786 : 万引き 4[sage] 投稿日:2011/07/13(水) 13:39:04.96 ID:VAmqekYA0 [4/5回(PC)]
その後東京の大学に進学した俺は成人式のために久々に帰郷した 
そこで地元に残って働いていたAからCが死んだとの報告を受けた 
Cは高校を辞めた後自宅に引きこもっていたが、ある時自宅で本棚の下敷きになって死んでしまったらしい 
「本棚の下敷きって、こっちで強い地震でもあったのかよ」 
「ねえよ。そこが不思議な点で警察も困惑していたけど結局Cが本棚を動かそうと留め金を外したら何かの衝撃で本棚が倒れてきたってことになってた」 
「あんな大きな本棚を?」 
「誰も納得してないけど警察もニートの不審死に時間を掛けられるほど暇じゃないからな。それに他殺を匂わせる証拠は何も見つからなかったらしい」 
「へえ」 
「だけど俺はこう思ってるんだ。Cは怨念によって殺されたんじゃないかって」 
「怨念?」 
「あいつの本、万引きしたものばっかだっただろ?だからあいつのせいで店をたたんで死んでしまった人の亡霊。おまえの近所の書店のおじさんみたいなひとだ」 
「やめてくれよ。冗談だろ」 
「まあでも亡霊によって殺されたと信じたくなるくらい、不審点の多い死に方なんだよなあ」 
とまあこんな会話を交わした。Cが死んだことについて特別な感情は湧き上がってこなかったが、Aがいう亡霊云々の話が妙に気になった 

で実家に戻っていろいろものを整理してたが、そこであるものを見つける 
中学時代にCから借りた本だった 結局Cと疎遠になってから急に読みがたい本になって、返せずにいたが久々にパラパラめくってるとなかなかおもしろい 
パラパラと読み進めていく。だけど急に体が重くなった。心臓の動機が激しくなる。 
おかしかった。本の内容は寒気のするようなホラーじゃなく、むしろ感動系。でも寒気が酷い。 
なぜか本を読み終える気にはならなかった。いや読み終われせてもらえなかった。いろんな意味での金縛りだ。 
2時間くらいに顔を真っ青にしながら、読み終えたら急にその呪縛から解放された。 
急いでその本を窓から投げ捨てたけど、次の日起きてみたら枕元にあった。

 
787 : 万引き 5[sage] 投稿日:2011/07/13(水) 13:40:51.51 ID:VAmqekYA0 [5/5回(PC)]
まあこんなことがあってAとBに相談したらビンゴ。二人とも同じような体験をしてた 
Bは借りた本の1ページ目が真っ黒だったらしい。そのページを見せてもらったがなんかこう引き込まれるような真っ黒。印刷で出せる色じゃない 
落丁かと思ったけど、年月も経ってるから編集部に相談してもわからないの一点張りだったらしい 
でやっぱり例の読んでる途中の金縛りにもあってた。 

一番悲惨だったのはA。こいつは元からホラー好きで読んだ本も「リング」の小説版。 
読んでる途中に金縛りにはあうわ、劇中で貞子は出てくるはでもういっそ死なせてくれと叫んだらしい 

まあなにより怖かったのはほとんど同じ日に3人がCから借りた本を見つけたこと 
なにかに引き寄せられたみたいにな 

それでAの提案でこの本をお払いして焼いてもらうことにした 
近くの神社で事情を話し神主さんにお払いしてもらった 
そこの住職さんはお払いに関しては経験が浅いらしく憑いているのが例のおじさんかどうかまでは見抜けなかった 

その後俺達はCの家に行くことにした 
神主さんにCのことを話すとなるべく手遅れにならないうちにCの身内を連れてきたほうがいいと言われたからだ。手遅れの場合はもっと経験のある偉い神主さんを呼んできてくれるらしい 
それでCの母を連れて行こうと唯一Cの葬式に行ったAの案内でC宅へ行った 
お母さんが出迎えてくれてお参りさせてもらった。お母さんが俺達とCが喧嘩別れしたことを知れないようだった 
Cが集めていた本の事を聞くとすんなりと答えてくれた。何冊かはとってあるが残りの殆どはブ○クオフに買い取ってもらったらしい 
穏やかに時が過ぎて、いざお払いの話を切り出すとお母さんの顔つきが変わった 
お払いに行くよう説得するも行かないの一点張り。 息子がそんなことが原因で死んだとは認めたくない そういうことだった 
結局お払いには行かすことができずにCの家をした。 
でも中学校の時に見たどちらかといえば太り気味なCのお母さんが見る影も無くやせ細ってるのをみると、もちろん息子が死んだことも原因だろうが、既に手遅れの状態であることをCのお母さんは悟っているんじゃないかと俺達3人は考えてしまった