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GWに地元の石川県にあるキャンプ場に友人二人とキャンプに行った。 
友人とは中学からの付き合いで入っ大学は違うんだけど 
大学生になってからもスカイプとかで連絡取り合ったりしててたまに遊んだりもしてた。 
なんでキャンプに行くことになったかっていうと二人とも小学生の頃から 
ボーイスカウトをやっていて所属する団は違っていたんだけど 
一度だけ同じキャンプ場で県内のボーイスカウトの団が集まって 
一緒にキャンプをするっていうイベントがあって 
その時は知り合いでもなんでもなかったんだけどその頃の思い出話とかをしてて 
ふと少人数でキャンプやったことないよなって話になったんだよね。 
大学生とはいえもう二人とも20才超えたいい大人だしなんとかなるだろうってことで 
GWにそのキャンプ場でキャンプをしようって事になったわけよ 
友人の父親がボーイスカウトの団長を昔やっていてキャンプ用品は一式 
テントやらを含めて持っていたんで地元の彼の実家でそれを調達してから向かう予定になっていた。 
俺も実家に寄って寝袋やらを回収してキャンプ場に向かった。 
俺は車の免許を持ってないから友人の運転する車でキャンプ場まで向かった。 
そこまで遠くないしあっさりとキャンプ場に到着して俺達は設営をはじめた。 
大体11時くらいについたんだけどキャンプ場には俺達以外に客はいないみたいだった 
GWとはいえ今時の家族連れはキャンプなんかしないかーとか少し苦笑いした。 
Aテンっていうボーイスカウトで使う大人数用のテントを二人で使ったんだけど(それしか家になかったw) 
当時は大きくて設営するのも難しかったテントも大人二人にかかればいとも簡単にできてしまった。 
その後はお決まりのBBQ二人でスーパーで買ってきた肉や野菜ややきそばを焼いて食べた。 
夕飯用にカレーを作りつつ自然を満喫して酒も入ってたし少し眠くなり始めた。 
火の始末をしてから二人でテントに入り寝袋を枕代わりに昼寝をはじめた。

目が覚めたのは21時くらいだったと思う寝始めたのはたしか16時くらいだったから5時間くらい寝てたことになる。 
外はすでに真っ暗でちょっとびっくりした俺は友人を慌てて起こした。 
友人ってなんか変だからこれからAって書きます。 
Aはもう夕飯か?とかって寝ぼけながら起きたけど携帯で時間を確認すると 
やっちまったなーと寝坊したことに驚いていた。 
とりあえず二人で外に出るとまわりの草が雨でも降ったのかうっすらと濡れていた。 
キャンプで朝起きて外にでると朝露で草が濡れているのはいつものことだからなのか 
この時は特段気にもしなかったけどすでにこの頃か不思議な事がおき始めていたのかもしれない。 
カレーを温めなおさないといけないしご飯も飯ごうで炊かないといけないから火をつけることにした。 

ボーイスカウト時代はマッチしか使わせてもらえなかったけど 
今はライターやらチャッカマンやら色々ある。 
テントの中から木炭を持ってきて火をつけはじめる。 
火は無事についたがまわりが思ったより暗かったのでランタンをつけることにした。 
だけど中に入れるホワイトガソリンっていう燃料を車の中においてきたらしく 
友人が懐中電灯片手に車まで取ってくることになった。 
火の明かりがあるとはいえ暗い山の森の中で独りになるのはなんとなく心細いものがあった。 
友人は大丈夫だって出るとしても熊じゃなくて鹿だよw 
って笑いながら小走りで闇の中に消えていった。

米を炊いてる飯ごうから泡が出る音や 
炭がパチパチ燃える音以外は風や木々が擦れる音しかしなくなった。 
カレーが温まってきていい匂いがしてくると 
人間は不思議とお腹がすいているせいか恐怖心が薄れて食欲が増していった。 
さっきまでは怖かった空間もなんだか風情のあるキャンプらしいじゃないかと 
独り言をつぶやいたりしていた。 
その時森のもっと奥のほうから何か動物の鳴き声のような声がした 
ニュアンス的には「ニャー」みたいな感じで猫にちかかったと思う。 
でも山に猫なんかいなくね?とか思いつつもまぁ以前このキャンプ場で鹿を見たことがあるし 
鹿かなんかだろうとたかをくくってカレーをかき混ぜたりしていた。

しばらくしてまたニャーという声が聞こえた 
次はなんとなく語尾が丸くニャアンみたいな感じだった 
本格的に捨て猫でもいるのかなーとか思った。 
今のすさんだ世の中山までわざわざ猫を捨てに来る人もいるのかもしれない 
俺は猫を飼ったことがないが猫は好きなのでなんとも複雑な気持ちになった 
Aは猫を2匹飼ってるくらい猫好きなのでこのことを話したら探しに行くかもしれないとか 
考えたりしてるとヌチャッ ヌチャッ と何かが2秒に1回くらいのペースで濡れた草の上 
を踏んでるような音がした。 
Aはちょっと小太りなので俺を脅かすためにジャンプでもしてこっちに向かってるのかと思った。