98 :あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage]投稿日:04/05/10 22:08 ID:l6vGkAE9[1/2回]
友人のNと雪山登山に行った。 
途中の山小屋に着き、二段ベットが二つ並べられた 
狭い部屋でNと二人で仮眠を取った。 
少し眠っただろうか、物音で目が覚めた。 
部屋の窓が開いて、そこから重装備をした女の人が 
中に入ろうとしていた。びっくりしたが手を貸してやろうと思い 
声をかけようとしたら、ベットの上で寝ていたNが 
小声で「やめろ、絶対話しかけるな。寝たふりしろ。」 
そう言ってきた。 
Nの言葉には小声なのに何かとてつもない迫力があり、 
思わず目を閉じ寝たふりをした。 
部屋の中に「ガチャ、ガチャ」という足音が鳴り響く。 
一体いつまで寝たふりをすればいいのか… 

気が付くと部屋には朝日が差し込んでいた。寝てしまったのだろう。 
既に起きていたNに昨日のあれは一体なんだったのか問い詰めた。 
Nは「お前、女の人が入ってきたように見えたろ?騙されたんだよ。 
 あれは鬼だ。もしあの時、あいつに声をかけてたらお前連れてかれてたよ。」 
その山小屋や下山した街などで聞いたが結局女の人の遭難者などは 
報告されておらず、あれは夢だったと自分に思い込ませることにした。 

帰り道、駅のホームの売店でこの地方の名物として売られていた 
「雪女饅頭」を見つけたとき、多分Nの話は本当なんだと思った。