161 : 代理投稿 ◆100mD2jqic [sage] 投稿日:2010/08/21(土) 00:25:04 ID:9FhPPqS70 [3/29回(PC)]

【父の話】 

父が昔、たった一度だけしてくれた怖い話。 

中学生の夏休みに悪友たちと遊んでいて、「肝試しをしよう」という話になった。 
その日の深夜に、お墓のある森の前でルールを決めた。 


・お墓を突っ切り、森の一番奥にあるお堂の前に小石を置いてくる 
・最初の人間がろうそくをお堂の前へ置き、最後の人間が回収する 
・一人が行って帰ってきたら、次の人が出発する 
・誰かを置いて逃げ帰ることは絶対しない 
という、ありきたりな肝試しになった。 


何人かが無事に戻ってきて、とうとう最後の父の番。 
お堂までは、月明かりを頼りに無事にたどり着けた。 
小石を置き、代わりにろうそくを持ち歩き出すと、突然左足が動かなくなる。 
ろうそくで照らして見てみても、何かが絡んでいる訳でも無い。 
ただ左足だけが地面にくっついた様に、いくら力を込めても、まったく動かない。 
「助けてくれぇ!!」と、大声で叫ぶと、離れた所で悪友たちの悲鳴が聞こえた。 
それからはいくら呼んでも呼んでも、誰の返事も返って来なかった。 

次の朝、父がいない事に気付いた祖父がそこら中探し回り、父を見つけた。 
父は地面の上で熟睡していたが、左足は、土葬された古い棺桶を踏み抜いていたらしい。 

逃げ帰った悪友たちを後で糾弾すると、彼らは口を揃えて 
「紫色の手が地面から生えてきて、足を掴もうとした」と言った。