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274 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/10/17(月) 12:40:44.57 ID:3lW8X5zRO [1/6回(携帯)]
小学校三年生頃だったかな。 

当時「呪いの話」が流行ってた。 
この話を聞くと夜夢に危険なモノが現れて、適切な対処ができないと死んでしまうってやつ。 
昼休みに体育館のステージの上で無理やり聞かされたのを覚えてる。 
タイトルは「か○○さま」。 
怖くてさ。下校から家に帰ってもウツで、親に心配される程だった。



275 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/10/17(月) 12:48:35.20 ID:3lW8X5zRO [2/6回(携帯)]
か○○さまは三日間の何れかに現れるという。 
何か呪文を唱えると(詳細失念)無事にイベントは終了となる。 

祖母に向かって「俺、今夜こそ死ぬかもしれない」とか本気で言ってたわ。 

四日目の朝になった。勿論何も無かった訳だ。 

俺にはな。



276 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/10/17(月) 13:15:43.62 ID:3lW8X5zRO [3/6回(携帯)]
学校で仲間に「なんか分からんけど、か○○さま来なかったよ」と言ったら、オメー信じてたのかよ!みたいな流れだった。 

すっかり安心して、四日前に一緒に話を聞いたタカユキ(隣クラス)に会いに行った。 
「あの話、嘘なんだってさ!困るよなー」 
「だろうと思ったよー」 
「俺達も誰か騙そうぜ」 

狙いはイジメられているシンにした。 
泣き喚くシンを押さえつけて、話を聞かせてやった。ごめんな、シン。 
次の日、シンは学校に来なかった。 
シンが行方不明だと聞いたのは二日目の夕方だった。 



277 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/10/17(月) 13:37:45.43 ID:3lW8X5zRO [4/6回(携帯)]
三日目には集団で登下校するよう指示が出た。 

俺とタカユキは焦った。 
下校してから二人でシンを捜したが見つからなかった。 

夕食を食べていると電話がかかってきて、母親が言った。「お山の麓でシンくんの自転車が見つかったって」 
「お山」というのは、昔城があったという標高200m位の山だ。



278 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/10/17(月) 14:04:29.83 ID:3lW8X5zRO [5/6回(携帯)]
「お山か…」 
お山には遊歩道が整備されているが、それ以外は濃いブッシュに包まれている。 
時間は19時前だった。 
我慢できなくなり、タカユキに電話した。 
「今から家に行ってもいい?宿題でどうしても分からない所があって(お山行こうぜ)」 

母をなんとか説得し、デカい懐中電灯を持ってチャリで飛び出した。 
自宅の前でスタンバイしてたタカユキと合流し、小さなチャリでお山を目指す。 
9月上旬。半袖では夜風が冷たく感じた。 
町内を離れると辺りは真っ暗闇になってしまった。 



279 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/10/17(月) 14:36:08.33 ID:3lW8X5zRO [6/6回(携帯)]
「なあ、もし、さ」 
タカユキが言った。「シンが死んでたら俺達警察に捕まるのかな。今ってそういうことだよな」 

暗い森の中にぶら下がっているシンの姿を想像した。 
「嫌なこと言うなよ」 

リアルタイムで大人達が捜索しているものと思っていたが、お山の麓に着いた時そこには誰も居なかった。