628 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2010/09/06(月) 13:04:05 ID:EnldD7S90 [1/2回(PC)]
古来、山陰地方においては 
特定の周期で 大凶の風が吹く。 
そびえる山々は春には花が、秋には紅葉が 
訪れるハイカーを楽しませるが、 
その日、陽の光の中、 
突然に失われた命に まず 
黙祷を捧ぐ。 
登山者は、生い茂る緑の中、 
不意に前方を行進する 
片脚の人物を目撃する事がある。 
著しく土にまみれ、 
不潔な姿をしている。が、 
その際、追い越してはならない。 
更に 引き返してもならない。 
その人物は古く、我々の知らぬ 
霊である。 

 
629 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2010/09/06(月) 13:25:35 ID:EnldD7S90 [2/2回(PC)]
やがて、目撃者は 
その人物の短い足の傷口から 
腐敗した汚臭を嗅ぐだろう。 
その匂いは、激しい食欲をそそり、 
つい、繰り返し嗅いでしまう。 
意識は古く、神聖なものとなるが、 
人の形を留める事は無いだろう。 
やがて死を受け入れ、魂は鳥になる。 
山は人間の物ではない。 
死は常に未知である。 
我々は忘れてはならない。 
命も常に未知である。