317 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/08/22(土) 02:54:44 ID:Csq7taDY0 [1/4回(PC)]
体験談というか、体験中というか・・投下します。 
一人称がキモいと言われますが、クセみたいなものなので気にしないでください。 

1 
僕には彼女が居ました。僕は女で、彼女も女。 
所謂レズビアンでした。性的なことはしたいとは思わないあたり違うのかもしれませんが 
お互い、お互いが一番大事で、何よりも、自分の命よりも相手を優先するような仲でした。 
もちろんお互いそんな事は隠していましたし、言いふらそうとも思っていませんでした。 

僕が彼女と出会ったのは中学の頃、彼女をイジメていたのが僕でした。 
帰国子女で頭もよく、美人な彼女を妬んでいたんです。 
無理に友達なんていらない。と強がってる風でもなく平然と言う彼女を妬んでいたんです。 
妬みが憧れ、恋心に変わるのは、そう遅くありませんでした。 
同じ部活に所属できたこともあり、僕は彼女と付き合う事ができました。 

高校に進級すると、別々の学校だった為会う頻度は減りましたが、それでも週に3回は会って愛を確かめました。 

ある時からでした 
彼女は僕と会いながら、笑顔で泣き出すようになったんです。 
普通に会話をしていたら、いきなり涙だけが流れて 
彼女も困惑しているようでした。 
思春期でしたし、そういうこともあるだろうと、きつそうなら病院にいけと進めました。 
正直なところ、僕は所謂「メンヘラ」が嫌いだったんです。 
辛い事があって耐えられない事も、そういう気持ちも知っています。 
知っているからこそ嫌いというか・・モヤモヤしてしまう所がありました。 

彼女は日に日に泣く頻度が増え、メールも「ねえ。私が死ぬって言ったら一緒に死んでくれるよね?」 
といったものばかりになりました。 
僕はそれに同意しつつも、彼女に生きて欲しいと伝え続けました。 
彼女にフられる事が怖くて、甘えてそういうことを言うなとか・・そういう事はいえませんでした。 


318 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/08/22(土) 02:57:12 ID:Csq7taDY0 [2/4回(PC)]
2 
そんなある日、僕は彼女からとうとうそういう状態になっている理由を聞きました。 
両親が離婚調停をしている上に、信頼していた男友達に襲われたそうです。 
彼女は非常に強がりで、家の事はほとんど誰にも口外しませんし 
男友達にどんな目で見られようと、自分は平気だと思い込んでいます。 
僕はそういう彼女の性格もあり、少しずつ腹が立ってきました。 
何故もっと早く言ってくれなかったんだ何故あれだけ気をつけろといったのに男の家に軽々しく上がりこんだのか 

気づけば僕は、思った言葉を全て彼女に浴びせていました。 
ひどい事をしたと思います。後悔するばかりで、どうしようもありませんでした。 

そして彼女は3日後、溜めていた薬を一度に飲み、何も言わずに自殺を図りました。 
親が見つけて一命をとりとめましたが、二日間生死の境をさまよった挙句多少の記憶障害も残りました。 
僕がその事実を知ったのは、彼女が目覚めてから一週間後でした。 
喧嘩したばかりで、彼女に嫌われているのを確認するのが怖くて、連絡をとろうなんて思わなかったんです。 

彼女とはそのまま疎遠になり、話すこともなくなりました。 
僕の彼女への愛は変わりませんでしたし、あれだけ依存していたのですから今更忘れられませんでした。 

そして、彼女と話さなくなって2年後になったある日 彼女から、一通のメールが届きました。 

「タイトル:ひさしぶり 
 本文 : 元気だった? なんかいつまでもウジウジしてるの、めんどくさくなっちゃって(笑) 
      まだ私の事がもしも好きなら、これから君に送るお守り、もっててください。 
      もう好きじゃないなら、焼いてしまってください」 

次の日、小さなダンボールが届きました。 
お守り と書かれた布で覆われた箱の上に、小さなメモがテープで止められていて、 
「あけないように!(笑)」と書かれていました。 



319 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/08/22(土) 03:03:38 ID:Csq7taDY0 [3/4回(PC)]
3 
小さなメモをとったあと、きになって仕方のなくなった僕は、コッソリとその布を取り、中のものを取り出しました。 
木の箱でした。 
箱のフタはクギで止められていましたが、所詮は木。コンコンと机に打ち付けてみれば簡単に開きました。 

中には、ピンクの紙に「(相合傘)○○/●●」 と、二人の名前が書かれた可愛らしいもの。 
小さな木に、血と小さな血の塊が錆びたもの(経血?)がつけられたもの 
髪の毛の束 
ビニールに入った土 

が入っていました。 
それを見た瞬間、頭の中の温度が一気に無くなりました。 
どうしたらいいかわからなくなり、思わず部屋を見渡したりしましたが、混乱した頭では何も考えられませんでした。 
本来なら、メールの通り焼いてしまうようなものでしたが、僕はまだ彼女が好きでした。 
捨てられなかったんです。 

そしてその箱を持って、今もう半年がたとうとしています。 

最近では、何故かその箱に愛着を持ち始めました。 
この箱は彼女の愛の証なのですし、それだったらそれを拒否する理由がありません。 
彼女への愛は深まるばかりで、今は夢の中にまで彼女が出てきます。 
彼女の愛は確かにどこかおかしいですが、今の僕はそれが嬉しいです。 
いつか、彼女にまた、会いにいこうと思っています。