201 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2010/02/04(木) 23:50:40 ID:by/kt61D0 [1/2回(PC)]
子供の頃、俺の家の隣には母子家庭の親子が住んでいた。 
子供は俺と同い年の女の子で、とても可愛いい娘だった。母親も美人で、とても優しい人だった。 
お母さんの身体が弱かったのであまり裕福ではなかったけれど、二人はとても仲が良くて、幸せそうな親子に見えた。 
俺と女の子は、家が隣同士だったこともあって、凄く仲が良かった。周りの友達から冷やかされたりもしたけれど、気にはならなかった。 
俺はその子のことが好きだった。 
子供心に、ずっとそんな平穏な日々が続いていくのだと思っていたけど、それは突然終わりを告げた。 
小学校4年の時に、その子の母親が再婚したことがきっかけだった。 
再婚相手は暴力団風の男で、定職にも就いていないようだった。昼間からブラブラしていて、おまけに酒癖が悪く、夜中に大声を上げて暴れる音が、俺の家にまで聞こえてきた。 
その子の母親が、顔を腫らしている姿を良く見かけるようになり、女の子のほうも、手足に痣を作ることが絶えなくなった。 
女の子の表情は日に日に暗くなって行き、心配する俺に「あの男がいるから、なるべく遅くなるまで家に帰りたくない」と言った。 
俺は少しでもその子の力になりたくて、毎日、日が暮れるまで彼女に付き合って、外で一緒に遊んだ。 
ある日の帰り道、彼女が「K君(俺の名前)、私のこと好き?」と聞いてきた。 
俺は突然のことで驚きながらも、「うん、好きだ」と正直に答えた。 
彼女は「じゃあもし私が何か困ってた時は助けに来てくれる?」と聞いた。 
俺が「うん。絶対助けに行く」と言うと、彼女は嬉しそうな表情を見せて、俺の両手を黙ってギュッと握った。 
彼女たち一家が姿を消したのは、その2日後のことだった。 
近所の人の噂では、あの男のした多額の借金のせいで夜逃げしたらしい、ということだった。 
俺は必死で彼女の行方を探そうとしたが、当時小学生だった俺の力では、何の手がかりを掴むこともできなかった。

 
202 202 : つづき[sage] 投稿日:2010/02/04(木) 23:53:04 ID:by/kt61D0 [2/2回(PC)]
彼女からの手紙が届いたのは、それから1ヵ月後のことだった。 
「K君お元気ですか? 
母のお仕事を手伝ったりしていると 
やけに時間がたつのが早く思えます。 
くるしいこともあるけれど 
たいせつな思い出をかてに、なんとか 
すごしています。 
ケガや病気をしないよう、けんこう 
に気をつけてがんばってください。 
きっといつの日か会えるのを楽しみにしています。 
手紙また書きますね」 
消印は大阪のもので、何処でどのような暮らしをしているかは書いていなかった。 
また、彼女からの手紙も、その後2度と届くことはなかった。 
俺はそれからも何とか彼女の居場所を突き止めようと試みたが、それがうまくいくことはなく、次第に彼女のことも頭から薄れていった。 

それから10年近くたった2日前のことだった。部屋の整理をしていたら、彼女からの手紙が出てきたのだ。 
懐かしさと、小さな胸の痛みを感じながら、何年か振りに手紙を読み返していると、文面から妙な違和感を覚えた。そしてその正体に気が付いた時愕然とした。 
小学生だった当時は気がつかなかったが、各行の1文字目と2文字目が微妙に離れているのだ。 
彼女の行方は、今もようとして知れない。 : つづき[sage] 投稿日:2010/02/04(木) 23:53:04 ID:by/kt61D0 [2/2回(PC)]
彼女からの手紙が届いたのは、それから1ヵ月後のことだった。 
「K君お元気ですか? 
母のお仕事を手伝ったりしていると 
やけに時間がたつのが早く思えます。 
くるしいこともあるけれど 
たいせつな思い出をかてに、なんとか 
すごしています。 
ケガや病気をしないよう、けんこう 
に気をつけてがんばってください。 
きっといつの日か会えるのを楽しみにしています。 
手紙また書きますね」 
消印は大阪のもので、何処でどのような暮らしをしているかは書いていなかった。 
また、彼女からの手紙も、その後2度と届くことはなかった。 
俺はそれからも何とか彼女の居場所を突き止めようと試みたが、それがうまくいくことはなく、次第に彼女のことも頭から薄れていった。 

それから10年近くたった2日前のことだった。部屋の整理をしていたら、彼女からの手紙が出てきたのだ。 
懐かしさと、小さな胸の痛みを感じながら、何年か振りに手紙を読み返していると、文面から妙な違和感を覚えた。そしてその正体に気が付いた時愕然とした。 
小学生だった当時は気がつかなかったが、各行の1文字目と2文字目が微妙に離れているのだ。 
彼女の行方は、今もようとして知れない。