8 : 1-7[sage] 投稿日:2010/06/12(土) 09:48:01 ID:IPjkUC9n0 [2/8回(PC)]
えーと、初めて書かせてもらいます。 

自己紹介から始めると、30代前半の未来に絶望している派遣社員です。 

東京にずっと住んでます。独身で、両親は死んでだいぶたちます。。妹と弟がいますがもう既に離れて暮らしてます。 

奇妙なのか分からないですが、僕の知り合いにお祓いの仕事をしている人がいる。知り合いというか、最寄り駅の近くの立ち飲みで出会ったおばさん。 

それが今から数えて7年前ぐらいかなと思う。 

引越し立ての頃で、仕事帰りに一緒に飲む友達がいなくて、気軽に入れそうな立ち飲み屋で飲むようになったのがきっかけ。で、そのおばさん俺を見るなり「ギャーッ」って叫び始めた。 

実を言うと、結構慣れっこで、よく知らない人から叫ばれます。叫ぶならいいんだけど、「あの人、怖いんです。捕まえてください。」って通報されたこともあった。 

なんで、「またかよ…」みたいな気持ちで無視してた。けど、そのおばさんは今までの人と違って話しかけてきた。「どこからきた?」「仕事はなにしてる?」「両親はなにしている?」なんて、まるで尋問のように矢継ぎ早に質問された。 

まぁ、こんなおばさんの友達も良いかと思って、質問に答えていた。それからしばらくして、そのおばさんが「今度、あたしの店に来い!」って言いながらお店のカード?みたいなものを渡された。 

まぁ、興味ないし、凄い上から目線で話されてムカツイていたから、直ぐ様、そのカードは捨てた。

 
9 : 2-7[sage] 投稿日:2010/06/12(土) 09:49:45 ID:IPjkUC9n0 [3/8回(PC)]
ところが、その後日、その立ち飲み屋でまた会ってしまい、その時は無理やり店に連れてかれた。というのも、おばさん以外に痩せたおじさんと若い女がいて、ちょっと逃げれなかった。 

ちなみにおばさんは「トキコさん」、若い女は「ケイちゃん」、おじさんは「ヤスオさん」ていう。 

「絶対、宗教の勧誘だよなぁ…」そう思いながら、その3人の後ろに付いていった。 

店に行くまで、誰も喋らないもんだから、ケイちゃんに話しかけてみたら、「ヒィぃいー。」とかいって、会話ができなかった。 

それからヤスオさんに、「ごめんな、君が怖いんだ。」なんて言われたから、なんか凄い悲しかったの覚えている。 

で、店に着いた訳だが、だたの占いの館だった。宗教の勧誘じゃなさそうだなと思い、「占いでもしてくれんのかな」と期待していた。 

で、店に着くなりトキコさんが、 

「あんた、私たちと仕事しないか?」 

って言われた。



10 : 3-7[sage] 投稿日:2010/06/12(土) 09:55:18 ID:IPjkUC9n0 [4/8回(PC)]
「はぁ?」と言いながら聞いていたら、なんでもその3人はお祓いを仕事にしているらしく、僕に付いてきて欲しいと言われた。 

その当時は一応、ある会社の社員だったので、「仕事あるんで、無理ですよ。」と断った。でもそのおばさんは引き下がらず、 

「土日のバイトだと思ってやってくれないか?」 

と頼まれた。まぁ幽霊とか神様とかまるで信じないので、まぁいいかなぐらいでOKした。 

早速、次の週末にお呼びがかかり、○○区のある一軒家に連れてかれた。家からそう遠くは無いので自転車で待ち合わせ場所に行ったら、「徒歩で来い、アホ」と怒られた。 

渋々、近くに自転車を止めて、その一軒家に入っていった。入った途端、トキコさんと連れにケイちゃん(おじさんは都合が悪くて来なかった。)が、「あぁ、いますね、いますね。」とか言い始めて、しかめっ面になった。 

ただ、僕には何がいるかも分からなかった。普通の一軒家だと思った。 

居間には中年夫婦がいて、僕らにお茶やら、お菓子を出してくれた。笑ってたけど、かなり引き攣ってたの覚えている。



11 : 4-7[sage] 投稿日:2010/06/12(土) 09:56:12 ID:IPjkUC9n0 [5/8回(PC)]
しばらくすると、トキコさんが、「早速、始めましょう。その部屋に案内してください。」といって、立ち上がった。何が始まるのか、よく分からないまま、二階に案内された。 

階段上がると左右に二部屋あって、その右側の部屋の扉の前で止まった。扉にはアルファベットで「TAKAO」って書いてあった。 

「ここです。」 

そう中年夫婦に言われた。トキコさんとケイちゃんは、背負っていたリュックサックの中から、塩を出して、ペットボトルの水と振りかけ、両手にまぶした。 

何が始まるんだろう?とか思いながら、俺も両手に塩まぶした方が良いのか聞いてみると、 

「お前には必要ない。ただ言われたとおりにしろ。」と言われた。 

中年夫婦には何があっても、絶対に取り乱すなと注意をしたトキコさんは、扉を開け中に入った。僕も後ろに続こうとした時、中から黒い影がトキコさんに覆いかぶさってきた。 

TAKAOという中学生ぐらいの少年だったが、異様に眼がギラギラして歯をむき出しにして「ガジャガジャ、ガジャー!」みたいな事、叫んでた。トキコさんの首に噛み付こうとしていたので、流石に僕もこりゃイカンと思い、少年を引き剥がそうと彼に近寄った。 

TAKAOくんは僕の顔を見るなり、震え始め、ベッドの隅っこに逃げて身を丸めた。 

「体のどこでもいいから、引っ叩け!」 

トキコさんにそう怒鳴られた。なので、悪いなぁとは思いながら、丸まってる背中を引っ叩いた。そんなに強く叩いた覚えは無かったが、 

「うぎゃー!」 

とか言って、TAKAOくんは泡吹いて倒れた。