122 : 名乗るほどの者ではござらぬ[] 投稿日:2010/10/19(火) 21:13:35 ID:55qmPCca0 [1/3回(PC)]
こんばんは、  

僕の話は、森田必勝さんが投稿された三島由紀夫さんが自害された時の介錯に使われた 
刀、関の孫六の話です。 
ただし、介錯の時ではなくそれ以前の話です。 

三島さんの介錯に使われた刀は兼元といいます。通称、関の孫六。 
ただし、「関の孫六」を名乗るのは兼元の初代及び二代目でその後は通称です。 
介錯に使われた兼元は、いわゆる後代兼元と言われ江戸中期の作です。 
ある出版社の社長さんが、三島さんに随筆を執筆してもらいました。 
そのお礼として、その社長さんが自分の蔵刀の中から二本を選びそのどちらかを 
三島さんに選んでもらって三島さんに贈るつもりでした。 

その刀は、どちらも兼元でいわゆる関の孫六ですね。 
しかし、造られた時代が違いますので同じ兼元ではありません。 

続く

 
124 : 名乗るほどの者ではござらぬ[] 投稿日:2010/10/19(火) 21:36:35 ID:55qmPCca0 [2/3回(PC)]
 

二振りの孫六は、一本は二尺三寸のいわゆる常寸と言われたもの、それに二尺二寸五分の 
兼元でした。どちらも砥ぎべりなどなく健全でしたが、短い方には一つの欠点がありました。 
それは、鍔元五寸の所に刃毀れがありました。 
社長さんは、この二つの長所、欠点を話してどちらかを選んでくださいと三島さんに 
いいますが、三島さんは、刃毀れのある兼元の方を選びました。 
普通、刀は健全な物を選びます。まして、刃毀れがあるとは戦いに使われたか 
実際に、斬首などに使われたかまともな人は、傷のある刀は選びません。 
しかし、三島さんは、刃毀れのある兼元を選びました。 

続きます。



127 : 名乗るほどの者ではござらぬ[] 投稿日:2010/10/19(火) 22:03:56 ID:55qmPCca0 [3/3回(PC)] 

これからが、本題 

三島さんが、兼元を選んだ後、この刃毀れのある兼元のあるエピソードを 
話します。 
それは、刀を送った社長さんは剣道や居合をしていますので、その筋で三島さんと 
知り合いになったそうです。 
ある時、社長さんは、刃毀れのある兼元を護身用にと白鞘のまま座敷の鴨居にかけていました。 
鴨居の下には高さ1メートルほどの布団が重ねておいてありました。 
ある晩に、小さな地震がありました。 
社長さんは、家の中を見て回ります。 
そして、座敷を見て驚いたそうです。 
鴨居に掛けていた兼元は、鞘から離れ1メートルもある布団を差し貫き畳も 
貫いて床板まで達していました。 
掛けていた刀が、例え鞘離れしても刀から1メートルもなく又、1メートルも 
ある布団を差し貫き、あますさえ床板も差し貫いているとは考えられません。 
社長さんは、以後、この兼元は、押入れ奥にしまったそうです。 
この話は、「関ノ孫六―三島由紀夫、その死の秘密」 (1973年) (カッパ・ブックス) 
に載っています。 
アマゾンで調べたら古書で14000円ほどします。 
僕は20年ほど前に持っていましたが、現在は行方不明です。 
三島さんは、この刃毀れの後代関の孫六兼元を白鞘から軍刀拵えにして 
自害に使われました。 

やはり、呪われた刀はありますね。