396 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] 投稿日:04/01/03 15:30
AAうざいんで残業話でも…あまり怖くないんでスマソ。 

10年ほど前、まだ新人だったころ。 
忙しい*クリエイチブ*関係の会社で、初めて大きな仕事を貰い、 
毎日終電まで残業が続いていました。 
責任のある仕事に張り切っていたのですが、疲れが溜まり、 
残業中に持病の喘息の発作を起こして病院に運ばれてしまいました。 
会社の近所の病院で点滴を受け、酸欠状態で意識朦朧になっていた私、 
ふと、何かの気配に、薄く目をあけると、 
病室のドアがすーっと開き、仕事のフォローをしてくれた先輩が。 
『先輩すいません』と言いたいのに、薬が効いていてろれつが回らず、 
私はすいませんすいませんと心の中で繰り返し、また目を閉じました。 
その夜は結局入院となり、翌日の午後よろよろしながら会社へ顔を出すと、 
なぜか先輩達が一様に顔を引きつらせているのです。


397 : 369[sage] 投稿日:04/01/03 15:40
369の続き。 

何だろう……と、思いながらも、 
私は夕べ病室を訪れてくれた先輩のデスクに向かいました。 
忙しい中、様子を見に来てくれた先輩にお礼を言うと、先輩は、 
「何言ってるんだ? 俺、病院になんて行ってないぞ?」 
いいえ、確かに先輩だった筈です、と、繰り返す私に、 
「いや……俺らの方がさ、夕べ、お前が病院抜け出して来たんじゃないかって……」 

先輩達の話によると、 
夕べ徹夜残業していた人たち全員が、ふとした拍子に、 
視界の端の方に私の姿を見かけ、焦って顔を上げるとそこには誰もいない…… 
そういうのを一晩中繰り返していたのだそうです。 
戸口に立っていたり、自分のデスクで青白い顔しながら 
額に脂汗を浮かべて肩でぜいぜい息をする私を目撃し、 
焦って病院に確認の電話を入れ、私が立ち歩ける状態じゃないことを知ると、 
皆、無言でひたすら顔を上げすに残業を続けたのだそうです。 
病院に電話したのは、私が病室で見た先輩でした。 

いまだになぜそんなことが起こったのかわからないのですが、 
それだけ私も一生懸命だったのだと思います。 
あのころのテンションがずっと続いていれば、もう少し出世したかな? 
なんて、最近はだらだら仕事しながら考えています。 

ほんと、怖くなくてすいません。