106 名前:4 投稿日:2009/09/10(木) 21:30:12 fadACYG40 
「そうそう、Rちゃんのことも言ってたよ」 
おばあちゃん曰く・・・ 
「あの子はスポーンと簡単に産んじゃうから楽チンだよ。 
 ものすごい速いはずだから陣痛の間隔が縮まる前に来た方がいいよ」 
当時のお産マニュアルによれば、陣痛の間隔は確か10分ぐらいになったら 
病院に連絡→入院という流れだったと思う。 

「全部夢かもしれないけどね~」とYちゃんは笑ってたけど、 
なぜか私はおばあちゃんの言うことを信じた。 
いよいよその日が来て、20分間隔になったところで連絡無しに病院に行った。 
電話して「今何分間隔ですか?」て聞かれたら嘘言うわけにいかないし、 
20分だと言えばまだ早いって言われそうで・・・。 
先生には「ごめんなさい、慌てちゃって来てしまいました」と言い訳した。 
先生は子宮口の開き具合を診て 
「うーん、まあ帰ってもまたすぐ出てくることになるだろうし」と 
そのまま入院となった。 

結果・・・あれよあれよと言う間に陣痛が強くなり、30分ほどで長男が誕生した。 
陣痛室を飛ばして分娩室に直行、助産婦さんはついてくれてたけど、 
先生は1階から3階まで上がってくるのに間に合わないぐらい 
超スピード出産だった。 
もし10分間隔まで待っていたら・・・と思うと恐ろしい。 
タクシーの中で産まれちゃったなんていうのは「妊婦恐怖話」のひとつとして 
都市伝説でもなんでもなく有り得る話だと語られてたから。

 
107 名前:5 投稿日:2009/09/10(木) 21:31:03 fadACYG40 
出産から数日後、夜中の授乳から戻ってきたとき、 
私の病室におばあちゃんが座ってるのを見た。 
一瞬ギョッとしたけど、全然怖くなかった。 
雰囲気が何か温かい感じがして。 
「Yちゃんのおばあちゃん?」と聞いてみたら、それには答えずに 
「あんた、おっぱい苦しくないかい?飲ませたばっかりなのに 
 まだ張ってるだろ?」と言った。 
確かに、最初から母乳がよく出て産まれたばかりの長男の飲む量では 
消費しきれていない感じだった。 
おばあちゃんは「明日マッサージしてもらいな。詰まって炎症起こしちゃうよ」 
とだけ言ってにっこりしながらすっといなくなった。 
翌日助産婦さんにマッサージしてもらってとても胸が楽になった。 
「マッサージしたら余計に溜まるから、遠慮しないでいつでも言ってね」と 
助産婦さんは言ってくれた。 
初めての出産だったし、胸が張るのは仕様だと思って我慢していたから 
おばあちゃんの助言はありがたかった。 

入れ違いに退院していたYちゃんにすぐ電話した。 
「ほんと助かったよ。帰ったらおばあちゃんにお参りさせて」と言うと 
「いや、うちのおばあちゃんじゃないよ。知らないおばあちゃんなんだよ」 
「!?」 
私は勝手にYちゃんのおばあちゃんなんだと思い込んでいたんだけど、 
Yちゃんも会ったことないおばあちゃんらしい。