267 : ◆0fO6jMfX/o [sage] 投稿日:2009/07/18(土) 16:44:07 ID:nZ6sbpEr0 [8/9回(PC)]

そもそも魅入られていた? 


「どうしよう?」 


情けない声でCに聞く、 


「とりあえず、今更だけど気づいてない、関係ないって顔をしよう、それしかない。」 


徐霊だのなんだのはできないんですか?そうですか。 
とりあえず空気が悪すぎるのでなんとかしようってことで、ひょっこりひょうたん島を入れて3人で熱唱。 
何回も何回もひょうたん島 
30分くらい経っただろうか、空気が軽くなって足が動くようになってる、 
今だ、ってダッシュで逃げ出す3人。 


「出れてよかったねー」 


「なんだったんだろうねー?」 


と、さっきまでの恐怖を振り払うようにとぼけた会話をしつつ解散した。 

次の日、遅刻がデフォルトだった私が、3時限目の放課あたりに学校に行くと、 
教室の隅で泣きそうなYと深刻な表情のCが 


「どうした?」 


聞くとYが半泣きで答えた 


「昨日、帰った後ですぐに眠くなって寝ちゃった、で、
夜中に目が覚めて勉強しようと思って机のうえを見たらノート一冊に 


死ね 殺す 


ってずっと書いてあった、私の字じゃない、乱暴な感じの字で・・・」 



うぇ? 
なんでY? 


「とりあえず私が預かってお寺に持っていって処理してもらう。
Yに憑いてるかもしれないからそれも見てもらう」 


とC。 


「Yも行かないといけないの?」 


「住職さんの力が強いから直接会わなくても大丈夫だと思う」 


「ノート見た感じでも今Yを見た感じでも大丈夫だと思う」 



翌日、 


「もう大丈夫だって。」 


とだけCに報告された、 
突っ込んで聞いてもはぐらかされて細かいところは教えてもらえなかった。
 
268 : ◆0fO6jMfX/o [sage] 投稿日:2009/07/18(土) 16:44:47 ID:nZ6sbpEr0 [9/9回(PC)]

数年たったある日聞いてみると答えてくれた。 


「あれは、ただの浮幽霊的なものでそんなに力も強くないし大丈夫だった。」 


「問題はYで、多分なにか精神的に弱ってたと思う、たいした力のない霊でも、
Yに憑く事で力を増幅させてノートに字を書くっていう形で現実に干渉してきたんだと思う。」 


たしかに、CはYとはそんなに仲がいいわけではなかったので知らないだろうが、
その時期のYは家庭内の問題でひどくナーバスになっていた。 

ただ、本当に複雑な事情があったし、世間体のいい話でもないので、
Yがそういう状態にあるっていうのを知ってるのは私だけだった。

結局、私も後々関わることになるくだんの住職が超絶パワーの持ち主なので
憑いてた霊に関しては消滅させてくれたらしい。(消滅っていう表現であってるかは分からないが) 

まあよくある話だし、ステレオタイプだが、私にしてみれば人生初の心霊体験だったので本気で怖かった。 

で、はっきり幽霊だと認識できるような状況なのにそれを認識せず興味を持って
幽霊に対して気づいてる事を気づかせるという私の体質はここから始まった。