HIRA86_bikespeedm_TP_V

子どもの頃、隣に木造アパートがあって、その二階に独身の男性が住んでいた。 
無精髭のバイク乗りで、泥だらけのぬかるみで停止しようとして失敗し、 
目の前で派手に転んだのを目撃した。 
そのときの彼のはにかみ笑いが印象的で、それがきっかけで 
顔を合わせる度に声をかけて貰うようになった(子ども好きだったらしい)。 
その後、その男性が電気やガス等止められているらしい事を 
近所のうわさ話で聞き、気になっていた。 
夜更けの夜空に、笛を吹く音が響き渡り、その音に合わせ、 
近隣の犬たちが遠ぼえをするようになった(うちの犬も吠えた)。 


そして、隣の二階の男性がその笛の吹き手だったのだけれど、 
そのエキセントリック過ぎる行動にびっくりした… 
結局、しばらくして、その男性がヤクザかちんぴらに刺されて 
亡くなったことを新聞記事で知った。