280 : 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ [sage] 投稿日:2010/10/12(火) 19:19:22 ID:5lGlhe130 [2/3回(PC)]
友人の話。 

単独登山中、古い山寺に泊めてもらったのだという。 
夜中、何かに顔を撫でられて目が覚めた。 
彼曰く“柔らかい筆で頬を撫でられたみたいな”、そんな感触だった。 

寝袋の周りには誰もいなかった。 
顔に手をやると、しなやかな感触が触れる。 
慌てて明かりを点けて確認した。 

髪の毛の束だった。 
長さは小一メートルほどもある。 

部屋を隅々まで見て回ったが、間違いなく自分一人しかいない。 
流石に気味が悪く、別の場所に寝床を移し、再度寝ることにした。 

しばらくして、また何かに顔を撫でられた。 
やはり髪の毛だった。 

その後も彼が寝入ると、天井からパサリと髪が降ってきた。 
お陰でろくに寝られなかったらしい。 
翌朝、住職に大量の髪の毛を見せてみたが、不思議そうに首を捻るばかり。 
礼の言葉もそこそこに、その寺を後にしたそうだ。