499 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/02/05(土) 02:53:36 ID:Y+67HZg+0 [5/14回(PC)]
A美と二人っきりになったが、言われたような怪しい雰囲気になることもなく、 
深夜テレビを見ながら二人で他愛のない話をして過した。 
そして一時間はあっという間に過ぎたが、4人はまだ帰ってこない。 
俺は冗談で「ホントに霊になんかされたかな?」とか言っていたが、 
それからさらに一時間経過しても帰ってこない。 
これはちょっと洒落にならないか?と思ってたら 
A美も不安そうな顔で、「ねえ、ちょっと遅くない?」と心配し始めた。 
「そうだよな」と俺も心配になり、携帯に連絡してみた。が、繋がらない。 
繋がらないと言うのは電話に出ないとかじゃない。 
呼び出し音もしないし、「お掛けになった電話は電波の繋がりにくい状態にあるか~」 
とかいうアナウンスもない、さらには「ツー・ツー」という話中のような音もしない、 
とにかく、発信してみても何の反応もないのだ。 
おい待て、こんなことあるか?と少しゾっとした。 
A美も自分の携帯から連絡してみたが、全く同じ状態で、 
「絶対おかしいよこんなの」と青い顔で半ばパニックになってた。 
しかし、どうしていいのかわからない。 
車はなかったので現場に行く事もできないし、 
何が起きてるかもわからないのに警察等に届けるのもためらわれた。 
そうこうしてる内に3時間が過ぎた。 
何度やっても電話は相変わらず全く無反応。 
A美がさすがにもう警察に言おうと必死に言ってきたので、自分ももうそれしかないかと思ってたときだった。

 
500 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/02/05(土) 02:54:40 ID:Y+67HZg+0 [6/14回(PC)]
俺の携帯が鳴った。慌てて表示を見ると、Tからだった。 
俺はホッとして「Tだよ」とA美に言うとA美もホッとしたようだった。 
やれやれと思いながら電話に出たのだが、何も聞こえてこない。 
何だ?と思いながら俺が 
「おい、お前らなにやってんだよ。何時間経ってると思うんだ?」 
とさすがに怒って言った。が、やはり何の反応もない。 
周囲の雑音というか、「サーッ」という空気音だけが聞こえる。 
不気味で怖くなってきて 
「おい、ふざけるなよ。なんとか言えよ。どこにいるんだよ?」 
と言ったが、やはり反応がない。 
自分は完全に怖くなって何も言えなくなってしまい、携帯を耳に当てたまましばらく固まっていると、 
雑音の中から小さいけどはっきりした声で 
「カエス」 
という言葉が聞こえた。 
は?と思ったが、そこで「ブツッ・・・ツー・ツー」と電話は切れた。 
「おい」と言ったが、もう電話は切れている。何の反応もない。 



501 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/02/05(土) 02:57:08 ID:Y+67HZg+0 [7/14回(PC)]
「カエス」と確かに声は言った。しかし、その声は聞き覚えのないものだった。 
短い言葉だったが、聞いた事のない、とにかく異質な声だった。 
TのものでもMものでもY子のものでもR子のものでもない。 
そもそも男か女かもわからない。 
なんだか抑揚のない、発音もしっかりしてないまるで機械が喋ったような声だった。 
カエス・・・返す?帰す?それとも他の意味?そもそもどういう意味なんだ? 
(嫌な事にこの声はなぜかいまもハッキリ覚えていて思い出すとまだ震えが来る) 
A美が「何?」という顔で俺の顔を見ていて、 
それでようやく我に返り、Tに連絡しなおそうと着信履歴から番号を出そうとした。 
が、Tの着信が履歴に残ってない。 
おかしいと思ったが、何度確認してもやはり履歴に残ってなかった。 
「おかしい。履歴にない。表示は確かにTだったのに」と言うと、 
A美は「え?どういうこと?T君じゃなかったの?なんだったの?」 
と怯えた声で聞いてきた。でも説明ができない。 
とにかくもう一度連絡し直そうと、発信履歴の方からTに電話した。 
すると今度はちゃんと呼び出し音がした。 
それには少し安心したが、ただ呼び出し音が鳴るだけで誰も出ない。 
何度も繰り返し電話したが、ひたすら呼び出し音が鳴るだけ。 
A美もY子やR子に電話してくれたが、これもまた同じだった。 
2人の不安はもう限界になって、110番をしようと決めたまさにその時だった。



503 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/02/05(土) 02:58:29 ID:Y+67HZg+0 [8/14回(PC)]
アパートの部屋の前にTのワゴン車がものすごい勢いで止まったのがわかった。 
ああ、帰ってきたかと一瞬ほっとしたが、様子がおかしかった。 
車をアパートの駐車場に入れる事もなく、エンジンもライトも点けたまま、 
ドアが開いてバタバタと慌しく降りて来る音がしたのだ。 
ん?と思ってると、「ドンドン!」と部屋のドアをもの凄い力で叩く音と、 
「おい!開けろ!開けてくれ!」というTの悲鳴みたいな叫び声がした。 
なんだ?と思いながら急いでドアを開けると、 
MとTが「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ~!」とか声にならない叫び声を上げて 
靴も脱がずに部屋に飛び込んできた。 
「おい・・・」と俺が言うのも聞かず、Mは部屋の奥に行って、 
「あ~!あ~!あ~!あ~!」と頭を抱えてうつ伏せになり泣き叫んでた。 
さっきも言ったように、Mも空手の黒帯で体もでかくてゴツい。 
なのにそんな体を丸めて、悲鳴のような声をひたすらあげる。 
Tの方はトイレに行ってげえげえとゲロを吐き、さらに 
「ちくしょう!なんだよ!ふざけんなよ!」と意味不明なことを大声で言っている。 
何がなんだかわからず、俺がドア付近に呆然と立っていると、 
R子が全身が脱力したようにフラフラしながら部屋に入って来た。 
A美はTとMの尋常じゃない様子に手を口に当て、ただ泣き顔になってたが、 
そんなR子を見ると我にかえったのか、「R子!」とR子に飛びついた、 
そして、「ねえ!どうしたの?何があったの?」と半ばパニックになりながら、 
R子にしがみついて聞いた。 
が、R子の顔を見て俺も、A美もハッとした。 



 504 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/02/05(土) 03:00:21 ID:Y+67HZg+0 [9/14回(PC)]
目がうつろで見るべきでない方向を見てた。 
表情にもまったく抑揚がなくて、放心状態だった。 
R子はゆっくりと台所の真ん中あたりまで行くと、壁にすがり、 
そのままズルズルと床にへたり込んだ。 
A美も俺も恐怖で体が固まり、動けなかった。 
が、そこでY子がいないことに(ようやく)気が付き、青くなった 
「おい!Y子は?どこいる?」と大声で言ったが、 
誰も答えられるような状態じゃなかった。 
まさか、置いて来たのか?とゾッとして、やっと体を動かし、慌てて車まで行った。 
すると、Y子が助手席に座っているのが見えた。 
置いてきたわけじゃないんだなととりあえずホッとした。 
助手席のドアを開けて「おい、Y子!」と大声で言ったが、 
車の中にものすごい臭いが充満していて思わず顔をそむけた。 
明らかに大便の臭いだった。そしてそれは座ってるY子の下半身から臭ってくるのがわかった。 
暗くてよく見えなかったが、どうやらY子が漏らしているようだ。



505 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/02/05(土) 03:01:25 ID:Y+67HZg+0 [10/14回(PC)]
俺は思わず、「うわ・・・!」と声をあげたが、そんな場合でもないと思い 
「おい!Y子!」とY子の体を揺すったが、Y子は目をつむったまま全くの無反応。 
口がだらしなく開いていて、よだれが大量に流れている。 
これはもうただ事じゃないと、体が震えた。 
救急に連絡しようと、部屋に戻ると、さっきより静かになっていた。 
R子は台所の床にへたり込んだままで放心状態。 
Tはトイレにいてさきほどとは違い静かになっていたが、 
しゃがみこんだままやはり放心状態でトイレの壁にすがり、うつろな目で天井を見ていた。 
さらには小声でブツブツと不気味に何かをつぶやいている。 
Mも静かにはなっていたが、相変わらず体を丸くしてうつ伏せになったままで 
「ひぃ、ひぃ」と泣きながら小さく悲鳴をあげていた。 
A美もパニックになってるようで口に手を当てて声を押し殺すように泣いていた。 
誰かに話しかけられるような状態じゃなかった。 
出掛ける前までみんなあんなに楽しそうに盛り上がってたのに、いまは地獄絵図のようだ。 
とにかくこれはもう尋常じゃないと思い、外に出て(怖くて中には居れなかった) 
やっとの思いで救急に連絡した。