「何か見えるの?」
「いや、気のせいかもしれないですが、何となく・・・」
「幽霊とか、見える方?」
「いえ、ぜんぜん。今まで一度も見たことないです。」
「じゃあ、今なにが見えてるんだ?」
「そうですね・・・何となく、親子連れのような・・・」
「そうか、じゃあ、きっと見えてる。俺もあまり見える方じゃないが、今同じものが見えているよ。」
「じゃあ、あれ、お化けですか?」
「本物の親子連れなら二人で見えてもおかしくないだろ?」
「いえ、たぶん違うと思います。」
「やっぱりそう思う?あれね、じつは最初に見えたときより、こっちに近づいてるんだ。」
245 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2012/02/22(水) 17:38:26.32 ID:+xdZHQiG0 [7/9回(PC)]
「え~!こっちに来てるんですか?帰りましょう!どこか明るいところに移動しましょう!」
友人はやはり騒ぎはじめた。
「そうするか。」
コッヘルのお湯を捨ててストーブを片づけ、広げていた寝袋を丸めた。
ふと目を向けると、親子連れの人影はもういなくなっている。
「おい、まだ見えるか?」
「いえ、もういませんね・・・消えてくれたのかな?」
そう答えた友人の方を振り返ると、
友人の真後ろに人影がいた。
僕は思わずギョッとして彼の背後を見てしまった。
友人は僕を見て、思わず背後を振り向いた。
246 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2012/02/22(水) 17:46:36.59 ID:+xdZHQiG0 [8/9回(PC)]
人影にははじめて表情があった。
女性であったが、身長が180近い友人を見下ろすような顔の高さだった。
目を大きく見開き、口を堅く閉じていた。
「ぐわ~~!!」
と叫びながら手に持っていたものをすべておとして
尻餅をついたというか、跳ね飛んだというか、
怪我をしかねないような転び方をした。
僕は、グッと息が詰まり、動けなかったが、
友人が僕の足下に転び込んできたので、とっさに手を出して支えようとした。
そのわずかな隙に、女性の顔は消えていた。
静かな夜に戻ったけども、僕と友人は寝ずに家路についた。
落ちはないけども、本当に怖い体験だった。
249 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2012/02/22(水) 19:45:18.52 ID:XNZVU8qd0 [1/1回(PC)]
怖いなぁ。
で、その長身の女性が連れていた子どもはどうなったの?
250 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2012/02/22(水) 20:08:05.94 ID:07fOHmmh0 [1/1回(PC)]
>>246
なかなか怖かったです。
251 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2012/02/22(水) 20:09:40.44 ID:+xdZHQiG0 [9/9回(PC)]
子供の方はどうしたのかわからない。
最後にみたのは女性の肩から上だった。
そこで何があったのか、何がしたくて僕たちに近づいたのかはわからないが
たまたまそこにいた、というよりは
こちらの存在を意識しているかのようなあらわれかたで
しばらくは祟りでもありかねないと思いびくびくした。
252 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2012/02/22(水) 20:37:52.62 ID:Lbp3e0Rj0 [1/1回(PC)]
寂しかったんじゃないかな
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