40 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/05/25(水) 12:15:01.81 ID:pGM1XgsP0 [1/3回(PC)]
長い付き合いになる、霊感持ちな友人が二人いる。 
その二人と友人になってから、それまで縁のなかった 
不可思議な体験が、日常茶飯事になっていた頃の話。 

ある日、友人Aの家に遊びに行った。 
よくある団地っぽいマンションなんだけど、どうも友人の話では 
曰くつきのマンションらしい。 
Aも色々体験しているそうなんだが、特に危険なモノはいないそうなので、 
家賃が破格ということもあり、気にせずに住んでいるそうだ。 
ただ、ひとつだけ。 
Aの家の、とある一室の押入れにいる「ヌシ」だけはヤバイ。 
と、真剣な顔で行く前に教えてくれた。 

「ヌシ」って言っても、友人が勝手にそう言ってるだけで、 
特に何かの主ってわけじゃないそうだ。 
ただ、他のモノよりもアピールがひどいし、昼間でもはっきりと見えるぐらい、 
存在感が半端ないらしい。 
まぁ、俺も好き好んで関わり合いたくないので、素直に分かったって、 
その時は頷いておいた。


41 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/05/25(水) 12:16:39.26 ID:pGM1XgsP0 [2/3回(PC)]
Aの家に到着して、色々と洗礼は受けたんだが、それはまた別の話。 
とりあえずそこまでは危険なモノにも会わず、そろそろ夕飯の時間って頃になると、 
じゃあ、そろそろ飯作るわって、Aが部屋出て行った。 
なんとなく手持ち無沙汰にしてると、 
どこからか、目覚まし時計のアラームの音が聞こえてきた。 
あいつ、夕飯を作る時間とか決めてるのかなー?とか最初は思って放置してた。 
でも、少ししてから気付いたんだ。 
「この部屋に目覚まし時計なんて置いてない」って。 

気付いた後もずっとアラームはなってるし、友人も全く止めにこない。 
しかもよく聞いてると、そのアラームって押入れの中から鳴ってる。 
そして何故かその時、俺は押入れを開けてアラームを止めなきゃって気分になってたんだ。 
あれだけAに止められてたにもかかわらず。 

押入れの前に立って、取っ手の部分に手をかけて開けはじめた。 
数センチぐらい開けた時、いつのまにか部屋に戻ってきていたAが、 
「やめろ!」って大声で叫んだ。 
そして、思いっきり叩きつけるように、押入れを閉めた。 
今でも思い出せるけど、あの時以上のAの切羽詰った顔は見たことがなかった。 
俺がすごいびっくりした顔でAを見てると、いきなりAが「ごめん」って謝った。 
「お前がこういうのに呼ばれやすいの忘れてたわ」って。



42 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/05/25(水) 12:17:54.20 ID:pGM1XgsP0 [3/3回(PC)]
その時、自分が初めて呼び寄せやすい体質だって教えてもらった。 
もう一人の友人Bもその事を分かっていて、二人して、何か変なモノに憑かれたら、 
俺の家に来て置いて行ってたらしいorz 
ただ、俺自身があまり影響を受けにくいタイプみたいで、それなりに強いモノでも、 
大して問題にならないそうだ。 
むしろ、いつのまにか置いていったモノが消えてるんだと。 

そんな話を聞きながら、Aにさっきまで、押入れの中でアラームが鳴ってた事を伝えた。 
Aはあからさまに嫌そうな顔をして、 

「押入れの中の目覚まし時計な? もう何年も電池入ってねぇよ」