162 : 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ [sage] 投稿日:2010/12/04(土) 22:06:16 ID:1t3Sd4RO0 [1/3回(PC)]
友人の話。 

彼の家は山中にあるのだが、そのすぐ横を、十年程前に高速道路が開通したという。 
他方面へ繋がるインターチェンジが近いとかで、交通量は結構多い。 
見通しは良いのに、何故か交通事故が多発しているそうだ。 

ある晩、そろそろ寝ようかと支度していると、土間の方で気配がした。 
様子を見に行くと、見たこともない女性が一人、水瓶から手掬いで水を飲んでいた。 
「誰だ?」そう問い掛けてみても返事が無い。 
水を飲み終えると、女性はスッと開いたままの戸口から出て行った。 
やけに生気のない表情が気になってしまい、後を追いかける。 

間髪入れず外に飛び出たが、戸口の外には誰の姿も見えなかった。 
何処へ隠れたかと訝しんでいると、救急車のサイレンが聞こえてきた。 
下で事故があったらしい。 

尚も女性のことが気になっていると、屋敷奥から父が出て来て「どうした?」と 
聞いてきた。事情を説明すると、こんなことを言う。 

「その女性は多分、今の事故で死んだばかりの人だろう。 
 この下の事故で死んだ者は、何故かここの水瓶の水を飲みに来るみたいなんだ。 
 最期の一杯って奴かもしれんな」 

父は数年前に、あることから事故と水瓶の関連に気が付いてしまったらしい。 
「だから今じゃ使ってないこの水瓶も、水は切らさないよう注意してる」 

・・・まぁ確かに一番近い民家だけどなぁ。 
以来彼も、水瓶の水が減っていると、継ぎ足すようになったのだという。