988 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:03:08 ID:PCslzHMa0 [1/2回(PC)]

俺の父と母の実家がすぐ近く。3キロ弱。 
そんで、うちの家族(父母姉俺)が住んでいたのがその真ん中くらいだった。 

俺が5歳の頃に父親が亡くなり、それがきっかけで母の実家で暮らすことになった。 
まあ父方と母方が仲良かったので、もめ事は一切起こらず。 
父方はまあまあ有名な武家で、俺は跡取りなんで、 
「大人になるまで母方預かりだな」みたいな感じ。 

母方で暮らしていて、思春期の頃に、独りになりたいと思う時期が多々ありまして。 
母方の祖父が「おまえは父親の家継ぐんだから厳しく育てる」というのがイヤで…。 
まあそんなときはだいたい自転車でフラフラと出かけていました。 

いつからかは覚えていないんだけど、でかい公園の脇に、手つかず状態な空き地があって、 
俺はそこに忍び込んで、菓子食いながら読書したり音楽聞いたり。 
なんつうか、まるで自分の基地みたいな感じでまったりしていた。 

道路からは見えづらいので、ばれることもなかった。 
そこへ行くとすごい気分転換になるので、しょっちゅう行っていた。 
なんだかんだ、かれこれ1年くらいは内緒にして、続いていた。 

ある日、そこへ行こうとしたら、その目の前で父方の祖父と会った。 

「じいちゃんどこ行くの」と聞いたら、「今●●病院から帰るところだよ」と。 

そしてじいちゃんは俺に「あんたこそここで何してるの」と聞いてきた。
 
俺は基地のことを誰にも言いたくなかったので「友達の家に行った帰りー」と答えた。 

じいちゃん、 
「ああ~おまえに教えたことあったかな。この場所なあ、うちは代々ここに家があったの。 
かれこれ300年近くはいたんだよ。俺はもちろん住んでないけどなぁ」と。 

初耳だったんで、俺は「えええ~」と驚いた。話が聞きたくなってじいちゃんに 
「じいちゃん、のどが沸いた。喫茶店つれてって」と頼んだ。
 
989 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/04/14(火) 17:03:53 ID:PCslzHMa0 [2/2回(PC)]

不思議な気持ちで、喫茶店でじいちゃんに話を聞いた。 

その土地ってのは、城があったすぐ隣だそうで。いわゆる城下町。 
幕末後に父方はそこを自治体に売ったとか、半ばむしり取られたとか、そんな感じ。 
それからすぐ近くに家を建てて住んでいたんだが、そこも区画整理対象となり、昭和50年頃にまた売却。 
その金で、「俺の知っている父の実家」へ引っ越したということだった。
 
ちなみにその土地、現在は市で管理しており、たまたま数年間空き地状態。 
翌年頃には新しく建物ができるとかなんとか。今ではビルが建っている。 

「普段一緒に生活していないと教えてあげられないんだよな。ごめんごめん」とじいちゃん。 
それで思い切ってじいちゃんに、「俺よくここに忍び込んでるんだよ」と諸々を告白。 
じいちゃん、「ほんとか、おまえ気持ち悪い能力があるのか!」と…。 

まあでもそれでじいちゃんも、「やっぱおまえはうちの跡取りだな。安心した」と。 
俺も小さい頃からオカルトっぽい話が好きなので、ここぞとばかりに友達に言いまくった。 

じいちゃんの死後、跡だけ継いではいるんですが、そんな話もすっかり忘れていたんだけど。 
こういうスレ見ててふと思い出しまして。ネットで古地図とか探したんです。 
すると、時間はかかったけど、ちゃんと見られるサイトを発見。嬉しかった。 

それで現在の地図と照合してみると、俺がまったりしていた場所ってのが、 
当時の家のど真ん中くらいに位置しているのがわかった。 

建築士の知人に調べてみてもらっても、間違いないと言われた。 
ああ、こういうことってあるんだよなあと。まさか自分にあるとは思いませんでしたけど。