770 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:04/10/26 16:14:48 ID:aFLRHW85 [1/4回]
 俺の妹さ、俺が17の時死んだのよ。今からもう8年前。 
まだ6歳でさ。末っ子で、男兄弟ばっかだから、兄貴も弟も猫かわいがりしてたね。 
でも、元々病弱でさ、ちっちゃくてさ。 
でも、めちゃくちゃ可愛くてさ、ちょっとしたことでも、泣くんだよ。 
「兄ちゃん、兄ちゃん」って。いっつも俺の後ついてくんの。 
街にあるケーキ屋のショートケーキが大好きでさ、一週間に一回ぐらい、バイト代で買ってやってた。 
食ってるとき「おいしいー」って笑う妹が、とっても可愛くてさ、すっげぇ可愛くて… 

妹が発作で倒れたって聞いて、俺、学校からバイク飛ばして中学校で弟拾って即効病院に行った。 

色んな機械つけて、妹は寝てた。 
おかんとばあちゃんが「もうだめだぁ…」って、なんかじいちゃんに拝んでるし。 
「シノを連れてかんといて!お願いや」って、じいちゃん、妹生まれてすぐに亡くなってる。 
シノを抱くことなく逝ってしまったじいちゃんは、死ぬ間際まで「シノを抱っこしたいなぁ」って言ってた。 
俺が行って「シノ!シノ!!」って呼ぶと、意識が戻った。 

「にーやん、あんねー、シノ、ショートケーキ食べたいん」 
「いっぱい買って来てやるから死ぬな!寝るな!おきてんだぞ!」 
って、俺はケーキ屋からあるだけのショートケーキ全部買ってきた。 
でも、妹死んじゃったよ。 
俺がショートケーキ買って来て、病室のドア開けると、妹が笑ってて、 
「買ってきたぞ!シノ、食って元気出せ!」 
って、一口食わしたら、 
「おいしいー…ありがと、にいや」 
って、笑って目を閉じてソレっきり。 
すぐに、ピー―――――って、機械が。電気ショックとかやっても無駄だった。 


771 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:04/10/26 16:15:35 ID:aFLRHW85 [2/4回]
棺おけに入るときに、気に入ってた、おかんが作ってやった紺色の、フリルのいっぱいついたドレス着てた。 
ばーちゃんが作ってやったお手玉もいれてやった。 
お気に入りのテディベアも入れてやった。 
俺、一年ぐらい立ち直れんかった。 
壁にさ、誕生日に妹がくれた「にーやん達の顔」って絵があってさ。 
まだ六歳だから下手糞でさ、でも、兄弟で笑ってんの。 
俺と一番上の兄貴の間で、カチューシャ付けた妹が笑ってる絵。 
もう、ソレ見るたびに泣けて来るんだよ。 

でも、我が家でな、ちょっと不思議なことが起きるようになったのはそれからなんだ。 
夜中に、ばーちゃんの部屋から声がすると思ったら、ばーちゃん(ボケてなくて、霊感あり)が、 
「あぁ、じーさん、紫乃連れてきてくれたん。そう、その服気にいっとんのな、あぁ、そうかそうか、これて嬉しいか」 
障子の隙間から見ると、ばーちゃんが笑ってんの。相槌まで打ってさ。 
テーブルにお茶とジュースまで出してさ。 
妹の好きな、地元の古い店が作ってる瓶のサイダー。 
俺、ついついばーちゃんの部屋あけちゃった。 
そしたら、ばーちゃん、慌てもせずにさ「ヒロトー、じいちゃんとシノがそこに来とる、挨拶せぇ」 
って、俺にまでお茶出すし。 
「これ飲んだら、かえるとこまで帰りんさい」 
って、ばーちゃんは笑ってた。 

まぁ、それくらいは序の口。 

 おかんが台所で、弟のおやつにホットケーキ作ってたら、作っといた一皿の、一枚の半分だけが無くなってんだって。 
歯型ついてて。どう見てもシノの口の大きさでさ。 
「あの子、ホットケーキも好きやったからなぁ」 
って、ばーちゃんもおかんも涙してんの。 
あとは、家に居るときに、シノの声を聞いたことは、全員ある。 
おとんが、「きっと、この家が好きで出て行かないんだろう」って言ってたな。 



772 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:04/10/26 16:16:25 ID:aFLRHW85 [3/4回]

 で、就職するからって東京で一人暮らし始めた。 
その頃、好きな女もできて、告白しようか迷ってた。 
ある日、夢ん中、妹とよく行った公園で、二人でベンチに座ってた。 
「にーやんは、あの人すきなの?」 
おかんが作ってやったフランス人形みたいなドレス着てさ、妹が笑ってんの。 
向こう側のベンチに、俺の好きな人が座って、本を読んでて、それを指差しながら。 
「うん」 
って、俺が答えると、 
「大丈夫、シノが何とかしたげる」 
って笑ってた。 

 んで、しばらく経ったある日さ、その女の人から告白されてしまった。 
それから、そのまま今に至るってわけで。 
 結婚して、しばらく経って、実家に、シノとじーちゃんの墓参りに行った時、墓前でさ、俺の奥さんが言うんだよ。 
「そういえばね、不思議な事があったの」 
「なに」 
「あなたに告白する前にね、不思議な子にあったの。 
 新宿で買い物してたら、ちっちゃい女の子に声をかけられてね、紺色に白いフリルのドレス着てて… 
 でね、『おねーさんは、にーやんのこと好きですか』って言われたの。 
 『にーやんってだれ?』って聞いたら、『大丈夫ー、おねーさんは、にーやんのお嫁さんになる、うちのにーやんもおねーさんの事好き』って 
 言って、どっかに消えちゃったの。でね、その子が居なくなった後、不思議なんだけど、あなたの顔が頭に浮かんだの」 
「…シノ…」 
しか、思い当たる所は無い。 
そのことを、嫁に話すと、嫁は「まさかー」って笑ってたが、実家に戻って、茶の間に飾ってある、妹の写真見て、 
「この子!!」って、驚いてた。 
あぁ、シノがくっつけてくれたんだ。 



773 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:04/10/26 16:17:47 ID:aFLRHW85 [4/4回]
で、またしばらくして、嫁が妊娠。 
でも、ちょっと危なかった。 
ある日、病院で、嫁の看護しながら、眠っちまった。 
そしたら夢に、またシノが出てきた。 
「にーや、おとーさんになるの」 
「そうだね」 
また、公園だった。今度は俺の横に、腹が大きい嫁が座ってた。たまごクラブ読みながら。 
「シノ、にーやの子供、守る」 
って言って、 
嫁も、「お願いね」って言ったら嫁の腹の中に入ってっちまったよ。 
むしろ、消えたの方が正しいのか。 
目が覚めて、朝、嫁にその事を話したら、嫁も、同じ夢を見てたらしい。 
で、嫁も「お願いっていったら、おなかン中入ってっちゃった」って笑ってて… 

無事、生まれました、我が子。 

健康な、女の子です。今年三歳になります。 
しぐさが、妹に似てます。 
笑い方とか、喋り方とかね。あと、性格とか、好きな物とか嫌いなものとか。 
っていうか、妹の生まれ変わりだろうな。 
っていうか、俺、親ばかになりました。 
麻雀も、パチンコもやめたし、家にも早く帰るようになったし。 

 俺の実家に帰ると、もう、皆、猫っ可愛がり。 
ばーちゃん大興奮。 
おやじ、初孫の為にデジカメとデジタルビデオカメラ買いました。 
おかん、連れてくと離しません。 

 とても元気で、いたずら盛りの我が娘、元気に育てよ。 
まぁ、平和です、我が家。