988 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/06/13(月) 12:50:36.18 ID:DTKcuH0/0 [5/7回(PC)]
それから何年か経ち俺は高校に入学した。高校生になってもあの町の 
ことが頭にあった。とんでもないことをしてしまったとかじいちゃん 
達に悪いことをしたとかいう理由ではなく、あれ以来あの足音と声が 
未だに聞こえるからだ。別になにか起こるわけじゃない。ただ聞こえ 
るだけ。それでもやはり不気味でいい気分じゃない。 

ある日、運送会社から電話がかかってきた。実家に荷物を送ったが何 
度行っても留守だと。嫌な予感がした。というよりも半分ぐらいそう 
なんじゃないかと思っていた。何かあれば電話をしてくるはずなのに 
何度行っても留守。すぐに実家に行くことになった。 

家についたのは夜遅くなのに、家に明かりはない。玄関を叩くが応答 
がない。玄関は引き戸で簡単に外すことができる。ドアを外し一歩家 
に足を踏み入れた瞬間に確信した。ものすごい腐臭がする。母を見る 
と少し嗚咽を漏らし震えていた。


989 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/06/13(月) 12:56:13.68 ID:DTKcuH0/0 [6/7回(PC)]
中に入り明かりをつける。どこだろう。寝室かな?玄関を入り右へ進 
んだ突き当たりが寝室だ。 
寝室へ行く途中の左の部屋のふすまが開いていた。仏間だ。ちらっと 
見るとばあちゃんが浮いていた。首を吊っている。じいちゃんは同じ 
部屋で布団の中で死んでいた。母は子供のように泣いた。 

とりあえず外に出ようと言っても動こうとしない。警察を呼ぼうとし 
たが、まだ携帯が普及し始めた頃でそこは圏外だったので最寄りの交 
番まで歩いて行った。 
じいちゃんは病死、ばあちゃんは自殺と警察から説明された。じいち 
ゃんの跡を追ってばあちゃんが自殺をした。そういうことらしい。 
葬儀はしないこととし、お坊さんを霊安室に呼んでお経を上げてもら 
い火葬した。 

家に帰る日、写真などを持って帰りたいから実家によってから帰るこ 
とにした。財産はこの家以外に何もないから相続しないらしい。



990 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/06/13(月) 12:58:38.77 ID:DTKcuH0/0 [7/7回(PC)]
この町に来るのはこれで最後。母がいろいろやっている間、俺はなつ 
かしい道を歩いた。学校へ登校する道。公園でブランコに乗りながら 
考えた。どうしようか。もうこの町と一片の関わりも持ちたくない。 
このまま帰ったほうがいいか。でもあの足音と声がある。そうするこ 
とこそがこの町との関わりをなくすことなんじゃないかと思った。 

林の中へ入り首刈り地蔵へ持ってきたおにぎりをひとつお供えした。 
何を願おう。誰を。すぐに思いつく名前はなかった。俺は誰を殺した 
いんだろう。・・・・・・ 
(この町の人間全員を殺してください。)そう願った。 

公園の方を向くと5,6人の人がこっちを見ていた。見知った顔もあ 
る。向こうも俺が誰だかすぐに分かったと思う。 
俺が近づいていくと目を逸らし誰も何も言ってこなかった。俺も何も 
言わず無言ですれ違った。 

足音と声は聞こえなくなった。 
あの町の人達がどうなったのかはわからない。