2015年12月

    732 : 土の下   ◆oJUBn2VTGE [ウニ 今夜は終わり] 投稿日:2010/09/26(日) 21:20:36 ID:Lt8tjlVs0 [1/9回(PC)]
    師匠から聞いた話だ。 


    大学一回生の春。僕は思いもよらないアウトドアな日々を送っていた。それは僕を連れ回した人が、家でじっとしてられないたちだったからに他ならない。 
    中でも特に山にはよく入った。うんざりするほど入った。 
    僕がオカルトに関して師匠と慕ったその人は、なにが楽しいのか行き当たりばったりに山に分け入っては、獣道に埋もれた古い墓を見つけ、手を合わせる、ということをライフワークにしていた。 
    「千仏供養」と本人は称していたが、初めて聞いた時には言葉の響きからなんだかそわそわしてしまったことを覚えている。 
    実際は色気もなにもなく、営林所の人のような作業着を着て首に巻いたタオルで汗を拭きながら、彼女は淡々と朽ち果てた墓を探索していった。 
    僕は線香や落雁、しきびなどをリュックサックに背負い、ていの良い荷物持ちとしてお供をした。 
    師匠は最低限の地図しか持たず、本当に直感だけで道を選んでいくので何度も遭難しかけたものだった。 
    三度目の千仏供養ツアーだったと思う。少し遠出をして、聞きなれない名前の山に入った時のことだ。 
    山肌に打ち捨てられた集落の跡を見つけて。師匠は俄然張り切り始めた。「墓があるはずだ」と言って。 
    その集落のかつての住民たちの生活範囲を身振り手振りを交えながら想像し、地形を慎重に確認しながら「こっちが匂う」などと呟きつつ山道に分け入り、ある沢のそばにとうとう二基の墓石を発見した。 
    縁も縁もない人の眠る墓に水を掛け、線香に火をつけ、持参したプラスティックの筒にしきびを挿して、米と落雁を供える。 
    「天保三年か。江戸時代の後期だな」 
    手を合わせた後で、師匠は墓石に彫られた文字を観察する。苔が全面を覆っていて、文字が読めるようになるまでに緑色のそれを相当削り取らなくてはならなかった。 
    「見ろ。端のとこ。欠けてるだろ」 
    確かに墓石のてっぺんの四隅がそれぞれ砕かれたように欠けている。 

     
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    152 : 代理投稿 ◆100mD2jqic [sage] 投稿日:2010/08/21(土) 00:13:02 ID:9FhPPqS70 [1/29回(PC)]

    【後ろの人】1/2 
     
    これは私が学生時代に友達の家で飲んでいるときの話。 
    テレビで怪談話をやっていたので、私たちも怪談話をしようということになった。 
    各々怪談話をしている内に、私はふと背中がゾクッとなった。 
    気になって後ろを見るも、そこには窓があるだけ。 
     
    怖い話をしてるからやっぱり背中が気になっちゃうんだな。と思い、気にしないようにした。 
    しかし、やっぱり怖いからか、その後も背後を気にして何度も見てしまう。 
    でも特に何も見えない。 
    俺はビビリか?と自分に言い聞かせ怪談話に耳を傾けた。 
    その後何事も無く飲み会は終了した。 
    その翌日の夜。寝ていた私は寝苦しくなり目が覚めた。 
     
    時計を見ると深夜2時すぎ。中途半端な時間に目が覚めて、また寝ようとしたがなかなか寝付けない。 
    そんなに暑くないのに何で寝れないんだろう? 
    そう考えている時にふと、部屋の隅に何か気配を感じた。 
    昨日の夜のような嫌な感じ。気になって隅を見てみると。 
    そこには女性がこっちを見て立っていた。

     
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    135 : 蝉 ◆8sSemi/UG. [sage] 投稿日:2010/08/20(金) 23:54:13 ID:tj45MlxL0 [2/2回(PC)]
    コンサートホール 

    チェコの首都プラハには歴史のあるコンサートホールがいくつもある。 
    私が今年の6月に妹と団体で旅行に行った際に、その中の一つでコンサートを聴くことになった。 

    さて、そのコンサートが終わってホールから出てくる時、妹が私の肩をパンパンと軽く払った。 
    埃でもついていたか、いや埃がつくような場所だったかなと怪訝な顔をすると「お礼は?」と妹。 
    埃をはらっただけでお礼を要求されても…と思いつつもすぐに折れてありがとうと言うヘタレな私。 

    ホテルに着いてから「さっき肩をはらったけど、埃ついてた?」と尋ねると、ついてたのは埃じゃないとのこと。 
    どうも霊がついてたそうで。危うく”肩が重い”体験をするところだったらしい。 
    あそこにそんなに霊いたの?と聞くと、シャンデリアにぶら下がって遊んでたりしたよ、とのこと。 

    翌日の朝、同じ団体の人で肩が重いと言っている人がいた。 
    ひょっとして昨日のホールで“つけたまま”帰ってきた? 

    131 : 代理投稿 ◆100mD2jqic [sage] 投稿日:2010/08/20(金) 23:50:13 ID:NzwSnF7x0 [13/14回(PC)]
    【理科室の女性】<1/2> 

    これは、僕が小学生の2年生ぐらいの時から始まり、 
    そして数年のときを経てつい先日、朗読の練習をしていた時に体験したことです。 
    大して怖くはないのですが、それの発端はある授業中のことでした。 

    当時の僕は授業を聞かずとも、某進研ゼミの通信教育のおかげで、 
    テストも100点ばっかりだったこともあり、授業に対しての熱はかなり低いものでした。 
    その為、ノートに落書きなどばっかりしていたのです。 

    ふと僕は授業や落書きもよそに、廊下側の窓に目をやりました。 
    教室の中で、黒板をある方を前とするなら、廊下側は右。 
    前と後ろに入り口があるのですが、丁度僕のいる席はその入り口から廊下が見られる席でした。 
    でも、僕が視線を送ったのは廊下ではなく、廊下の窓の向こう側の景色でした。 

    もちろん小学生なので、席に座っていると視線が低く、窓からは空しか見えません。 
    ですが、 
    「問題が解けたら先生のところに来るように」 
    ということで立ち上がって先生に採点を貰いにいくことがありました。 
    その時は、立ち上がっているのでチラッと廊下側の窓を見れば座ってる時より見れる範囲が広がります。 

    そしてそれを見たのです。 

    理科室と家庭科室は校舎とは別の場所にあり、二階が家庭科室だったでしょうか。 
    その入り口前に、女性が立っていました。 
    小柄で黒い髪の女性がこっちをじっと見ているのが見えました。 
    僕は何故かそれが凄く気になってじっと見ていました。

     
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     123 : メタルスライム ◆LuWpVnhAYs [] 投稿日:2010/08/20(金) 23:45:06 ID:hUSFt9UO0 [6/10回(PC)]

    (山)(1/4) 

    先ほど(第14話)もお話させていただきました通り、私は地域消防団に所属しています。 


    消防団とはいいますが、火事だけでなく水害、地震など、いろいろな事例で出動しています。 



    そのほかに、年1回ぐらいあるかないか・・・・なのが「不明者の捜索」 


    その日は「山菜取りに行ったお年寄りが夜になっても帰ってこない」という捜索願への対応でした。 


    そのお年寄りが乗っていた原付が発見された山道から、山に向かって沢や藪を掻き分けながら、ひたすら探し回る。 


    朝から泥まみれになりながら、歩き回っていました。

     
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    120 : 代理投稿 ◆100mD2jqic [sage] 投稿日:2010/08/20(金) 23:42:19 ID:NzwSnF7x0 [11/14回(PC)]
    4コ卵◆hcYOhjUtjg 様 代理投稿 

    【伯母さんのこと】 1/2 

    心霊?ちょっといい話系です。 

    私の伯母は、着付けの先生をやっていて、海外だろうとどこだろうと常に着物姿で 
    びしっとしていて、素敵な女性でした。 
    バツ2の出戻りで、子供がいなかったため、末っ子の私は随分可愛がってもらったものです。 

    その伯母にはちょっとした特技がありました。 
    人が失くなるのが夢で分かるというのです。 

    既に失くなった人が大勢出て来て宴会を始めるという夢を見ると、必ず身内や知人の訃報が 
    届くのだとか。 
    子供の頃は半信半疑でしたが、大きくなって実際に何度か、 
    『今日、例の夢見ちゃったわ…』 
    と言った後に訃報を告げる電話がある、というシーンを目にして信じるようになりました。 

    その伯母が、長く患っていた持病で失くなりました。 
    自宅で吐血して救急車で運ばれてそれきりでした。 

    着付けの先生らしく、お葬式は沢山の花に囲まれて華やかに執り行われました。 
    式が終わった後も、連日の弔問客で常に仏壇は花でいっぱいでした。

     
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     104 : カイト ◆MbiMEa9Ics [] 投稿日:2010/08/20(金) 23:26:17 ID:r0WQmdB7O [4/7回(携帯)]
    (2/1) 

    俺の通っていた小学校は、真新しい所だった 
    すぐ上にはバイパスが通り、脇には川があった 
    当時は周りはたんぼしかなかったが、今はマンションや住宅が所狭しとならんでいた 
    川はそんなに大きくはないが、子供が遊ぶのにはちょうど良かった 
    俺が小学校に入学する前の年、その川で子供が二人溺れて死んだ 
    深みに足を取られたらしい 
    それから川に入る子供はいなくなった 
    上流には河童伝説も残る川だ、やはりそれなりの理由もあったのだ 
    その子供が死んだ川の脇に、橋が掛かった 
    数年経つと、痛ましい事件は怪談となり、噂では夜になると子供の霊が出ると言う 
    それならばと、友達と小学校で待ち合わせ、肝試しに向かう事にした 
    どうせならと、川沿いの道を行く事になった 
    外灯もろくにない道をたわいもない話をしながら歩く俺と友達 
    二人で歩く足音がバイパスに反響していた 
    不意に友達が足を止めた 
    「お前、気付かない?」 
    正面を向いたまま友達が呟く 
    俺にはその意味がわかるわけもなく、否定を込めて首を横に振り……理解した 
    「やばいよな?」 
    そう呟く友達の横に、誰かいた 
    友達の立つ場所は、川岸の柵の脇 
    誰か立つには宙に浮いてなければいけない 
    俺にはその誰かは黒い影にしか見えず、ただ興味でまじまじと見つめてしまっていた 
    「帰るぞ」 
    友達は宣言すると、影を見ないようにして振り返り俺の腕を掴んだ 
    全力で走り出す俺達には、バタバタという足音とバチャバチャと濡れた足音が聞こえていた 
    学校に着いた頃には、もう足音は聞こえずにホッとしたのを今も覚えている 
    けれど、学校についてからが問題だった 
    せっかく肝試しに来たのに、アレだけでは物足りないと真偽のつかぬ影に文句を垂れていた俺に、友達は学校の中を巡ろうと言い出した

     
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    102 : 代理投稿 ◆100mD2jqic [sage] 投稿日:2010/08/20(金) 23:17:26 ID:NzwSnF7x0 [8/14回(PC)]

    【お化け屋敷】 

    昔一度だけ、当時彼氏だった夫とお化け屋敷に入った事がある。 
    夏が始まる前、6月の事だった。 
    オカルトは好きだがお化け屋敷は嫌いだと何度も言ったのに、 
    腕を掴まれて無理やりお化け屋敷に連れ込まれた。 

    案の定怖くて怖くて、私は目を開けられない。 
    夫の腕にしがみつき、眼をきつく閉じて、夫に手を引かれる形で進んでいく。 
    怖いながらも、そっと薄目を開けて辺りをチラ見した。 
    夫側の足元に井戸があり、そこから女の顏が半分ほど覗いている。 
    その様がとてもとても怖くて、またきつく眼を閉じた。 

    少し歩いてから、また、そっと井戸を見たら、中にいる女がこっちを見た。 
    眼ががあったその瞬間私は泣きだした。 
    何故かとても怖かった。心のどこかではロボットか人形だろうと思っているのに 
    。 
    夫が慌てて早歩きになり、程なく、寒かったお化け屋敷の中から、むあっとした 
    熱気漂う外に出た。 
    私はそれでもしばらく泣いていた。 

    帰りの車の中で夫が言った。 
    「泣き出す直前にあった井戸さぁ、蓋閉めてたら意味なくない?普通あそこでお 
    菊さんとかさぁw」 
    もう二度とお化け屋敷には入らない。

    100 : カイト ◆MbiMEa9Ics [] 投稿日:2010/08/20(金) 23:13:23 ID:r0WQmdB7O [3/7回(携帯)]
    道祖神 

    小学生の時に、地元を知るという意味で市内の史跡を回るという事があった 
    道端でよく見かける道祖神だが、それを巡る授業など今にしてみれば不思議な事もやっていた 
    四つほど学区内にある道祖神を巡り、最後に訪れたのは民家だった 
    何故だろうかと、足を止めた俺達に先生が神妙な顔をして話始めた 

    これから見る道祖神は、元々此処にありました 
    此処は元は畑(たんぼだったかも)で、そこに旅の安全を願い道祖神を建てました 
    しかし、戦争になりここらへんにも爆弾が落とされるようになり、道祖神を奉っていたこの○○さんは戦火が道祖神に降り懸かってはいけないと、すぐそこの○○神社へと、移動することにしました(歩いて5分掛からない距離にある神社) 
    神社に道祖神を移し、それから数年してから○○さんは夢を見るようになったそうです 
    道祖神が元の場所に戻りたいと、夢の中で言うそうです 
    最初は気のせいだと思って、気にしないようにしていたのですが、それから様々な事が○○さんに起こりました 
    家に雷が二度落ち、家族に不幸が訪れ……しまいには道祖神を移した神社にまで落雷が 
    ○○さんは夢ではなかったのかと、慌てて道祖神を元の場所に移す事にしました 
    しかし元の場所はすでに家を建てており、道祖神は敷地内へと奉る事にしたそうです 
    途端に不幸はなくなり、やはり道祖神の祟りであったかと皆は口にしたといいます 

    そう先生は話すと、その民家を見た 
    今まで見て来た小さな道祖神とはちがい、綺麗でしっかりとしたものがそこにはあった 
    庭の一画に陣取り、場違いな感じがしながらも道祖神はそこにあった 
    --今でも悪さをしたり移そうとすると罰があたる 
    そう先生は締め括る 

    後日友人に聞いたのだが、その家人は道祖神の側に立つ人影を度々見ていたらしい 
    本当に道祖神の祟りだったのか 
    それは未だにわからない 

    430 : デス・デイ・パーティ ◆oJUBn2VTGE [ウニ] 投稿日:2010/09/12(日) 00:23:28 ID:JDXpPZZg0 [4/7回(PC)]
    X=1-(0 + 0 + 0 + 0 + 0 + 0 + 0 + ……) 
    X=1-0 
    答えはX=1。これで二つめだ。 
    とんとんと二つめまで辿り着いたので案外簡単じゃないかと安堵したのだが、ここからが難問だった。 
    どういじっても、どう括弧で括っても一つめか二つめの形の亜種にしかならず、結局0か1かという答えになってしまうのだ。頭がこんがらがってきた俺は、これまでのパターンをみんなに見せて確認してもらった。 
    「おい、少年。すごいじゃん。さすが学生」とみかっちさんが褒めてくれたが、あなた俺と同じ大学でしょう。それにやってみて思ったが、これは数学というよりパズルだ。 
    京介さんが戻ってきてから、俺は全員に同意を得て代表としてとりあえずここまでの答えをcoloさんに告げた。 
    「0と1ね。正解! あと一つ」 
    「なにかヒントはないですか」と頼んでみたが、「ない」と実につれない。仕方がないので、全員で知恵を寄せ合い、いろいろ考えてみる。しかし括弧での括り方なんてそれほど多くのパターンはなく、似たような形になるばかりで、どうあがいても0か1かになるのだった。 
    「発想の転換が必要」と宣言して、みかっちさんが書き出した式も結局なにも変わらなかったし、「他二つが0と1なんだから、その前後じゃないか」ということで、「2かマイナス1」という答えが直感派の間で主流になったりしたが、 
    裏付けが取れないためGOサインが出ないのであった。 
    発想の転換が必要だ。その言葉を十回くらい聞いたが、なんの足しにもならなかった。書いた紙が散乱し、下剤の恐怖と戦いながら、殺伐とした空気を吸って吐いて俺たちは考え続けた。 
    ふと顔を上げるとcoloさんが椅子に座ったまま退屈そうに足をぶらぶらしている。まずいな。そろそろ答えないと。 
    そんな停滞する場を打開し、答えを導き出したのは意外な人物だった。 手持ちぶさたのcoloさんが腕時計を覗き込んだ瞬間だ。 
    「わかった」 
    そんな言葉が部屋に響いた。全員の視線が集まる先にはみかっちさんがいた。「うそ」と沢田さんが言ったが、みかっちさんは人差し指を左右に振って「あたし天才かも」と目を瞑る。 
    「いい? 発想の転換が必要だったのよ。答えから言うわね。意外や意外、三つめのXの正体はに……」 
    そこまで言い掛けたみかっちさんの口を誰かの手が塞いだ。疾風のように動いた人物は京介さんだった。

     
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