222 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[] : 投稿日:2003/06/06 03:21:00
諏訪の出身です。 
小学校入学前(20数年前)、明け方物音で目が覚めて表を見ると、物置(というか倉)の周りを大人の男の人が何人も取り巻いていました。その後ろに白いワゴン車が止まっていて、わたしはなにか事故でもあって救急車でも来たのかと思い、じっと見ていました。 
暫くして物置の戸が開いて、父と叔父さんが出てきました。白っぽい着物を着た人を両脇から支えていて、その人の顔のあたりが妙に赤いので、一瞬怪我人なのかと思いました。 
しかし、そうではありませんでした。
その人は、たしかに姿は人間でしたが、顔は土偶というか、お面みたいで、茹でたエビみたいに真っ赤だったのです。 
「おう、今年のベンガラは、なかなかいい出来だ」 
周りの誰かが言いました。 
ベンガラは父と叔父に支えられ車に乗せられました。自力で歩いているようでした。その時には、手も足もむき出しで、やっぱり真っ赤でした。 
父は周りにいた人に深々とお辞儀をし、男たちも礼を返し、そそくさと帰っていきました。 
わたしは、見てはいけないものを見たのだと、本能的に思い、このことは絶対に口外しませんでした。 
それでも、その後、茹でたエビ・カニ、堆朱なんか見るとふとこの出来事を思い出し、いやな気分になったものです。 
先月、叔母が亡くなりました。父とベンガラを運んでいた叔父の奥さんです(父、母、叔父すべて故人です)。最後に会ったとき、叔母がエビセンの袋を握っているのを見て、ふとこの件を思い出し、話をしてしまったのです。 
叔母は当たり前のように 
「昔は、どこの家でも造ってたけどねえ。もうないだろう」 
と言うのです。 
「ベンガラだっけ?」 
「そう。水銀使うからねえ、紅殻って言うんだけど、酷いことしたもんだねえ」 
つぶやくように言ったとたん、首をふって、後はだんまり。その後すぐ、亡くなりました。 
諏訪地方の出身のかた、20数年前は当たり前の風習だったらしい、紅殻というものをご存知ないですか?