628 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2010/08/18(水) 11:06:21 ID:tY56VQu6O [1/2回(携帯)]
13年前、当時まだ学生だった私がいつも通りに学校で授業を受けていると、事務局の職員が教室に来て教師に何かのメモを渡し、二言三言言葉を交わして帰っていった。 
私は教師に廊下に出るように言われた。嫌な予感がした。これが虫の知らせという物だろうか。 
教師は私に事務局から渡されたメモを見せ、早く帰るように促した。メモには「○○の祖母が亡くなった」とだけ書かれていた。 

電車とバスを乗り継ぎ、家に着いた。 
家の前は路上駐車だらけ。知らせを聞いた親戚達が一足先に集まったんだろう。 
祖母が死んだという実感もまだ湧かないまま、親戚との挨拶の言葉だけを頭の中で繰り返しながら、玄関のドアを開けた。 

ドアを開けた瞬間に感じた強烈な違和感で、家の中に入ろうとした足が止まる。違和感の正体に気がついた時、情けない事に腰が抜けそうになった。 

人が慌ただしく行き交う狭い廊下の先から、祖母が這いずりながらこちらに向かって来ている。 
生前、長年続けてきた畑仕事がたたり、祖母は満足に歩けなくなっていた。だからと言って、死んでまでリングの貞子みたいに這って来なくても良いだろう。ビジュアルが怖すぎる。 
祖母はついに、固まって動けなくなってしまった私の所までたどり着き、口を開いた。 

「…お祖父ちゃん死んじゃったよぅ…」 

家族のミスか事務局のミスか分からないが、祖父が死んだはずなのに祖母が死んだことになって私に伝わったみたいです。 

本当にあった、私だけが怖かった話。

 
629 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2010/08/18(水) 11:47:01 ID:2r5yyNN0O [1/1回(携帯)]
>>628 
泣けばいいのか笑えばいいのか、わかんねーんだけど……



630 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2010/08/18(水) 12:32:08 ID:tY56VQu6O [2/2回(携帯)]
>>629 
正に当時の私の心境がソレです。 


>>628の話には少し後日談がつきます。 

祖父が死んだ後、我が家は奇妙なことが続いた。 
すりガラスに人影が映る、引き戸が開いて閉まる、ドアをノックされる、金縛りにあう、祖父が化けて出る(祖母の枕元に立つ)、などなど、大して怖くないがあまり頻繁だとウザったい霊現象だ。 
特に祖父が化けて出ることが祖母に堪えたようで、お祓いをすることになった。 
あまり詳しくは書けないが、神主がお祓い中にホニャララした塩を家人が家の敷地をグルリと囲むように撒き、結界をはるといったような内容だった。塩を撒く人は、その間、一言も発してはならないという約束事なんかもあった。 
そのお祓いが効果てきめんで、それ以来、何も起こらなくなった。祖父も出てこなくなった。 

祖父はお盆に家に帰ってこられたのだろうか、それだけが心配です。