429 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2010/11/15(月) 14:51:08 ID:FrFY8kje0 [1/4回(PC)]
ある夜、布団に入りウトウトしていた時、「起きてくださいますか」という女性の声が聞こえました。 
私は目を開けませんでしたが、横になったままその声を聞きました。 

「怖がらないで下さい。決してあなたに害を加える者ではありません。 
まず、怖がらないで、声を出さないでください。怖いなら怖いとおっしゃってください。 
お気持ちで怖いと思っていただければ私はお声をかけません」 

その声の主は若い女性で、高貴な教養ある人という感じでした。 

恐怖心よりも先に、「せっかく寝ているのに起こされてしまったな」という 
確認作業が頭の中でされました。 
「怖がらないで下さい」という声を、幽霊だとかお化けだとかと認識の前に、 
「ああ、夢だな。飲みすぎたかな」と思いました。 



「怖がらないでください。そのまま、目を開けていただけますか」と声は続けます。 
「目を開ければこの夢は覚めるな」と思いながら目をあけると、部屋の中に女性と思われる影がありました。 

私が起き上がろうとすると、「そのままで結構です。私がわかりますか」と優しい声で尋ねられます。 
恐怖感は全くありません。「分かりますかとは、どこの誰なのか分かるかという意味なのだろうか」と私は考えました。 

「いえいえ、私がどこの誰かをご存知かと言う意味ではありません。私がここに居るのがわかりますかという意味ですから、 
深く考えていただかなくてもよろしいです。怖くなったら、声を出すかお心のなかで消えろと思っていただければ、 
私はお話できなくなりますから、心配しないで下さい」と女性は言います。 

「まだまだ、変な夢を見ているなあ」という意識が私のものでした。 

 
430 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2010/11/15(月) 14:54:47 ID:FrFY8kje0 [2/4回(PC)]
「私は○○と申します。すでにお分かりのように、あなたの住んでいる世界のものではございません。 
あなたからはあの世と言われる世界の者です。あなたにお願いがございます」と女性は話し始めました。 

その女性は、自分が庄屋といわれる豪農の娘であったこと、嫁に行ったこと、子供ができずに縁を切られたこと、 
その地のしきたりで国境の地に埋められて死んだこと、そしてそのことに恨みはないことを優しい声で話しました。 

私の方はというと、「何故子供が生まれない身体だと縁を切られて、殺されてしまうのだろう。 
可哀想な話だ、実家に戻ればいいのに、そういうしきたりというのもあったのか」などと思って聞いていました。 


「実家に戻ってはいけないというしきたりがあったのです」と女性は言います。 
「日本にそんなしきたりがあった土地があったのだな」と私は思いました。 

「7日間で結構です。私のことを思って祈ってくださいませんか。ろうそくと水と塩を、××神社に一度奉納し、 
それを私にいただけたらと思います」と女性は私に依頼をします。 
××神社は私のよく知っている地元の神社でした。 

「はい、それだけでいいのなら、承知しました」と心の中で思った時、女性は消えて行きました。