65 : 1/4[sage] 投稿日:2011/09/03(土) 23:22:20.06 ID:PZIBqwB10 [1/5回(PC)]
幼稚園の頃の体験なんだが、今でも鮮明に覚えている体験がある。 
心霊現象なのか、自分がみた幻覚なのかはわからんが、確かに怖かったので書き込んでみる。 

その日はいつものように両親と川の字になって寝ていたんだが、目を覚ますと見知った部屋じゃなくなってた。 
赤と黒の二色で、どこまでも続いているような空間。 
真っ黒な木々が立ち並び、何かコウモリのような黒い生き物が空を飛んでいた。 
周りを見てみると、両脇に両親が寝ていて、頭の方には絵本や電気スタンドが置いてある。寝る前となんら変わってはなかった。 

そのときは不思議と、単に興味だけでまわりを見渡していた。 
そして、ふと正面を見てみると。 

人の首があった。 

 
66 : 2/4[sage] 投稿日:2011/09/03(土) 23:24:21.88 ID:PZIBqwB10 [2/5回(PC)]
目。鼻。口。額。耳。 
至る所から血が流れていた、血みどろの頭。 
そんな頭が、浮いている。 
それが、少しずつ近づいてくる。 

頭が浮いているなんておかしい。血みどろなんておかしい。 
それがなんで、自分に近づいてくるの? 
理解出来ない事だらけで怖くて仕方が無かった。 
だから、両隣に眠っている両親を必死に起こそうとした。 
揺する。起きない。 
叩く。起きない。 
殴る。起きない。 
蹴る。起きない。 

何をやっても、起きなかった。



67 : 3/4[sage] 投稿日:2011/09/03(土) 23:27:47.45 ID:PZIBqwB10 [3/5回(PC)]
そうこうしているうちに・・・その血まみれの頭は、目の前までやってきた。 
その首は、何かをブツブツ言っている気がした。 
その首が怖くて、後ろに後ずさった。 

カツンと、手に何かが当たった。 
電気スタンドだ。 
それを見たとき、コレが救いだと思った。 

「幽霊は明るいところにはでてこない」 
幼心にそんな事を思い、電気スタンドの電源を入れた。 

付けた瞬間、思った通りにその首は消えた。 
周りも、いつも見ている部屋に戻っていた。 
その直後に両親が同時に起きた。 
その両親の顔を見たときに、両親の顔に少なからず痕があった。 

自分が叩いたりした痕だった。 
それを認識した瞬間、意識が飛んだ。


68 : 4/4[sage] 投稿日:2011/09/03(土) 23:30:42.97 ID:PZIBqwB10 [4/5回(PC)]
次に目が覚めると、両親が僕を看病していたところだった。 
両親が心配そうに自分の顔を覗き込むが、その顔には確かに叩いた痕が残っていた。 
熱を測ったところ、40度を超えていたらしい。 
慌てふためきながら看病をしてくれる両親を見て「もう怖いものはいなくなったんだ」と安心し、もう一度眠りについた。 
目が覚めて即病院に行って検査をしたところ、腎盂炎が判明。 
そのまま即入院。どれくらい入院していたか覚えていないが、少しずつ回復していた。 

退院してから少しして、急遽引っ越しをした。しかも隣町。 
なんでこんな引っ越しをしたのか聞いたが、両親は何も言わなかった。