288 : 1/2[sage] 投稿日:2012/01/09(月) 14:48:19.80 ID:XFSQ0f2VO [1/2回(携帯)]
この時期になると思い出す、俺が雪国に住んでいたときの話。 

前日は一日中雪が降っていた。 
朝になると雪は止んでいたが、数十センチも積もっている道を自力開拓しながら歩くのはしんどい。 
憂鬱で俯きながら誰も足跡を付けていない道を黙々と進んでいた。 
足元しか見ていなかったから、向かいから人が来ているのが分からなかった。 


289 : 2/2[sage] 投稿日:2012/01/09(月) 14:50:42.76 ID:XFSQ0f2VO [2/2回(携帯)]
ぶつかる寸前でその男の人に気付き、避けてまた進む。 
足跡一つ無い道をざくざく歩きながら、さっき人とすれ違ったのに、なんで雪に足跡無いんだろうとふと思った。 
ここは大きな田んぼの真ん中だから、横からこの道に入ってくることはできない。 
振り返ってみたら、今俺が付けてきた一人分の足跡の先で、さっきの男がこっちを見て立ってた。