939 : めるば[sage] 投稿日:04/09/23 10:49:49 ID:Ii7HbhFB [1/11回]
1 

ササッとまとめたんですが、もんのすごく長文になっちゃいました。 
で、長いわりには地味な内容です。すいません。 



当時、下町の風情あるボロアパートに住んでみたかった私は、 
そういう物件を探して不動産屋を回っていました。 
で、気に入ったのが、寂れた商店街の一角にある2Kのアパート。 
その部屋は三方を民家に囲まれ、東と北にしか窓がない部屋でしたが、 
その60年代フォークみたいな貧乏くさい雰囲気が気に入り、 
即座にその陰気な部屋に決めました。 

しかしそこは、陰気というより、ちょっと妙な部屋でした。 

引っ越しの日に気づいたんですが、 
柱にペタッと御札が貼ってあったんです。



940 : めるば[sage] 投稿日:04/09/23 10:50:30 ID:Ii7HbhFB [2/11回]
2 

前述したように、 
私は霊の存在も宗教的なものも信じていない人間なので、 
御札を見つけるなり、「なにこれ。前の住人、趣味わるー」と、 
速攻でベリッとはがしてしまったんですが、 
直後、さすがにビビリました……。 

御札をはがしたとたん、人型が二枚、ヒラヒラと舞い落ちたんです。 


手にとってみると、その人型、なんかヘン。 
御札の裏から出てきたはずなのに、 
御札より明らかに幅が広い。で、折り目もないんです。 

これ、どーやって御札に入ってたんだ??? 

でも、「ま、どーでもいいや。ただの紙切れじゃん」と思い、 
御札も人型もさっさとゴミに出しました。



941 : めるば[sage] 投稿日:04/09/23 10:51:18 ID:Ii7HbhFB [3/11回]
3 

しばらくは何もありませんでした。 
やがて、体調がおかしくなりました。 
夜、仕事中に必ず吐き気に襲われる。吐いても吐いても収まらない。 

胃腸科に行き、検査もしましたが、 
「異常なし」ということで、胃散もらっただけでした。 


しかし、そうしてゲロゲロしつつ半年くらい過ぎたころ。 
始まったんです、へんな現象が。 
ありがちなんですが、スタートは毎夜の金縛りでした。



942 : めるば[sage] 投稿日:04/09/23 10:52:01 ID:Ii7HbhFB [4/11回]
4 

金縛りは、身体が寝ていて脳が起きていて云々という仕組みで起こるもの。 
なので、普通の金縛りでガクブルすることはないんですが、 
その金縛りは一味ちがいました。 
肋骨がギシッと軋むほどの強さ。マジ苦しい。 
こうなるとイヤでもハッキリ目覚めてしまいます。 

そうしてウンウン呻きつつ我慢する夜が続いたのですが、 
ある晩から、効果音までつくようになりました。 

金縛りの最中、隣の部屋から聞こえてくるようになったんです。 
ゆっくりゆっくり畳を踏む足音。 
ミシッ…、ミシッ…、と。 
(隣の部屋、絨毯敷いてたんですけどね。。。) 

で、その足音が、日に日に寝ている部屋に近づいてくるんです。



943 : めるば[sage] 投稿日:04/09/23 10:53:35 ID:Ii7HbhFB [5/11回]
5 

バイク事故で亡くなった血まみれの霊みたいなものとか、 
蛇の姿をしていながら人の言葉をしゃべるバケモノとか、 
ベチョッと落ちて這いずってくる肉塊とか、 
それまでにも色々と不気味なモノ達と遭遇してきた私でしたが 
だからこそ、その「足音だけ」ってのが余計に怖かったんです。 
というか、毎晩起こされるのがホントにつらかった。 

仕方なく、電気つけたままでウトウトする毎日。 
でも、明るくても来るんです。肋骨軋み金縛り&足音。 

彼氏に泊まってもらったりもしましたが、 
彼氏まで初の金縛り体験をしてしまい、 
((((((;゚Д゚))))))ガクガクブルブルして泊まってくれなくなりました。



944 : めるば[sage] 投稿日:04/09/23 10:54:44 ID:Ii7HbhFB [6/11回]
6 

そのうち、昼間でも変な声が聞こえるようになりました。 

回転数を落として逆回転させたような、 
んごうわーーん、にゅおぁらー、あおふぃぁー、んあんあ、んぐぉー、みたいな低い声。 
かと思えば、早回ししたような高い声。 
それから、変電所で聞こえるような重低音も部屋中に響いてました。 

さらに、アリス症候群?みたいな視覚異常も併発。 
自分の部屋が、いつもの部屋じゃなくなるみたいな感覚です。 
なんかもう、異次元空間に迷い込んでしまったみたいな感じ。 

発狂寸前でした。 
つか、すでにノイローゼ状態になってたんだと思います、私。



945 : めるば[sage] 投稿日:04/09/23 10:56:12 ID:Ii7HbhFB [7/11回]
7 

で、ついに決戦の日はやってきました。 

その夜も、身体が軋むほどの強い金縛り&足音。 
ミシッ…、ミシッ…、ミシッ…。 
畳を踏む音は、もはや寝ている部屋の入り口まで来ていました。 


入り口は、寝ている私の頭の上50センチくらいのところ。 
私は目しか動かせない状態なので、正体は見えません。 
でも、確実に何かが来ている! 
まさに、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!! てな感じ。 


ミシッ……。 

ついに、頭のすぐ上で足音が止まりました。 
さすがに目は閉じました。息も詰めました。ギリギリです。 
しかし、次のアクションがない。 

……………ん? 消えた? 
で、そっと薄目を開けると、



946 : めるば[sage] 投稿日:04/09/23 10:57:47 ID:Ii7HbhFB [8/11回]
8 

頭の上で何者かが屈む瞬間がハッキリ見えました。 
電気つけたまま寝てたので。 
黒っぽい和服姿でした。 


もう目なんか二度と開けられません。 
もし目を開けたら、熱く見つめ合う距離にいる気配バリバリです。 
信じてなくても、怖いものは怖いんです。 

すると、私の目尻の辺りに、フッと息が……。 

その直後でした。 


んふふ…… 



笑いやがりました。 
男の声でした。



947 : めるば[sage] 投稿日:04/09/23 10:59:07 ID:Ii7HbhFB [9/11回]
9 

で、結局どうなったかというと。 
私、キレちゃいました。 

がんじがらめの鎖を切るような勢いで金縛りをブチ解き、 
んごーー!と立ち上がって喚いてました。 
深夜、部屋中に布団や枕を投げまくりながら。 


なに笑ってんだ! なめんじゃねーぞ、ゴルァ! 
言いたいことあんなら、正々堂々と言えや! 
人を金縛りにしておいて脅すなんつー卑怯な手、使うな! ヴォケ! 


↑どう読んでも、霊を信じてない人間の発言とは思えませんが、 
ましてや20代半ばの女の叫びとは思えませんが、 
とにかく錯乱してたんです。。。



948 : めるば[sage] 投稿日:04/09/23 10:59:58 ID:Ii7HbhFB [10/11回]
10 

で、そのアパートは引っ越しました。 
以来、そういう奇妙なモノと遭遇することはパタッとなくなり、 
いわゆる霊感ゼロの人間になりました。 
=精神的に未成熟な時期が終わった、 
=脳の活動が安定した、 
のだと思います。 


ちなみに、2年ほど前に見に行ったら、そのアパートは取り壊されてました。 

そのアパートが建っていたのは、ある城のすぐ側で、 
チラッと聞いたところによると、 
アパートの近くにある丘というか小さな山に、 
城から抜ける隠し地下道みたいなのが繋がってて、 
そのへんには忍者みたいな人達?が住んでいたとか。 

もし忍者の霊だとしたら、ミシミシ足音たてるなんて失格だと思います。。。 



以上で、報告終了です。 
長文激しくスマソでした。。。