152 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] 投稿日:03/11/11 02:04
会社で上司が用事があるので先に帰る事となった。 
次の日は金曜日で1日我慢すればすぐ休みになると考えて自分が仕事を引き継いだ。 
夜9時を周って上司が帰り、10時になって残った社員のうち3人が帰った。 
後に残るのは僕ともう一人残っている社員が一人。 

そのうちもう一人が小腹が空いたと言うのでコンビニに買い物に行った。社内は僕と警備員数名を残し他に誰も居ない。自分が居る5階には自分しか居ない。 
警備員が巡回に来た後、すぐにまた下の階に降りていった。これで完全にはこの階には自分一人。 

社内は2分割されていて自分のいる課の方は灯りがついているがもう一つの課は真っ暗にしている。何故か無性に暗闇が気になる。 
怖がりなのに怖いと思う方向へ目を向けてしまう癖があるので、いつもイヤな物を見たりする。 
今回は仕事があるのでそれだけは避けたいと思って視線を逸らそうと窓の方へ目を向けた。


153 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] 投稿日:03/11/11 02:12
・・・ブラインドは閉まってあるからと思って気を抜いていた。 
目を向けた一点だけが何故か薄いグレーにぼやけていた。灯りがついている部屋だから影の方向とかは大体わかる。 
だからこそ、その影がおかしいと思った。 

怖いのに何故かそちらの方向へ足を向けたかった。そのブラインドの部分だけを開けて見てみたかった。 
社員が戻ってくるまで待てば良いのに、どうしても見たくなった。だからその場所まで足を向けた。 
そして意を決してそのブラインド部分に手を掛けた。ちょうど影を覆うように手を影に乗せたのに、手の色は暗くならない。 
「やはり影じゃなかった!」 

手を除けてブラインドを見たらやはりぼやけて見える。「このブラインドの向こうはどうなってるんだ・・・?」 
心臓がバクバク言いながら脳は「止めろ!」と言ってるのに体が勝手にブラインドを開けてしまった。 



154 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] 投稿日:03/11/11 02:20
ブラインドの後は窓が閉まった状態で夜景が飛び込んで来た。 
「良かった... 思い過ごしだ...」 そう思った矢先またもさっきまで目線をやっていた暗がりの方向へ目をやった。 
「・・・今度は向こう側がぼやけている...」 

きっとモニターに向いっぱなしだったから目が疲れているのだろう。そう思う事にして自分の席に戻ろうとした。 
途端に温度を感じさせない風が僕の首筋に吹いた。窓を完全に背に向けて席に戻ろうとした瞬間にだった。 

「・・・イヤだ...」 僕はブラインドを空けただけで窓は開けてはいない!しかも首筋に感じた物は風が吹いたと言うより力なく首筋を撫でられた感じだった。 

僕は冷や汗が流れてきた。今度は怖いと思うより先に素早く後ろを振り向いてブラインドを閉めた。 
ブラインドは冷静さを欠いたせいか、なかなか閉まらなかった。が、祈る気持ちで下まで下げたその時・・・ 

今度は背を向けた暗闇方向から視線を感じた。



155 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] 投稿日:03/11/11 02:31
ブラインドを閉めた手は汗で湿っている。今度と言う今度は最早振り向くと言う事が出来なかった。 
と言うより、体全体がそれを拒否した。 
会社は甲州街道沿いにあるので窓の外からは時折車の音が響く。が、そんな日常の中で自分が今非現実的に陥ってる事に混乱している。 
車の音が鳴るたびに、心拍数が上がる。「誰か... 誰か来てくれ・・・」 

時間の感覚も無くなるくらい立ちすくんだ。時折、首、背中、後頭部の周りに何かが撫でる様に吹き抜ける。 
今はただ、社員が一刻も早く戻ってくれるように願っている。そして腕時計を覗く。既に15分は経って居る。コンビニは会社から出てすぐの距離なのでもう帰って来ても良い頃だ。 
頭の中で念仏みたいなものを唱え、社員が戻ってくる事、警備員が巡回しに来る事を同時に祈っていると、後の何かが近付いてくる気配がした... 

「・・・!」 少しづつ、少しづつ確実に近付いてきた・・・ 音は無い。だけど感覚でそんな気がする。 首筋には風が吹き付ける・・・ 
そして風の感覚がピタリと止まった時。 「ソレ」は僕の真後ろにぴったりと付いた・・・ 
最早何も考えられ無いし体の震えすらも止まってしまった。



156 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] 投稿日:03/11/11 02:40
声を出したくても出せない・・・ これから何が起こるかも解らない。ならいっその事振り向いて一気に気を失ってしまうべきか? 
ある種ヤケクソで振り向く事にした。 
心の準備が出来てないので、「頭の中でカウントして振り向こう」そして数え始めた。 

3,2,1・・・ 0! 

振り向いたら何も無かった・・・ 自分の思い過ごしだった... 最近寝不足だったから、疲れてるんだろうな。 
一息付き、フラフラと自分の椅子に戻った時にふと廊下の音に耳を傾ける。警備員が二度目の巡回に来ていた。これで完全に安心した。 
フーッ・・・ さっ、仕事に戻ろう。 と思ったが、何か引っ掛かる。「おかしいぞ・・・ さっき警備員が来てたじゃん?そんな何度も来るものか?」 

時計を見たら11時にはなっていたが、まださっきの巡回の時から30分も経って無い!いや、そもそもさっきの音が警備員かどうか確かめてない! 
僕は怖くなって警備員室に内線を入れた。



157 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] 投稿日:03/11/11 02:46
・・・ 内線には出ない。 やっぱり巡回に出てるんだな。と、「強引に」思う事にした。 
警備員は普段2~3人いて、一人は必ず警備員室に残るものである。だから、こうして内線に出ない事はおかしい。 
だけど、僕はこれ以上怖い思いはしたくなかったので自販機かトイレにでも行ってるのだろうと思う事にした。 

そして今一度暗がり、窓、廊下、自分の背後を覗いた。確かに何も無い。全て疲れから来る幻聴幻覚気のせいだ! 
そう納得させた。 
そしてモニターに目を移し、ワードファイルの打ち込みに戻ったが、何故かある一点に目が向いた。そして僕は絶句した。 
その部分と言うのが、文章の先頭部分。先頭を立て読みするとこう言う一文になった。 

あ 
な 
た 
も 
こ 
ち 
ら 
へ 



158 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] 投稿日:03/11/11 02:51
>>152-157 

以上で終わりです。長文の上に何がなんだかよく解らない内容、結末ですいません。 
でもあの時は本当に怖かったんですよね。 
受け取った書類を打ち込むだけの作業だったので、原本読んだ時は縦読みにならなかったので油断してました。 

恐らく偶然だったんだろうと思いたいです。 
ちなみに警備員さんは内線入れた時はちょっとだけ席を離れていたらしいですが、巡回は下の階を周っていたようです。 
そして社員はと言うと、縦読みに気づいて固まってる時にひょっこり顔を出して、硬直を強引に解いてくれました。どうやら漫画読んでたらしく、結局1時間ほどサボってた事になりますね。 


それ以来二度と人が大勢居る時以外は残業してません。