6 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 19:31:34 ID:c+YgsPqF0 [5/12回(PC)]
しかし、しばらく待っても親戚のお兄ちゃんは帰って来ず、怖くなったMは家へと逃げ帰ったそうです。 
親戚のことは心配だったのですが、親にそのことを話すと怒られると思い黙っていました。 
その後も親戚は帰って来ず、当然捜索が開始されました。 
警察も来てかなり大騒ぎになったそうですが、結局親戚は見つかりませんでした。 
Mは罪の意識に苛まれ続けましたが、怒られるのが怖くてどうしても言いだせなかったそうです。 
それから一週間ほどが過ぎて、唐突にその親戚が見つかったそうです。 

失踪した当時のままの格好で歩いているところを保護されたそうですが、どうも精神を病んでしまっていたらしく、入院中に怪死したそうです。 
詳しい話は聞かされなかったようですが、発狂したように暴れたり叫んだりしながら死んだという噂だけは耳にしたようです。 
そんな噂を聞いて余計に怖くなったMは、ついに今に至るまであの日のことを告白することができずにいたそうです。 
最初の波止場からMの実家付近へ車を走らせる道中でその話を聞いていたのですが、今思えば僕たちにそれを語った時のMは何か決意めいた顔をしていました。

 
7 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 19:35:37 ID:c+YgsPqF0 [6/12回(PC)]
しばらく車を走らせたのち、僕たちはMの実家付近にある問題の茂みの前に到着しました。 
あの波止場での白い手首の話が落ち着いた直後は心霊スポットなんて屁でもないと思っておりましたが、Mの告白を聞いている内に僕もSも完全に怖気づいておりました。 
うまく表現できないのですが、何か直感的に"やばい"という気持ちになっておりました。 

茂みの前に車を止めてしばらく沈黙が続いておりましたが、意を決した僕は正直に心情を吐露しました。 
ここは何かやばい気がするから今日はもう帰ろうぜ、と提案すると、Sもそれを待っていたかのように僕に賛同しました。 
しかしMはしばらく黙り込んでから、それなら2人はここで待っていてくれ、俺が一人でこの先を見てくると言い出しました。 
辺りは当然真っ暗闇ですし、コンクリートで舗装されているとはいえ近くには街灯すらない完全な山道です。 
その脇に続く茂みの中に分け入るというのですから、もはや正気の沙汰とは思えません。 

当然僕もSも必死に止めましたが、Mは頑として聞かず、勢いよく車のドアを開けるとそのまま茂みの奥へと入って行きました。 
僕とSは互いに顔を見合わせて、「どうすんの」とか「やばいだろ」とか言いながら狼狽しておりましたが、どちらもMのあとを追う勇気はありませんでした。 
とにかくMが茂みから出てくるのを待とうということになりましたが、もしMがこのまま帰ってこなかったらどうしようという不安でいっぱいでした。 
もしあの親戚のお兄ちゃんのようにMの身に何かあったらと思うと怖くてたまりませんでした。 
今だから多少は冷静に書けますが、その時は異常なほどの興奮状態にあり、心臓の音が聞こえるほど動悸が激しくなっていたことを思い出します。



9 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2010/03/30(火) 19:44:08 ID:c+YgsPqF0 [7/12回(PC)]
不安は的中しました。 

30分ほど待ったのですが、依然としてMは帰って来ません。 
茂みの先で何かあったのかと、いや、間違いなく何かあったんだと思い、僕はSに一緒に探しに行こうと言いました。 
しかしSは明らかに怖気づいて、体も少し震えていたと思います。 
これは俺たちでどうにかできる問題じゃない、Mの実家に行って事情を話し、警察にも連絡して探してもらおうと言い出しました。 
正直僕もかなり怖くなっていましたから、Sの提案を素直に受け入れ、一度Mの実家に向かうことにしました。 
そんな話をしている時、突然茂みの方からバサバサと音が鳴り始め、Mが飛び出して来ました。 

Mは僕たちの車には目もくれず、そのまま全速力で来た道を走って行きます。 
最初は何が起きたのかわかりませんでしたが、明らかに何か異常なことが起きています。 
僕たちは急いで車をUターンさせ、Mのあとを追いました。 
道は一本道でしたから、そのまま車を走らせればMに追いつくはずなのですが、どこにもMの姿はありません。 
車で追っている僕たちがMに追いつかないはずはないのですが、それでもMを見つけられないのです。 

途中でどこかの茂みに入り込んだか、右側の崖に飛び込むかしかないのですが、そんなことをするとは思えませんし、僕たちは本当に何がなんだかわからなくなりました。 
ほとんどパニックのような状態になっていましたが、とりあえずもう一度引き返してMを探そうということになりました。 
一刻も早くこの場所から逃げ出したかったのですが、Mを見捨てていくわけにもいきません。 
もしかすると崖から転落したのかも知れません。 
様々な不安が頭を過ぎります。