735 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:04/10/19 18:35:59 ID:NwPLPpJG [1/1回]
心配性の俺はたまに生霊を飛ばすらしい。自覚無し。 

元ヒキの兄の仕事を草葉の陰から見守るわ、 
半身不随の祖父の世話をしに行くわ、 
就活で鬱になってる友人を面接中に励ますわ、 
失恋でヤケになってる友人を戒めるわ、 
人生に対して凹んでる片想いの女を励ますわ、 
休日には早朝の職場に現れて細かいミスをアレコレ修正したり。 
(直したのは自分のミスった所だけだからかっこよくないw) 

しかし誰かの所に現れても感謝されるばかりじゃなく、 
逆効果な場合も多いので申し訳ない気持ちにもなる。 
上述の片想いの女にはキモがられたらしいしorz 
そりゃ一人の部屋で声だけ聞こえたらただの心霊現象だよな。 

そんな中でも印象に残ってる話がある。


736 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:04/10/19 19:54:17 ID:jNpQiCmv [1/4回]
俺の幼馴染は今、田舎で一人暮らしをしている。 
無二の親友であり、互いに良き理解者だ。 
こないだそいつ―Aと呼ぼう―が帰省して、一緒に峠にくり出した時に聞かせてくれた話。 

Aは純朴で優しくて、今時珍しい他人優先の考え方をするやつだ。霊感は無い。 
田舎に行く前は半端な都会に住んでたもんで、色々傷つく事も多かったらしい。 
しかし田舎に赴任してからは、マターリと人情に厚い生活の中で癒され、 
優しい彼女もできて幸せに暮らしていましたとさ。 

しかしそんな田舎でも悪い奴はいるもので、徹夜明けのある貴重な休日、 
寮のDQNな隣人に押しかけられて色々説教やらくだらない自慢話で半日を奪われる。 
さらに最愛の彼女が、職場のDQNな先輩(彼女の元カレ)主催の宴会に拉致られてしまう。 
ここまでなら(´・ω・`)ショボーンで済むらしいのだが、トドメに酔っ払ったDQN先輩から 
「おいA、酒と肴を買って持ってこい!」 
ここでブチ切れですよ。 

しかしブチ切れしても暴れるほどの度胸も無いA。 
律儀に酒と肴を買って届けて、宴会から彼女を救い出すこともできず、 
寝惚けた頭で独りで霧の峠を暴走することに。 

つづく



737 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:04/10/19 19:55:27 ID:jNpQiCmv [2/4回]
つづき 
路面ウェット視界不良の中で攻めることは、ほとんど死を意味する。 
長いこと走り屋をやっているAはそれを理解しながらも 
「もうどうでもいいや」という気分のままに、アクセルを踏みつづけたらしい。 
アンダー出してガードレール擦ったり、スピンしたりすれば普通は冷静になるものだが、その日は違った。 
ボロボロになりながら何往復しただろうか。ついに、ストレートからのヘアピンでヤバい突っ込みをした。 
悪寒が走り抜け全身が総毛立ち、体がこわばった瞬間 
『うわー怖えー! 無理すんなー!』<俺の声 
それで硬直が解け、ほとんど条件反射でブレーキとステアを操作し、 
派手にスピンしながらどうにか無事にコーナーを抜けた。 

Aは寝不足から来る疲労と緊張が解けたせいで朦朧とする意識の中、車を走らせながら 
いつのまにか―むしろ当然のように助手席に座っている俺に、今日あった嫌な事や思った事を捲くしたてた。 
俺はいつものようにタバコを吸いながら、相槌を打って宥めていた。 
どれくらいの時間話していたのか、突然俺が『あ、もう着くんじゃない?』と言うと、 
Aの意識がはっきりして、俺は消えた。 

着いた場所は、俺と一度だけ行った夜景スポット。 
その時の記憶がオーバーラップしただけかと思ったけど、 
車内に充満するタバコの臭いで、俺が確かにそこに居たのだと確信したらしい。 
Aはちょっと泣いたそうだ。



738 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:04/10/19 20:01:26 ID:jNpQiCmv [3/4回]
ちなみにその夜、俺本体は昼頃から妙に疲れていたので 
仕事から帰ってすぐ爆睡してました。 
生霊を飛ばすと本体も疲れるらしいけど、そうなんだろうか。 

辛い時には、呼ばなくても来てくれる生霊。 
こんな傍迷惑な人間もいますよってことで。