678 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/02/25(水) 19:45:09 ID:Fdc6JTaq0 [1/4回(PC)]
今になって思い出したら怖かったってレベルなんだが、 
高校の部活の合宿でさ、みんなで肝試しやったんだよ。 
そもそもマネージャー(女・かなりかわいい。以下、M)をからってやろうって感じで、 
特に仲良かったメンバーで仕組んで、 
一人が隠れて途中で脅かすっていう、ありがちなやつだ。 

合宿所の裏手に川があって、その上を微妙にぼろい吊り橋がかかってて、 
その向こうをちょっといくと、ほこら(?)みたいのがあったんだよね。 
それで、そこまで行って帰ってくることにして、 
一人はそのほこらんとこで隠れてみんなを脅かす設定。 
脅かし担当(以下、O)は準備OKになったら携帯でかけてくる予定だったんだが、 
なかなかかかってこない。 
そうしたら一人が電波ないんじゃね?って言い出して、 
予定の時間も過ぎてるし、Mに怪しまれるからいこーぜってことになった。 

まあありがちな感じで、ちょっと怖い話とかしながらみんなで進んでいって、 
それなりにギャーギャー言いながら吊り橋を渡って、 
そこから少し行った先がほこらなんだが、やっぱちょっと気味が悪いだろ。 
誰か行けよ、いやお前行けよ、ビビってんのかよ、お前先進めよ、 
みたいな醜態を演じつつ、押し合いしながらほこらへ進んだ。 

前を行ってたやつが「ひっ」とか言って立ち止まったんで、 
背伸びして見たら、誰か立ってんだよ。 
こっちに背中向けるようにして、ほこらの前に。 
なんかわかんねーけどズブ濡れで、何かブツブツ言ってた。 
そいつがゆっくりこっちを振り返りかけたとき、 
誰かがギャー!と叫んで、俺たちは一目散に走り出した。


679 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/02/25(水) 19:45:43 ID:Fdc6JTaq0 [2/4回(PC)]
そんときは、マジ怖ぇって思う気持ちと、 
Oはすげーこと考えるなってのとで、 
笑いと恐怖がごちゃまぜになった、変な気持ちだった。 
吊り橋の真ん中くらいまで来たとき、 
誰かがオレの手をぎゅうって握ったんだよ。女の手。 
ヤローの手だったら振り払うところだが、 
Mが怖くてとっさに掴んできたんだと思って、 
オレはその手を掴んだまま走りに走った。 

それでやっと合宿所までついて、 
みんなで「マジ怖かったなー」とか行ってオオウケしてたら、 
Mがマジ泣きしてて、みんなで陳謝。 
あれはオレらが仕組んだことでー、みたいな説明をしてたら、 
「お前ら何やってんだー!」って顧問の声が。 
げっと思って振り返ったら、顧問と一緒にOが歩いてきた。 

顧問は「さっさと寝ろ!Mも早く部屋に戻れ!バカモノ!」 
とか言って去っていって、 
オレらはOに、「お前、何つかまってんだよ、とろくせーなぁ」 
みたいなこと言いながら笑ってたら、 
Oが「ごめんごめん、行こうとして吊り橋の方に歩いてたら捕まった。 
結局どうした?みんな、行ってきたん?」って聞くんだよ。 

じゃあ“アレ”は誰だ? 
ほこらの前に立ってたヤツは何だったんだ? 

Mは再び半泣きで「もうやめてよ!」とか言い出したんだが、 
Oは何のことか分からない様子で、 
「いや、オレはマジで行ってないよ。捕まった後顧問に呼び出されて、 
お前らのこと探してたから」って言うんだ。 
最初はオレは、Oがみんなを怖がらせようとして言ってるんだと思ったが、 
誰かが「なぁ、お前、服ぬれてないな・・・」と言った。



680 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/02/25(水) 19:46:21 ID:Fdc6JTaq0 [3/4回(PC)]
それでまた誰かが、懐中電灯を持ってたヤツは後ろの方にいたのに、 
なんであいつの姿がハッキリ見えて、 
しかも濡れてることまで分かったんだとか言い出して、全員パニック。 
泣きだしたMをなんとかなだめて部屋に戻って、 
その後は誰もなんにも言わなかった。 

このことはしばらく忘れてたんだが、 
こないだ久しぶりにMとばったり会って、 
Mが「あのときはマジやられたわー」みたいな感じで、 
この肝試しのことを言い出したんだ。 
それで、「あれ、なんだったんだろうね?」って話になったんだが、 
当然、答えはわからん。 

それで冗談で、 
「お前、オレのこと好きだったんじゃね?w 
走ってるとき後ろからオレの手つかんできたろwww」って言ったら、 
Mはこう言った。 

「・・・それ、誰? 
私、○○くん(=オレ)よりずっと前を走ってたよ。 
だって、歩いてくとき私、一番後ろにいたし・・・。 
合宿所にも、○○くんより先についてたよ・・・・?」 

オレが所属してたのはハンドボール部だ。 
ハンドボールやってるヤローの手と女の手を間違えるハズがない。 
やわらかくて小さい、確かにあれは女の手だった。 

一体誰があのとき、オレの手をつかんだんだ?