151 : 肉球[] 投稿日:03/09/10 01:23
雪山での話し声①
3年前、厳冬期の雪山(谷川岳)に単独でいったときのこと。
大きな低気圧が来てて天候が悪く、2日目朝から途中で引き返したのですが、お昼にはだいぶ吹雪も収まっていました
(雪はほとんどやみ、風だけ)。
お昼にしようと、狭い稜線上で休んでいました。
ちょっと疲れていたのでうつーらうつーらと眠ってしまったのですが(低体温症になったわけではなく、ただの居眠り
ですが)、人の声で目が覚めました。
声は20mぐらい先のちょっとした丘の上から聞こえていました。遭難者とまちがわれてはたまらないので、起き上がって
その人たちとすれ違うのを待っていました。雪山の稜線の上では間違って雪庇(帽子のつばのように突きでた雪のひさしで、
下は空洞なのでそこを踏み抜くと転落する)を踏み抜かないように安全な場所を歩かなければならないので、比較的広いそ
の場所ですれ違おうとずっと待っていました。でも、その丘の上でおしゃべりしてて、なかなか来てくれないのです。ぼくも
面倒くさくなって、じゃあ、そのままここでお昼にしようと軽く食事をとりながら彼らの話をきいていました。
でも、やがてすごい違和感を覚えたのです。なぜなら、一時的に天候は回復しているけど、低気圧が来ているわけで、この
あとどうなるかわからないのに、よく登っていくなあと。それも、ものすごく楽しそうなんです。会話が。声からすると中年の
男が1か2人とそれよりすこし若い女1人らしいけど、まるで夏山のハイキングにきてるみたいな感じで、悪天候時の厳冬期の
雪山の雰囲気とはなんか違う。しかも、地図を広げてあれは何山とか、いや違うこっちだとか言ってるんです。その時は聞き流
していたけど、あとで考えたらありえないんです。だって、視界は1kmくらいで、となりの山なんか見えてるはずなんかない
んです。
で、ぼくが食事に夢中になっていると、いつのまにか聞こえなくなっていました。
あれ、そこで引き返したんだ?と思いました。ぼくの前にはずっと足跡がなかったので、反対方向から来ているとしか考えられ
なかったから。
食事を始めてから15分くらい、声が聞こえなくなったのに気づいて5分くらいしてから、出発して、すぐにその丘の上に立ち
ました。
152 : 肉球[] 投稿日:03/09/10 01:30
雪山②
悪天候時の厳冬期の雪山の雰囲気とはなんか違う。しかも、地図を広げてあれは何山とか、いや違うこっちだとか言ってるんです。
その時は聞き流 していたけど、あとで考えたらありえないんです。だって、視界は1kmくらいで、となりの山なんか見えてるは
ずなんかない んです。
で、ぼくが食事ご終わるころ、いつのまにか聞こえなくなっていました。
あれ、そこで引き返したんだ?と思いました。ぼくの前にはずっと足跡がなかったので、反対方向から来ているとしか考えられ
なかったから。
食事を始めてから15分くらい、声が聞こえなくなったのに気づいて5分くらいしてから、出発して、すぐにその丘の上に立ち
ました。
その瞬間凍りつきました。足跡がないのです。山スキーの跡もありません。
もちろん、視界の先には彼らの姿はありません。その時同じ稜線の先の天神平まで1kmくらい
見渡せたので、さっきまでいたら必ず見えるはずでした。
でも、見えるはずがないというのはそこにまったく足跡がなかったのを見て、瞬時に理解しました。
新雪の雪山の上を足跡を残さないで歩けるなんて、この世の人間であるはずはないのです。
瞬間、凍り付くほどぞお~~っとしましたが、その後は不思議と恐怖は感じませんでした。
それは彼らがまるで今ハイキングをしているかのように楽しそうにしていたからだと思います。
あれはいったい何だったのでしょうね?
いまだに夏山を楽しくハイキングしながらさまよっているのでしょうか?
今はまったくありませんが、そのころはさかんにいろんな心霊体験をしていたので、ちょっと
チャンネルがあってしまったのかもしれませんね。
今もあの楽しそうな声が忘れられません。
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