796 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/12/17(木) 15:18:04 ID:YLM5lBkU0 [1/3回(PC)]
自分は霊がいたら「判る」人だけれど、「見える」ことは少ない。 
そんな中でハッキリ見えたケースを書いてみる。 

家族旅行に行って安宿に泊まった時の事、 
自分は夜行性なもんで、親が寝るような時間になっても眠くはない。 
部屋に居ても親の寝る邪魔になるだけだろうからと、 
煙草とライターと小銭入れを持って、フロントの辺りにふらっと出て行った。 
フロントは当然無人だったが、近くの自販機で缶ビールとツマミを買うと、 
半分ロビー、半分小上がりのようなとこ(フロントの向い)に行き 
ビールを呑んで煙草を吸っていた。 

小上がりには、妙に古びた将棋盤(6寸)が置いてあって、 
この宿に来た時から気にはなっていた。(霊的なもんでなく、自分も将棋趣味だから) 
ふと、変な気配を感じると、いつの間にかその将棋盤が移動してて 
その前に半透明というか1/4透明というかのお爺さんが座っていて、 
盤面を苦悶の表情で見つめている。


797 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/12/17(木) 15:27:58 ID:YLM5lBkU0 [2/3回(PC)]
まあ、見た感じイヤな雰囲気ではないので、 
これは祟る呪うタイプの霊ではないんだなと判断した。 
向うは一心不乱に読みを入れていて、自分に気付いて無い様子。 
で、将棋好きというのは困ったもんで、その局面が気になった。 
ソーッと将棋盤&爺さんのとこに近づくと、盤の横に座ってみた。 
駒はボヤッとした燐光ででも出来てるかのような感じだったが、 
一応、その局面は読み取ることは可能であった。 

「おじいさんの手番なの?」幽霊に声をかけたところ、 
やっと自分に気付いてくれたようで、ユックリと頷く。 
局面は、一見するとおじいさんの負け。 
こうやってもダメ、ああやってもダメ、と自分もその局面での手を読んでみた。 
「これはもう、受け無しで負けみたいですね」 そういうと首を振る。



799 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/12/17(木) 15:38:29 ID:YLM5lBkU0 [3/3回(PC)]
負けてないのか…そうなると本腰を入れて真剣に読む。 
「あ~!」10分か15分経った頃だろうか、 
ふと、逆転の1手があることに気付いて思わず声を出す。 
その感じでおじいさんにも伝わったんだろう。 
こっちをジーッと真剣に見つめる。 

手を伸ばし4六の桝目を指し示すと、おじいさんは再び考え込む。 
「桂だよ、▲4六桂でおじいさんの勝ちになってるね」 
そういうと、おじいさんは、盤面を食い入るように見つめる。 
手の意味を理解したのであろう、軽く一礼すると、スーッと消えていった。 

あとで聞いたところ、その盤は女将のおじいさんの形見だとかで、 
おじいさんは県の名人にあと1勝のとこで敗れ、 
来年こそ名人になるぞと修業をしていたが、風邪をこじらせ、肺炎になり亡くなったんだという。 
あのときの局面は、その負けた将棋だったのであろう。 
女将は、時々、あの将棋盤が動いてることがあると言っていた。