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859 : こっくりさん1[sage] 投稿日:2011/10/16(日) 16:32:45.79 ID:usMhjohb0 [1/4回(PC)]
いい歳した輩3人でこっくりさんをやったんだが、そのときに起こった怪現象をひとつ。 
その3人は俺とAとBで、よく心霊スポットへ行っては馬鹿騒ぎしてたのだが、その日はAの家でゲームをして暇を潰していた。 
夜中の11時頃、Aが待ってましたというばかりに突然こっくりさんをしようと言い出した。 
始めは乗り気じゃなかったが、Aが「良い物あるから」と言い何重にもビニル袋に包まれた物を取り出した。 
B「なにそれ?」 
A「まぁいいから見てみ」 
Aはそう言い、ビニル袋を取り除くとそこには一枚の汚れた板があった。 
Aは意気揚々と「自家製こっくりさん。取り敢えず聞けって」と、その板の説明を始めた。 
蟲瓶(?)だかを行ったらしい。内容は瓶に色々な種類の無視を詰めて、共食いさせる。すると最後の一匹に霊力が宿るとかいうものらしい。 
Aはその最後の一匹と他の残骸をすり潰し、バケツ一杯に水を張り、その中に板を3日程漬けたという。 
通りでその板は全体的に黒緑がかっていて汚らしい訳だ。更に悪臭のおまけ付きで、目の前に置いているだけでぷーんと鼻につく。 
文字は五十音をカッターで彫り、その上に牛肉の血と赤い絵の具を混ぜたもので上塗りされている。 
彫るのが大変だったらしく、文字は全てカタカナであった。 
A「どうよ?傑作だろ?」 
B「お前、なんというか馬鹿だな」 
俺「うん、あほだわ」 
とか言いながら、さすがにここまですれば霊現象のひとつは起こるだろうと思い、俺もBもやる気満々になっていた。 
A「じゃ、始めるぞ」 
そう言い、カーテンを閉めきって3人は十円玉に指を乗せ、こっくりさんが始まった。 
まずはAが「こっくりさん、こっくりさん、いますか?」と質問した。 
すると、十円玉はズズズとゆっくり動き出し、「は、い」。 
3人はふざけ半分で「おぉ!すげぇ!」とか適当に盛り上げながらこっくりさんに質問を続けた。 
その後、好きなAV女優やらくだらない質問を何個かして、そろそろ飽きたなと思うと突然Bが、 
B「おい、なんか臭わないか?」と言い出した。 
俺はそりゃこのくせー板だろと思い、笑い飛ばそうとしたが、確かに始めのときより若干臭いがきつくなっているような気がした。 
俺「臭いが充満したのかな?さっきより確かに臭いわ」 
Aはニヤつきながら何か思いついたかのように質問をした。

 
860 : こっくりさん2[sage] 投稿日:2011/10/16(日) 16:33:26.79 ID:usMhjohb0 [2/4回(PC)]
A「こっくりさん、こっくりさん、この臭いはあなたのオナラですか?」 
B「そりゃくせー訳だわw」 
俺「何食ったらこんな臭いになるんだよw」 
3人でくせーくせー言いながら笑っていたが、そのとき異変が起きた。 
・・・、十円玉が動かない。 
少し待ってみたが、一向に動く気配がしなかった。 
俺はそこで不思議に思った。 
正直、今まで十円玉に力を込めて動かしたりしていたが(動かしにくかったり勝手に動いたりしていたのでおそらくABもしていたはずなのに)突然十円玉は動かなくなった。 
俺は2人が動かさないなら俺が動かそうと思ったときAが続けて質問をした。 
A「こっくりさん、じゃあこの臭いはあなたの体臭ですか?」と笑いながら言った。 
・・・しかし十円玉は動かなかった。 
俺はすぐに力を込めたが、十円玉はピクリともしなかった。 
おかしい。ちょうど3人が同じ力で押したとしても1ミリも動かないはずがない。 
冷や汗を浮かべながら2人の顔を見回すと2人とも同じように動揺していた。 
すると、十円玉は突然動き始めた。 
ズズズ、「こ」・・・「ろ」・・・「す」。 
・・・3人は誰も言葉を発せず、しばらく沈黙が続いた。 
悪臭は強くなり、さっきより完全にきつくなっている。 
再び十円玉が動き出す。 
ズズズ、「こ、ろ、す」。 
・・・誰も言葉を発しない。 
ズズズ、「こ、ろ、す」。 
ズズズ、「こ、ろ、す」。 
ズズズ、「み、な、ご、ろ、し」。 
臭いはその場にいることすらままならない程きつくなり、部屋中に硫黄を置いているような感覚に。 
十円玉はなおも動き続ける。 
ズズズ、「こ、ろ、す」「こ、ろ、す」「み、な、ご、ろ、し」。 
俺はすでに恐怖と悪臭で頭がおかしくなりそうでABに助けを求めようとしたが声が出ない。 
懸命に声をだそうとするが「ぁ・・・ぅ・・・」しか発せず、全く言葉にならなかった。



861 : こっくりさん3[sage] 投稿日:2011/10/16(日) 16:34:14.35 ID:usMhjohb0 [3/4回(PC)]
そこでBがAを見ながら声にならない声で呻いた。 
B「ぅぁ・・・ぁぁ・・・ぁ」 
俺はAの後ろを見るとそこには白い服を着た髪の長い女が起っていた。 
血走った目を見開き、Aの後ろでケタケタと笑っている。 
女に気づいたAが咄嗟に十円玉から指を離そうとしたが、全く離れない。 
俺も必死に離そうとするが、接着剤で付けたかのように指は十円玉に吸い付いている。 
3人で半泣きになりながら顔を見合わせるがどうすることもできない。 
そして、女は品定めするかのように3人の周りを歩き始めた。 
畳の上をすり足でズズズ、ズズズ、と歩き、それに合わせて十円玉も動き出す。 
ズズズ、「こ、ろ、す」「こ、ろ、す」「み、な、ご、ろ、し」。 
女は3周程周り、Aの後ろで止まった。 
すると女は首切台で首が落とされたかのようにAの左肩に乗った。 
Aはビクンと震えると、そのまま卒倒しそうな勢いで小刻みに揺れ始めた。 
女はケタケタと笑いながらAの肩の上で大きな口を開けた。 
口の中は真っ黒で何か動いている。 
ぐちゅぐちゅ、ぐちゃぐちゃ。それは黒く歪な形をした虫だった。 
何千匹いるかもわからない女の口の中の虫はボロボロとAの肩に落ちていき、Aは「ぁぁぁあぁぁぁ」と叫んだ。 
Aは放心状態になり今にも倒れそうだった。 
女は満足したかのような顔をして、次はBのもとへ。 
Bは念仏みたいなことを適当に言ってたが女は狂ったように笑いながらBの腕をくぐってお腹のあたりでBを見上げると、Bのお腹に向かって大量の虫を吐き出した。 
女が立ち上がり歩き始めると同時にBは耐え切れずゲロを吐いた。 
AもBも完全に参っているのになぜか十円玉から指はきっちりと離れずにいた。 
どうやってもこの女からは逃げられない。 
俺は目以外完全に動かすことができず、女は俺の後ろで止まった。 
ケタケタケタ。後ろで笑い声が聞こえる。 
笑い声はだんだんと近づき、後ろから上へ。 
視界の上に髪の毛が笑い声とともにゆっくり降りてくる。 
だんだんと女の顔が視界に入ってくる。 
血走った目。鼻。虫だらけの大きな口。 
女はそこで初めて、「こ”ろ”す”」と嗄れた声を発し、俺は意識を失った。



862 : こっくりさん4[sage] 投稿日:2011/10/16(日) 16:35:09.03 ID:usMhjohb0 [4/4回(PC)]
長い夢を見ていたような気がする。 
俺は目を覚ますと辺りはすっかり朝になり、Bは洗面で自分のゲロで汚れた服を洗い、Aは「くせーなぁ」と言いながら床に落ちたBのゲロを拭いていた。 
A「お、起きたか。どうだ調子は?」 
俺「気持ち悪い、というかどんくらい俺寝てた?」 
A「いや、俺とBもさっき目覚めたとこ。しかし、すごかったな」 
Aは嬉しそうにニヤついていた。 
俺は懲りない奴だなぁと思いながらその日は帰り、別段特に霊に追われるとそういったことは起こらなかった。 

後日談。 
Aは野球部の練習中に突然左肩を骨折(ちなみに右投げ)、病院へ。 
Bは食中毒をおこして、入院。 
俺は(これは関係ないかも知れないが)突然彼女に何の理由もなしに振られ、それ以降全くモテないw。 
あの板はAがビニル袋に包み朝早くにゴミに出したが、なぜかそれだけ回収されず。ビビったAはそのまま無視して帰ったが、 
さすがにまずいと思い再び行くとビニル袋は無くなっており、ビニル袋があった場所の床が黒く染まりそこには虫が漂っていたとか。 
おわり。