933 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/05/08(金) 12:05:56 ID:Soeq3s9GO [1/2回(携帯)]

何年か前の夏、僕は友人4人と一緒に旅行に出かけた。 

車で旅館に着いた後、僕たちは近くの山の中を散策していたときに廃校を見つけた。

 
「なあ、夜になったらここで肝試ししようぜ」 


怖い話の類に目がない友人のAがそう言い、僕も皆もそれに同意した。 
夕飯のあと旅館を出て、僕たちは月と懐中電灯の光を頼りに山道を進んだ。 

ちょっとどきどきしてた。 

古い木造のいかにも雰囲気たっぷりの校舎には期待が高まる。 


「ここ、全然窓がないじゃん。ちょうどいいな」 


扉は閉まっているみたいだけれど、何故か窓には全て窓枠だけでガラスが全くない。 
鍵を掛けている意味がないじゃないかと僕たちは笑った。 

窓から中に入ったら、あたり前なんだけど埃っぽい臭いがした。それがまたいい。 
廊下は細くて奥が暗くなってるいうのもどきどきする。 

さっそく僕たちは歩き回った。職員室に音楽室、美術室。七不思議のありそうなところも全部。 
でも何もなくて、飽きてきたんで最後に体育館を覗いて帰ろうということになった。 

体育館に入ったときにいきなりだれかが突然声を上げた。Bだった。
 
934 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/05/08(金) 12:07:35 ID:Soeq3s9GO [2/2回(携帯)]


「おい・・・あの光って、何だ!?」 


見ると、ぼんやりと白い光があたかも人魂のように揺れていた。 
まさか本当に幽霊か?と恐る恐る用心しながら光の方に歩いていった僕たちはその正体に吹き出した。 

それは壁の大きな鏡に映った、僕たちのかざす懐中電灯の光だったのだ。 
お前びびり過ぎだろwwwと笑いながら皆してBに突っ込み、Bも恥ずかしそうに笑っていた。 
その後、何も起きないことに少しがっかりして僕たちは旅館へと帰っていった。 

まあ心霊現象なんてそうそう見られるものじゃあないよなと言いながら。 
部屋で寛いでいた僕たちは肝試しの感想をそれぞれに口に出す。でも何もなかったから盛り上がらない。 


「しっかし、窓のガラスなかったからか中にいたとはいえ寒かったよな~」 


そうしみじみと言ったCにDがそれなんだけどな~・・・と横から口を挟んだ。 


「旅館の人に聞いたんだけど俺たちみたいに肝試し!・・・に入り込んではうっかり怪我する奴らがいたから 


校舎の中の割れ物は全部取っ払ったらしいぜ。窓のガラス・実験器具・時計に鏡なんかもな」 


「そういうことかよ、マメだなー」


そう言って、僕たちには怪我がなくて良かったと笑いあった。 
怖くはないけど、スレ見て思い出したんで書いてみた。いつか奇妙な体験とかしてみたいよ。