420 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] : 投稿日:2003/04/26 03:45:00
私がまだ小学生の頃。正月に広島にある祖父の家に行きました。 
そこで私は熱を出して寝込んでしまったのです。 
和室の真ん中に布団を敷いてもらって、うつらうつら。目が覚めると、夕方でした。 
隣の部屋に通じる襖に、冬の淡い日差しが薄赤く映えています。 
と、その襖がするすると開きはじめ、二十センチ程の隙間に女の子の顔が現れました。 
髪を坊主にした女の子。私をじっと見下ろしています。 
襖の向こうは真っ暗で、そこに浮かび上がる白い顔は能面のようでした。 

「まひるが呼んでるよ。」 
その子が口を開きました。 
まひるというのは僕より二つ年下の従兄弟で、確か東京に住んでいました。 
(まひるちゃん来ているんだ……) 
発熱で朦朧とした頭でそんなことを考え、女の子に聞き返しました。 
「どこで?」 
「井戸の中。」 
(井戸?) 
確かに祖父の家には井戸がありました。でも、そんなところで… 
「そんなところで何してるの?」 
「知らない。もうだめかもね。」 
その子が表情一つ替えずにそんなことを言いました。 
その後眠りに落ちたのでしょうか、私の記憶はここで途切れています。 

一月ほど経ったある日、母親からまひるちゃんが死んだと聞かされました。 
冬休み中に用水路に落ちて水死したそうです。