19 :あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage]投稿日:04/05/04 16:28 ID:T7Pz56cu[1/2回]
姉の友人に“多少見ることができる”という女性がいる。 
そのころは私が中学三年生のころだったのだが、彼女が家に遊びにきた。 
家に入ってすぐ階段横に何やら黒いものが見えたらしく、 
彼女は姉にことわりを入れてそちらへ向かったらしい。 
その先は脱衣所があって、風呂場に続くわけだが、 
話によると風呂場の扉をあけてこう言ったのだという。 
「あの換気扇のところから頭がまるまるたれさがってるんだけど」 
 そこまではよいのだが、実のところ家族や姉やその友人にではなく、 
恐怖が私のもとにふりかかってくるとは夢にも思わなかった。 
 私の部屋は風呂場のすぐ上にある五畳のものだ。 
その日の夜。さあ寝ようと思ったのだが、どうも時折クーラーがびしびしいうので、ちょっと叩いてみた。 
ちなみに、そのクーラーはコンセントがはいっていないうえ、 
湿度や温度のせいでもないと思われる。そのころ買った湿度計と温度計があったためである。 
 叩いてみると、何か黒いものがクーラーの小さな隙間から落ちてきた。女のものと思われる、 
五十センチ程度の髪の毛数本だった。一瞬、蛇でもいたのではないかと思ったが、早計だった。 
もっと恐ろしいものだったからだ。 
 手に取ろうとしたところでいきなり金縛ってしまい、そこで姉の友人の話を思い出した。 
(「頭がまるまるたれさがってるんだけど」) 
――そして、姉が私に事を話したのち、部屋を出るときになって、もう一文付加していた事実も。 
『髪の長い女の人だってさ』 
 私は軽い調子で話す姉を脳裏に浮かべながら、確かにそこにある髪の毛をじっと見つめるしかなかった。