613 : 1/3[sage] 投稿日:2011/02/25(金) 02:54:46.52 ID:X0zMHTwP0 [1/3回(PC)]
家の暗部を書くようで恐縮だけど、、、 

うちの婆ちゃんが呆けて暫くなる。 
呆けたってもウンコ食ったりとか深夜に徘徊したりとかじゃなく、 
トイレにはたまに自分で立っていける程度の軽度な寝たきりみたいな。 
かれこれもう2-3年くらいかな?いつも揺り篭みたいな大きな籐で編んだ 
丸い椅子に横たわって厚着してニコニコしてるんだよ。 
赤ちゃんじゃないけど赤ちゃん的なお婆ちゃん。 
俺も大学で実家を離れてから1年に1回も帰らないんだけど、たまに帰ると婆ちゃん 
に話しかけるんさ。婆ちゃん元気?とかアイス食べる?とか言うとニコニコして 
”はい、ありがとうございます”とか”ほんにお世話になります”とか返す。 
俺を孫とは認識してないっぽいけどwいとおしいお婆ちゃん。 
そんな婆ちゃんと父ちゃん母ちゃんの3人暮らしの実家。 
そこに今年の正月二日、数年ぶりに親父の兄弟、俺から見たら2人の叔父さんが 
集まったんだ。故爺さんの家族大集合的な。 
爺さんが元気だったことはよく正月に一族で集まったもんだけど、今回はイギリス 
に長期赴任中の叔父さんが帰ってくるから折角だから婆ちゃん囲んで宴会しよう 
みたいなことだったらしい。 
言い忘れたけど実家は九州の超田舎。家の隣は藪とか裏山とかそんなレベル。 

長兄である親父は久々に自分の兄弟達がそろうことに目茶目茶テンション 
あがってた。中でも末弟の叔父さんは数年ぶりに日本へ帰るとかで、超久々に 
会うこともあってか、また自分が働いて大学まで行かせる程可愛がってたせい 
なのか前日である元日からそわそわしてるほど。おめーwwwてめえの息子よりも 
弟に会えることの方が嬉しいんかいwwwみたいな。 
で、二日の昼前、先ず隣の市に住んでる叔父さん(次男)夫妻と俺の1コしたの 
従兄弟がやってきて、昼を少し回る頃にはイギリスの叔父さんも一人で(バツ1) 
やってきた。朝からせわしく宴席の準備に奔走してた母ちゃん、そこへ助っ人の 
叔母さん達も加わって1時前には宴会の準備が整った。

 
614 : 2/3[sage] 投稿日:2011/02/25(金) 02:58:22.18 ID:X0zMHTwP0 [2/3回(PC)]
座卓を2つ並べお婆ちゃんを上座に配し、続き親父、叔父さん達と皆が揃う。 
ご馳走が運ばれ酒が並ぶ卓上を見て何が始まるのかとニコニコしてる婆ちゃんの横で 
親父が年始の挨拶をぶった。一人年の離れた長兄であることもあってかかなりの親分風 
を吹かす親父。そんな親父の見た目や喋り方が死んだ爺さんに近づいたことを 
イギリスの叔父さんは笑いながらからかった。答えてガハガハ笑う親父、それがまた 
爺さんに似てるらしく叔父さん達は爆笑した。寒い中縁側を開けて薄く日が差して、 
暖房を焚いて少し暖かくて少し肌寒くて凄くいい和やかムードの正月。 
親父の新年の挨拶を皮切りに宴会がスタート。 
久々に会う兄弟、一族、母ちゃんの気合入りまくった料理で親父のテンションMAX。 
もう真っ赤な顔でガハガハ笑い最高潮。軍人気質だった死んだ爺さんの物まねで 
”気をつけぇぇぇっ”とか言って笑ってる。 
叔父さん達も兄貴は兄貴はみたいな感じでヨイショして本当に楽しい宴になった。 
宴もたけなわな中、ふと見ると上座に置いた籐の椅子の中の婆ちゃんが珍しく 
不機嫌な顔でいる。不機嫌と言うか何か言いたげな、不満げな?そして少しおどおど 
挙動不審的な。皆が婆ちゃんを無視してるからかな?と思い、”婆ちゃん大丈夫?” 
と話しかけても下を向いて返事は無い。 
普段婆ちゃんのお世話をしてる母ちゃんが朝から宴の準備で忙しく動き、婆ちゃんの 
世話まで回らんからかな?と思うも俺も従兄弟たちと話が弾み放っておいた。 
暫くして従兄弟が婆ちゃんのおかしな様子に気がついた。ブツブツと何やら小声で 
囁いてる。話しかけてもこちらを見ず、頑な顔で前を見て訴えるように囁いている。 
何やろね?疲れたんかいな?もう寝たいっちゃない?と言う話になり、親父が 
”おう、じゃあ婆ちゃん部屋に連れけ”と母ちゃんに言った。 
それなら皆で写真撮ろうかと言う話になり、カメラを掴む俺。 
婆ちゃんを囲みうちの一族が集まった。 
はい、チーズとシャッターを押す。 
光るフラッシュに婆ちゃんがハッとし、弾けるように叫びだした。