377 : 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ [sage] 投稿日:2010/10/20(水) 18:39:21 ID:WAVoq6M80 [2/3回(PC)]
友人の話。 

浅い山で軽めのハイキングを楽しんでいた。 
午後の中半、道脇の石に腰を下ろし、軽く食べて休憩しようとザックを開けた。 
菓子パンを取り出していると、視界の隅に何か蠢く物がある。 
顔を上げると、少し離れた道上に見慣れた形が落ちていた。 

自分のものと同じくらいの大きさの、人の右手。 
丁度手首から上の部分が、地面の上で指をゆっくりと開いたり閉じたりしている。 
白い肌に浮いた青い静脈がいやに目に付く。 

何を見ているのか理解するより早く、手はスススッと滑るようにこちらに向かってきた。 
「うわぁ!」思わず声を上げ、後ろに仰け反り石から転げ落ちた。 

慌てて起き上がり辺りを見回すと、もう右手はどこにも見えない。 
そしてまだ一口も食べていない菓子パンも、綺麗さっぱり無くなっていた。