祖母はずいぶん前にもう亡くなったが、広大な畑と山を持っていた。
小学生の時は夏休みと正月、年2回家族で会いに行っていて、
そこで、その畑と裏の森で遊ぶのが毎回お決まりだった。
4年生か5年生の冬だったと思う。
いつものように畑で遊ぶのにも飽きた俺は、畑の裏にある山を探検する事にした。
夏の時ほど藪はひどくなく(夏の森は本当に藪だらけ)、
それなりに歩きやすかった。木には緑色の実がいくつかなっていたが、
もぎ取ったりするのは流石に怒られるだろうと思い、止めておいた。
しばらく歩いた時、グチャという変な音が真後ろから聞こえた。
反射的に振り向くと、奇妙な子供?がいた。・・・おかしい。
辺りは本当に静かで、遠くの空で鳴く鳥の声さえ聞こえるような場所。
だから、今の今まで、絶対に人なんか居ないはずだった。
そいつは異常なほど頭が大きく、坊主で、
目が頭の上へと引っ張られるような形で大きく伸びていた。
本当に絵に描いたみたいに、鼻から上が「目」だった。
俺は微動だにできず、硬直してしまった。
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