2017年05月

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     俺の親父の田舎は、60年代初頭まで人食いの風習があったっていう土地だ。 
    とはいっても、生贄だとか飢饉でとかそういうものではなく、ある種の供養だったらしい。 

    鳥葬ならぬ人葬かな。それは小さな神社で行われてたとのこと。 

    そこの神主さんが亡くなった人の脳だとか脊椎だとかを啜り、その人の魂(心?)を受け継ぐんだって。 
    で、イタコの真似ごとをして、残された家族とかに故人からの言葉を送るっていう寸法。 

    気味が悪いように聞こえるけど、それほど殺伐としてようなものじゃないみたい。 

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     40分ほどで話は終わり、質問タイムになった。 
    誰も質問しないようなので、とりあえず自分が好きな高校野球について質問してみた。 
    「高校野球ではこれから5年以内に東北に優勝旗が来る。」 
    「決勝は福島と宮城。どっちが勝つかはお楽しみに」 

    へ~、とニヤニヤして聞いていたら 
    「君、どうやら今までの話を信じていないようだね。メモはとってるみたいだが…」 
    「そうだな、これから3日以内に君は死ぬほど苦しい思いをする」 
    「まぁ死なないから安心してほしい。でも相当苦しいから水でも用意しなさい」 

    【あなたがダメなら終わるんですよ 後編】の続きを読む

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     場所はどこかのビルの一室、係の人に案内されて通された部屋には 
    スーツ姿の男性や制服姿の高校生、エプロン姿のあばさん、作業着姿のおっさんなどがいた。 
    男女合わせて10数人、年齢も職業もバラバラだった。 

    みんなキョロキョロして落ち着きが無く 
    「いったい何が始まるんだ?」という表情。もちろん俺も同じ感想。 

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     一気に緊張が張り詰め、冷や汗が噴き出した。 
    頭の中は「お祓いしたのに何で?」としか考えられなかった。 

    全く動けないでいたが、神主さんの言葉が何故か頭が過ぎった。 

    「何も憑いてないですよ」 

    これは俺達が見てる幻覚では無いのか?本当は何も無いのではないか?数年前のような事が早々起こるか? 

    そう考え、ずっと頭の中で「本当はいない」と考え続けた。 

    【全身から水が滴り落ちていた。 後編】の続きを読む

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    急いで部屋の鍵を開け、Tを先に上げ、俺は入る時に見てしまった、2階の廊下、階段を上ってすぐの所に女が立っているのを… 
    俺はすぐに鍵とチェーンをかけ、半狂乱になりながら部屋に塩を撒き散らした。 

    それから二人で気を張りながらも、玄関前に女が立っていたとか窓から女が見ていた何て事も無く、日本酒を浴びるように飲み、眠りについた。 

    次の日、二人共昼過ぎに起床し昨晩の事を話し、やはりお祓いしかないとなり、神社を探し結構近くにあり、連絡するとすぐにでも大丈夫という事で二人お祓いに行く事となった。 

    多少距離もある為、車で行く事にしたが昨晩の事が頭から離れず、ずっと後ろが気になって仕方無かった。 

    【全身から水が滴り落ちていた。 中編2】の続きを読む

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     しばらく歩いていたがやはりさっきの事が気になり、振り返るとさっきの女性は道路の中央に移動しており、俯きながらも俺の方を向いていた… 
    俺は少し恐怖を覚えながらも「歩けるなら大丈夫だろ」と気にしないように再びT宅へ歩を進めた。 

    俺は足早に歩いていたが後ろにある気配は消えない、それどころか近くなっているように感じ始めた。 
    俺は数年前に体験した恐怖が甦ってきた、またあんな目に遭うのかと… 

    そこから俺は振り向きもせず全力でT宅へ向け走り出した。 

    【全身から水が滴り落ちていた。 中編1】の続きを読む

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     それはある週末の事だ。 
    予定も入れず一人自宅でネットをしながらダラダラと過ごしていた。 

    ネットは楽しいがやはり飽きは来る 
    俺は休憩を入れて、ラーメンでも作るかと立ち上がり台所に向かおうとした時だった。 

    「キュイン」 

    懐かしの南○育ちの着メロが鳴った。 

    【全身から水が滴り落ちていた。  前編】の続きを読む

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     音が大きくなったので、ああ、ここだ。と思った。 
    と、こんな感じでだいたいの場所を突き止めるまでは、以前に起こった時にも成功していたので、 
    次にやることもいつもどおり決まっていた。 
    手を伸ばして、部屋の灯りを消す。 
    と、いつもならここで、辺りをつけた場所の暗がりに、闇の濃い場所が見える。 
    当然この時も見えた。が、何かいつもと違う? 

    【すう・・・。すう・・・。すう・・・。 後編】の続きを読む

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     最近、自分の部屋以外の場所で寝ると、必ず 
    すう・・・。すう・・・。すう・・・。 
    って感じで部屋のどこかで自分以外の寝息がする。 

    明かりを点けて寝ていても、やっぱり聞こえる。 
    音のする方向を見ても何もないので、目に見える何かがいるわけではないのは確か。 
    スマホで写真や動画をとってみたが、何も映らない。 

    【すう・・・。すう・・・。すう・・・。 前編】の続きを読む

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    先生がまだ大学生の頃、学校近くのボロアパートの2階に一人暮らしをしていた。 
    ある夏の日、先生の部屋へ友人が遊びに来ることになった。 

    部屋中の窓を全開にした四畳半の窓際にもたれ掛かり、団扇と小さな扇風機で昼間の酷暑に耐えながら一人で友人を待っていた。 
    暫くして「カンカンカン」と外階段を上がってくる足音が薄い壁を通して聞こえてくる。 
    その足音は階段を登りきると廊下を渡り、まっすぐ歩いて一番奥にある先生の部屋の扉の前で止まった。 
    扉は真横にある共同便所が臭かったので暑くても閉めたまま。 
    先生は友人が来たのだろうと、窓際にもたれ掛かったまま反対側の玄関に向かって「開いてるよ」と声を掛けた。 
    しかし、いつまで待っても一向に扉が開く気配が無い。 
    不審に思って部屋を突っ切りこちらから扉を開けるとそこには誰も居ない。 
    トイレかと考え真横の共同便所を覗いてもやはり居ない。 
    他の部屋に入るような物音もしなかった筈だが、とにかくどうしようも無いので部屋へ戻った。

    【見てしまったモノはしょうがない】の続きを読む

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