2017年04月

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    私は昔ある役者さんの熱狂的なファンでした。 
    その役者さんが出ている作品を全て見る事は勿論、雑誌を買い集めたりと
    私の生活は彼と共にありました。 
    ですが役者さんはある日、病気のために休養。 
    復帰を望んで待っていましたがそのまま病気で亡くなってしまいました・・・。 

    彼の死を知った私は何も出来なくなり、とうとう半ば鬱の様な状態になってしまい・・・。 
    不安定に陥ると外でも家でも泣き崩れ、手首を切る等の後追い自殺(未遂)をしたり、 
    本当に今思うと愚かですが「役者さんが死んだのはお前らのせいだ。」と 
    事務所に中傷の電話やファックスを何度も送る等していました。
    【死んだのはお前らのせいだ】の続きを読む

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     七年ほど前の話 

     時期は忘れたが、呼び出されて子供と一緒に実家に向かってる最中。 
     突然、目の前にばあちゃんの家にある、小さい土地神様(?)の社が浮かんできた。 
     ゆっくりと扉の所がアップになっていく感じで近づいてきた。
     そして内側から扉が開いて、吸い込まれた。 
     お堂の中は、↓に向かって深い穴が開いていて、そこにふんわりと吸い込まれた。

     時々曲がったりしながら、結構なスピードで落ちていた。 
     どこに行くのかなー とか、思っていたら、突然広い所に出た。 
     一拍して、自分が落ちて(?)いた所の筒から外に出たってことに気付いた。  
     そこは、木漏れ日のさす大樹の外側の一部というのが、自分の中で一番近い例えだと思う。
    【小さい土地神様(?)の社が浮かんできた】の続きを読む

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    友達は小児科医で、昔入院中のある男の子と仲良くなったんだと。
    7歳の男の子でませてた子だったらしい 
    普通子供って注射一つでもギャーギャー騒ぐらしいがその子はいつも静かで、
    落ち着いた雰囲気があったと 
    友達はあんまり子供に懐かれないタイプらしいが、その子は懐いてくれてよく話相手になってあげてたって。
    【その子は懐いてくれてよく話相手になってあげてた】の続きを読む

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    俺はいつも仕事から帰ると、高さ130センチくらいの木箱の上に 
    財布と家の鍵を置いておく習慣があるんだ。 
    で、ある朝仕事に行こうと財布と鍵を取ろうとしたんだがうっかり 
    鍵を落としてしまった。 
    【鍵】の続きを読む

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    俺の友人Mはポイ捨ての常習犯だった 
    ある日Mがカードゲームの大会に参加した帰りに、 
    ローソンでLチキを買って帰り道に自転車に乗りながら食べて 
    そのままゴミをローソンのビニール袋ごとたまたま通りかかった石塀の中に投げ入れたそうだ。
    【ポイ捨ての常習犯】の続きを読む

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    小曲園で幾つか写真を撮ったんだ。 
    目的は自主制作映画のロケハンだったので。 
    そしたらどこで撮ったのかある部屋のカーテンから女が覗いてる写真があった。 
    んで、俺の部屋に仲間を呼んでみんなで怖がってたら窓の外からその女がこっちを覗いていたのよ。
    もう完全にフリーズしちゃったんだけど一人が叫んで部屋から逃げ出した。 
    【小曲園で幾つか写真を撮ったんだ】の続きを読む

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    先生が大学時代に、友人とW県のとある村にキャンプをしに行った。 
    河川敷にテントを張って日が落ちるまでの間、テントの中で準備をしていたそうだ。 

    日没後、先生は友人と話をしていると、外で何かを引きずっているような音がする。 
    勿論友人はテント内にいるし周りに人影も見えない。 
    その「何か」はテントの周りをずっと歩いている。 
    先生が外を見ると何もいない。しかし中に戻ると足音が聞こえる。 

    気味が悪くなった先生たちは一度テントから出て、ライトで外をガンガンに照らしながら 
    夕食の準備を始めた。
    【キャンプ】の続きを読む

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    暗闇の中に誰かがいる・・・ 

    あれは・・・そう、あれは宿を教えてくれた老婆だ・・・間違いない・・・ 

    次第に老婆が近づいてくる・・・なんだ? 自分に何か用なのか・・・? 
    老婆はそのまま目の前まで来るとピタリと止まり、今までずっとうつむいて見えなかった顔をぐるんを上に向けて 
    こちらを見ると・・・ニヤリと笑った・・・その形相はまるで人間のそれとは明らかに違っていた・・・ 

    そして自分は・・・その顔を知っていた・・・ 

    よぉ~やくぅ~・・・また会えたな・・・! 待ち遠しいかったぞぇ・・・ひゃっひゃっひゃっ 

    老婆の顔はみるみる鬼の様な形相に変わっていった・・・ 

    自分はこの老婆を知っている・・・数年前、俺は夢の中でこの老婆に殺されそうになったのだ・・・ 
    あの時は五月人形のおかげで運良く命が助かった・・・その時の老婆と今、夢の中で再会してしまった・・・ 
    混沌とした意識の中で、逃げなければ・・・と思うのだが体が動かない・・・夢だと判っているのに身動きが取れない・・・ 
    あの時と同じだ・・・ 
    【 傷心旅行 後編】の続きを読む

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    外に出ると山間の田園地帯特有のひんやりとした空気が心地よい 
    やはり来て良かった・・・と、カメラであちらこちらの風景を撮る・・・ 
    山の木々から差し込む木漏れ日が地面の苔や岩をくっきりと浮かび上がらせる・・・自然の織り成す美のコントラスト・・・ 
    時間が経つのも忘れシャッターを押し続けた 

    時計を見ると正午をまわっている 
    昼飯にしようかと、宿の婆さんが作ってくれた稲荷寿司を頬張る・・・うまい・・・故郷の婆ちゃんを思い出す・・・ 
    その後も街には行かず、のんびりと山々と田園風景を散策し、カメラで撮り続けた・・・ 
    会社から携帯にメールが何通か届いていたが無視しておいた・・・折角のリフレッシュを邪魔されたくはない 

    野原に寝そべって山の風を感じていると何かが顔に当たった 

    ん? 雨・・・か? 
    それは通り雨のようだった・・・ものすごい快晴なのだがパラパラと雨が降ってきた 
    最初は心地よかったが一応、木陰に入ってやり過ごそうと移動した 
    ふと、降り注ぐ雨の向こうに何かが動いているのが見えた・・・ 

    何だろう・・・? 
    何かの行列のようだ・・・自分が歩いてきた道を森の丘のほうへと進んでいるようだ 
    目を細めて見てみるが、ハッキリとは見えない・・・雨による土煙と蜃気楼によってゆらめいて見える・・・ 
    次第に雨脚は強くなり、そのうちそれは見えなくなってしまった 
    【傷心旅行 中編】の続きを読む

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    2010年の9月頃・・・その当時、自分は担当しているゲームソフトのマスターアップが終わり久々にまとめて休みが 
    取れたので中部地方のとある農村を訪れることにした・・・ 
    その少し前に数年付き合った彼女と別れてしまい、その傷心旅行も兼ねての旅だった・・・ 

    そこは都会からかなりの距離、離れている山間の農村・・・ 
    一応、観光地であるが未だ残暑の面影が強く、目的地までの電車に降り注ぐ陽光は額にうっすらと汗を滲ませる 
    には十分だった 

    朝、都心を出たにも関わらず到着時には陽も暮れかけ、夕日が豊潤な山野を赤く染め上げていた 
    ガタゴトと揺れる電車の窓から見える景色の移ろいは、一瞬だが都会でのストレスを忘れさせてくれる気がした 

    駅に着き、去りゆく電車を見送りった後、辺りを軽く見回す・・・ 
    随分と時代を感じさせる駅だ・・・無人駅ではないものの、柱の所々に腐ったようなささくれが目立つ構内だった 
    そして改札を抜け真っ先に視界に飛び込んできたのは、昭和の煤けたような香りのする寂れた景観だった 

    約半年の間、休日が無かったことで鈍った感覚と脳をリフレッシュさせるには、やはりこれくらいのレトロ感が 
    必要だ・・・脳が無意識のうちにそう感じとっていた 
    【傷心旅行 前編】の続きを読む

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