260 : 去年の出来事 1/5[sage] 投稿日:2010/10/31(日) 01:20:33 ID:B9Z258Oh0 [5/6回(PC)]
そして、爺さんの数珠を持たされて、爺さんの読経を2時間近く聞いた。 
もう良いぞと言われた後、今後のことについて言われた。 

「その数珠は、俺の親父の形見で大事なものだけど兄さんに貸す。肌身離さず持て。 
数珠を持っていれば、化物でも簡単にはわからんだろう。 
化物と完全に縁が切れたかどうか調べるから、俺が良いと言うまで毎月ここに来い。 
そして、変な男に憑かれた場所には二度と近付いちゃならねえ。 
多分払われた男は、あの死んだ場所に戻るだろう。近くに必ず化物がいる。 
そこに近付いちまったら、数珠なんか効果は無い。 
今回は、化物も様子見みたいなもんで本気じゃなかったと思う。 
簡単に憑り殺せると思ったのが、思わぬ反撃をくらって、手を引っ込めた隙に 
逃げられた。逃がした獲物が目の前に現れたら、間違いなく本気で来るぞ。 
そうなったら助けられない。助けるどころか兄さんを通して、必ず俺の所にも来る。 
皆死ぬんだよ。そして、縁が切れたら出来る限り今回の件は忘れろ。 
忘れるのが一番良いんだ。」 

爺さんから言い聞かされて帰った。 
その日から男の夢は見なくなった。

 
261 : 去年の出来事 追加[sage] 投稿日:2010/10/31(日) 01:24:01 ID:B9Z258Oh0 [6/6回(PC)]
正しく言えば見る事はある、しかし寝直せば見る事はないし、ごく偶にだ。 
ずっと数珠は持ったままだ。寝る時は腕に付けて、更にセロハンテープで止めていた。 
1週間後に会社も辞めた。実家に戻って零細企業だが就職も出来た。 
そして、1ヶ月に1度爺さんの家に顔を出す。 

先月になって、漸く爺さんの安全宣言が聞け、形見の数珠は返却した。 
だけど、念のため爺さんが作った数珠を頂いた。 
 
セロハンテープ止めまではしていないが、寝る時も腕に付けている。 
もう来なくて良いと言われたが、俺は爺さんが死ぬまで通い続けるつもりだ。