・・・ 
夜、塾に通っていた、ある雨の日 
「カン!カン!カン!」と鳴る警笛を聞き、ぼけーっと通過待ちをしていた 
轟音をあげて、列車が通り過ぎる瞬間、踏み切りの中に人影を見た

ボウッと光る、男とも女とも判らないシルエット 
煙のようなそれは猛スピードの電車につん裂かれ跡形もなく消えていった 
2~3日前に事故があって、萎びた花束が脇に供えられていた 
塾では嘘つき呼ばわりされ、家では玄関先に立たされ、塩をぶっかけられた 
今からざっと30程前の話