128 名前: 121 投稿日: 01/10/20 14:29 

今オヤジと離れて暮らしてるから、とりあえず覚えてるやつを書くね。 
今度会った時にまた聞いておく。 

よくあるパターンなんだけど、波間に頭だけ出ていて 
「おーいおーい」っていう霊は結構頻繁に見たらしいよ。 
太平洋のどまん中でさ。オヤジが当直に立った時とかも、 
何度か見たって言っていたよ。いきなり「おーいおーい」だもの。 
最初は慌てて「漂流者だ!」ってみんなを呼んだりしたらしいけれど。 
古参のひとは航路のどこでそれが出現するか知ってるらしく、 
「ああ、またか・・」って言うんだって。 

当時の船は、レーダーとかも無かったのかな?いやあったのかも 
しれないが精度がイマイチだったのかもしれない。そのせいか、 
船首と船尾に立って、毎日交代で航路を見る「ワッチ」という当直が 
あったらしい。そういう時に出るんだって。 
太平洋の、激戦地の近くとかでよく見たって言ってた。 
きっと戦時中の船が多く沈んでるのかな。 

その「おーいおーい」を見た後は、船のみんなで 
オニギリや酒、タバコなんかを海に投げ入れてやるんだって。 
怖いって言うよりも、同じ船乗りとしてすごく悲しいんだって。 
だから「日本に一緒に帰ろう。この船に乗れよ」って 
心の中で必ずみんな言ってたそうだ。