329 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2009/11/21(土) 14:02:27 ID:i3XdBolLO [1/1回(携帯)]
これは俺が保育園に通っていたときの話。 
俺が住んでた町には第一から第三まで保育園があり、俺は第一保育園に通っていた。 
ある夏の日合同お遊戯会の劇の練習で第一の園児が第二保育園に行くことになった。 
この第二保育園の園舎はCの字型になっており遊戯室はCの上の先端にある。 
遊戯の練習を終え昼食をとるため俺を含む園児は遊戯室から反対側の先にある教室へと向かっていた。 
距離は大体20mくらいか。幼少のころの感覚なのでもっと短いかもしれない。 
俺はなにげなしにその教室に向かっていた。 
だが、一向に教室にたどり着かない。端までいったつもりが元の遊戯室の前に戻ってきていた。 
幼かった俺は少し不思議に思ったくらいでまた反対側へと引き返した。 
しかしたどり着いたのはまたも遊戯室の前。 
さっきまでいっしょに歩いていた園児達もいつのまにかいなくなっている。 
というより園舎の中から人の気配がない。まるで俺だけがこの世界に取り残されたような感覚だった。 
さすがに焦った俺は反対側へと走りだした。しかし到着するのは遊戯室の前。 
何往復しただろう。途方に暮れた俺が遊戯室の前に着いたとき少し背の高い女の子が立っていた。 
見知らぬ顔だ。第二か第三に通ってる子だろうか? 
その子は泣きべそをかいてる俺に優しく 
「どうしたの?」 
と話し掛けてくれた。 
泣きながらも俺は教室に行けないことを告げると彼女は俺の手をとり 
「わたしといっしょにいこ。」 
と言い俺達は教室を目指し歩きだした。 
程なくして反対側に着くとそこは誰もいない遊戯室、ではなく先生数人がバタバタと慌ただしくしていた教室だった。 
俺はせんせーと叫び走りだしそれを見た先生は 
「どこいってたの?探したのよ!」 
と俺を抱き抱えてくれた。ふと気付くとあたりは夕陽がさしており、おれは4時間近く行方不明になっていたらしい。 
俺は園舎から出ていないし、さまよっていたのもせいぜい30分程度だ。 
でも当時の俺はそんな事を考えている余裕もなく、あの子に連れてきてもらったのと後ろを振り返ると 
さっきまでいっしょにいた女の子は姿を消していた。先生に聞いてもそんな女の子はいないと言う。 

それ以来俺は不思議な体験をしていない。 
今でもハッキリとおぼえている。幼少の夏の少し不思議な思い出・・・