855 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/05/25(水) 01:31:26.97 ID:5aXTVKNp0 [3/5回(PC)]
いつものようにサッと家の玄関に向かって鍵を開けて家にはいる。それでいいはずだった。 
神社の境内には砂利が敷いてある。  
「ジャッ、ジャッ、ジャッ・・・。」 
走るのも変なのであくまで足早に玄関に向かう。  
「ジャ、ジャ、ジャ・・・。」 
「ふぅ」と一息。玄関までついた。あの人影もこちらに反応をしめした気配はない。 
大丈夫、あとは鍵を取り出して・・・。 
「ジャ・・・ジャ・・・ジャ・・・。」 
!?動いた。動いてる。砂利の上をあの人影があるいてる。いや、大丈夫、ただ歩いてるだけだ。 
さっさと鍵を開けて、・・・こんな時に限ってなかなかみつからない。 
・・・はやく鍵を開けて・・・!! 
「おぉおぉぅ・・・・ぅおおぉぉ・・・!!」 

背筋がぞっとした。泣き女だ。あれは泣き女だ。まずい。確実にあいつは私を見ている。 
そんな気がする。いや、見ていないわけがない。こっちに気付いてそれでもなお、あいつは鳴いているんだ。 
あせって鍵が見つからない。 
「おぉおおおお!!うぉぉぉぉうぅぅ・・・!!」 
泣き女が鳴く。 
「ジャ、ジャジャジャジャ・・・!」 
鳴きながら歩いている。・・・こっちに向かっている? 

そう思った瞬間、必死に玄関のドアを叩いて、インターホンをひたすら押した。 
「お母さん!あけて!あけて!はやく!!」 
必死に叫んだ。 
怖くて後ろはふり返れない。私が必死にドアを叩き続ける間もあいつは鳴きながら砂利を鳴らしている。 
こっちに近づいてきている!


856 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/05/25(水) 01:34:05.62 ID:5aXTVKNp0 [4/5回(PC)]
時間にして1分ほどだったかもしれない。果てしなく永く感じた。 
玄関にポッと明るくなる。助かった。 

「はやく開けて!開けて!」 

まだ安心はできない。鍵があくまで、ドアが開くまで。 
「いい加減にしなさい!何時だと思ってるの!だから深夜のバイトなんて私は・・・」 
「そういうの後できくから早くあけて!」 
深夜にたたき起こされて、さらに近所迷惑もかさねて母の怒りは絶頂だったに違いないが 
今は扉越しの押し問答をやってる余裕なんてない、後でどれだけ説教くらってもかまわない。 
一刻もはやく家に入りたい。 
「あいつがきてるの!」 
「え?」 
母も事情を察してくれたらしく、さっさと鍵をあけてくれた。 
ドアが開く!サッと後ろを確認した。あいつは!? 

・・・泣き女はただ、砂利にうずくまってひたすらに鳴いていた。 
時折、砂利を手で掬い上げては、四方に投げ飛ばしていた。砂利の音はこれだった。 
あいつが近づいてきていると思ったのは私の勘違いだった。 

「おぉぉぉ・・・うぉぉおお・・・。」 

その姿は、なんとも憐れで、とても哀しそうだったのが今でも目に焼き付いている。 
私は、どっときた安堵感とその異様な光景にただただ呆然と立ち尽くしていた。 
家に入ることも、怒りの絶頂にいた母が自分の前にいたこともすっかり忘れて。



857 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/05/25(水) 01:34:19.70 ID:5aXTVKNp0 [5/5回(PC)]
時間にして1分ほどだったかもしれない。果てしなく永く感じた。 
玄関にポッと明るくなる。助かった。 

「はやく開けて!開けて!」 

まだ安心はできない。鍵があくまで、ドアが開くまで。 
「いい加減にしなさい!何時だと思ってるの!だから深夜のバイトなんて私は・・・」 
「そういうの後できくから早くあけて!」 
深夜にたたき起こされて、さらに近所迷惑もかさねて母の怒りは絶頂だったに違いないが 
今は扉越しの押し問答をやってる余裕なんてない、後でどれだけ説教くらってもかまわない。 
一刻もはやく家に入りたい。 
「あいつがきてるの!」 
「え?」 
母も事情を察してくれたらしく、さっさと鍵をあけてくれた。 
ドアが開く!サッと後ろを確認した。あいつは!? 

・・・泣き女はただ、砂利にうずくまってひたすらに鳴いていた。 
時折、砂利を手で掬い上げては、四方に投げ飛ばしていた。砂利の音はこれだった。 
あいつが近づいてきていると思ったのは私の勘違いだった。 

「おぉぉぉ・・・うぉぉおお・・・。」 

その姿は、なんとも憐れで、とても哀しそうだったのが今でも目に焼き付いている。 
私は、どっときた安堵感とその異様な光景にただただ呆然と立ち尽くしていた。 
家に入ることも、怒りの絶頂にいた母が自分の前にいたこともすっかり忘れて。