2015年12月

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    269 : 宿題終わったか ◆plQ1MzbtvQFA [sage] 投稿日:2010/08/21(土) 02:59:00 ID:9FhPPqS70 [16/29回(PC)]
    【先祖の話】 1/2             代理投稿 ◆100mD2jqic 

    幸せな、若いカップルがいた。 
    祝言(しゅうげん)を挙げ、村でも評判のおしどり夫婦だった。 

    ある晩、嫁が針仕事をしている時、夫が灯(あかり)を持って席を立った。 
    「あら、どちらへ?」「はばかり(トイレ)へ。」 
    嫁は生まれてくる子供のために、針仕事を進める。 
    "おくるみ"を作り終え、ふと顔を上げる。先ほどより、闇が深くなったようだ。 

    …遅い。もう半刻は過ぎようか。 
    腹を下しているにしても、いくらなんでも遅くないか。 
    嫁は”そろりそろり”と立ち上がり、自らもトイレに行った。 
    「あなた?」ノックする。返事がない。 
    「あなた?開けますよ?」 
    ガチャリ。 

    いない。 

    あるのは格子つきの小さい窓、1畳にも満たぬ狭い場所、蓋も閉められたまま。 
    人の隠れるような場所はない。心もとない灯(あかり)でも、それが見て取れる。 
    嫁は慌て、家人を呼んできた。近隣のものも出てきて、旦那の 
    捜索が始まった。山狩りもした。何日も。何日も。 
    石部金吉(いしべきんきち)の旦那の事、女と連れ立って逃げたとは考えづらい。 
    だが、結局、旦那は見つからず、嫁は子供を一人で育て、やがて子供が成人した。

     
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     164 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2010/08/27(金) 12:27:41 ID:1YrNoaPh0 [1/1回(PC)]
    会社の同僚が自宅マンションで死んだ 
    浴室の照明を付け替えようとして小型の脚立に乗ったところ 
    脚部の接地面が滑って、転倒 
    頭部をバスタブに強打したのだ 
    季節は初夏、ベランダの戸は開いており、浴室のドアも開いたままだった 
    無断欠勤が数日間続き、別の同僚が彼の自宅を訪ねて、死体を発見したのだが 
    開いた窓から入ってきたカラスによって、死体はついばまれていた 
    眼球はなく、頭蓋骨の陥没箇所から、脳もほとんど食われていたという 
    実はこれら詳細を知ったのは、後になってから 
    死んだ同僚から熱烈なアプローチを受けて困っていた女子社員から悩み相談を受けた 
    実家の一戸建てに、ご家族と住む彼女、このところ家の周囲にカラスが多くて気味が悪いという 
    その辺にいるだけなら無視もしようが、二階の彼女の部屋の窓越しにじっとこちらを凝視したり 
    窓をくちばしでつついたりするというのだ 
    「ああ、それはきっと死んだ××の、脳食ったカラスだよ」 
    事情を知る社員からその言葉を聞き、その時はじめて死んだ同僚の死の様子を知ったのである 
    「○○(女子社員)のことで頭がいっぱいだった××の脳味噌食ったんだから、カラスに××の気持ちが 
    乗り移ったんじゃねーのw」 
    趣味の悪い冗談だな、とは思ったが、女子社員はそれどころではすまず、気のふれたような悲鳴を上げ 
    その場で昏倒してしまった(気絶した人間というのははじめて見た) 
    以後彼女は会社を休みがちになり、自宅周辺を空気銃を持って徘徊する、あぶない人になってしまった 
    これは聞いた話だが、一羽だけ空気銃を命中させたカラスは路上に落ちたところを、彼女によって 
    原型をとどめぬまでにぐしゃぐしゃに踏みにじられたそうである 

    よほどのこと嫌われていたと見える



    166 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2010/08/27(金) 13:56:14 ID:gC8m5XaA0 [1/2回(PC)]
    >>164 
    実はその女子社員が犯人。

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    266 : 無月 ◆rke4WFVdV6 [sage] 投稿日:2010/08/21(土) 02:53:52 ID:xDOQeNBMO [4/5回(携帯)]
    【かくれんぼ】(1/2) 

    小さい頃、何故か「夕方にかくれんぼをしてはいけない」と祖父に言い含められていた。神隠しにあうから、と。 

    ある日、何かの用事で学校を出るのが遅くなった。 
    靴を履き替えて校舎を出ると、校庭が夕焼けに染まっていた。 
    と、昇降口の前に、遊び友達が3人立っていた。 

    「かくれんぼしよう」 
    当時は祖父の言う「かみかくし」がよく分かっていなくて、俺はすぐに快諾した。 
    ランドセルを傍らに置いて、じゃんけんをして。一人が鬼になって数え始め、俺は焼却炉のほうに走って、物陰にしゃがみこんだ。 

    「もーいいかい」 
    声が聞こえて、その時何故か「まーだだよ」と言葉が口をついた。 
    既に隠れてるのに、何でこんな返事を…と自分で驚いた。 
    また「もーいいかい」と聞こえて、俺の動きが止まった。 
    今の声、さっきより近くなかったか…? 
    それ以上に、聞こえて来る声が、微妙に変質したような。友達は、こんな声だったっけ…? 

    怖くなって返事ができないでいると、「もーいいかい」… 
    さっきより近づいている、というのが確信に変わったけれど、怖くて動けなかった。 
    声も、同級生の男の子の声から、女の子のような、老婆のような、微妙に重なったような声に変わっていた。 
    「怖い」。そう思ったけれど、見つからないように身を縮めるのが精一杯だった。 

    「もーいいかい」 
    声は確実に俺を目指している。他にも2人居たはずなのに、俺のほうに。 
    いや、他の同級生たちは、「まだ」なり「もういい」なり、言っていたか…? 

    「もーいいかい」 
    声は、すぐ後ろから聞こえた。心臓がバクバク言って、全身から嫌な汗が噴き出した。 
    焼却炉の向こう、左手側の後方に、誰かが立ってる気配がする。 
    足音なんて、してなかったのに…

     
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    263 : 枯野 ◆BxZntdZHxQ [sage] 投稿日:2010/08/21(土) 02:45:33 ID:K36XqKfnP [3/4回(p2.2ch.net)]
    「刑場跡にて」 1/2 

    俺の従妹が劇団もどきのサークルにいたことがある。 
    もどき、というのは大掛かりな公演などをやらず、 
    ネットに朗読劇などを上げるのが主な活動内容だったからだ。 
    このサークルに籍を置いていた頃、親睦会と称して心霊スポット巡りをしたそうだ。 
    別にホラーの朗読をやっていた訳ではない。 
    今考えるとちょっとどうかと思うが、 
    有名なバトル漫画の戦闘シーンをラジオドラマ風に演じたり、 
    やたら独白の多い少女漫画を朗読したり、そんな遊びをするサークルである。 
    取材とか役作りとかではなく、どうやら主宰の趣味だったようだ。 

    そんな親睦会で、印象に残った場所がいくつかあると彼女は言う。 
    その話をしたい。 
    従妹の名前は仮に美保としよう。 

    薄曇りの春の日、一行が訪れたのは刑場跡だった。 
    行く前にイメージしていた程広い場所ではなく、 
    街中の、道路に挟まれた川の中州の様な僅かな空間。 
    外から見ると、古い街でたまに出会う稲荷社や地蔵堂の敷地の様だった。 
    賑やかに中に入って行く主宰以下仲間たちを見送って、 
    美保は何だか進む気になれなかった。 
    怖いとか気持ち悪い感じはしないが、 
    はしゃぐ一行を見てむしろそっちに呆れて乗り気になれない。 
    仕方なく2メートル程入って両脇に背の高い木が立っている場所に立ち止まり、 
    ああだこうだ言いながら奥へ進む背中を眺めていた。 

    ふと、頭上で音がした。 
    右側の木の上で、生木がキーコキーコと軋む音。木の葉がざわめく音。 
    風は殆どないから、鳥でもいるのかもしれない。 
    美保が何の気なしに音がした方向を見上げると… 
    常緑樹の青々とした梢に、黒ずんだ素足がにょっきりと生えていた。

     
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    118 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2010/08/26(木) 13:11:27 ID:LFlu2R460 [3/5回(PC)]
    それから2ヶ月間、町内で警察らしき人が見回りに来てたよ 
    その間はさすがに捕まりたくなかったのか、被害もあまりなかった。 
    交番の人にはこのことは公にしないでください。って言っといたから 
    被害の内容は世間には愚か町内の新聞にも知らされなかったよ。 
    んでさすがに懲りたのかなあなんて半分期待してた。 
    このときの俺は馬鹿だった。 

    この2ヶ月間はいわゆる潜伏期間というやつだ。 
    これだけ潜伏期間を持てばウィルスはかなり強力なものに 
    なるだろう。それと同じで犯人もその間にいろいろと作戦を考えてたんだろうか 
    すっげえ仕打ちをしてきた。 
    友達を誘って俺の家で遊ぼうよってことになってさ 
    俺の部屋に入った瞬間思いっきり叫びそうになった。 
    俺の力作ともあろうガンプラだったものが、瓦礫の山と化していた。 
    しっかりと合わせ目消しをしたり、色分け、サフ吹きなどもしたものが 
    瞬殺されたのだ。アムロ・レイや、キャスバル・レム・ダイクン 
    ともあろうニュータイプが一瞬で消されたのだ。 
    「νガンダムは伊達じゃない」とはなんだったのだろうか。 

    んで1週間前。手紙が届いた。宛先不明の手紙だ。 

    書いてある内容がムチャクチャ怖い。 

    何か解決策ってないかな・・・

     
    【俺は今ストーカー被害にあってる  後編】の続きを読む

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    115 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2010/08/26(木) 12:58:39 ID:LFlu2R460 [1/5回(PC)]
    俺は今ストーカー被害にあってる。 
    こんな話しても「自意識過剰すぎんだろ」 
    とか言われそうな気がするが、本当に洒落にならないので 
    ここで話すことにする。履歴消せば問題ないと思うし。 
    何であえてここで話すかっていうと、犯人は俺の知り合いの中にいるかもしれないから。 
    今は自分しか信用できないので人にも話せず困ってたとこ。 
    もちろんしっかりと警察にも届けた。でも犯人が分からないのだから意味が無い。 
    前置きが長々としてごめん。本題に入るよ。 

    俺が違和感を感じ始めたのは3か月前だよ。 
    今高校1年なんだけどさ、ちょうどテストの時期でさ。 
    自分で言うのもなんだが成績もなかなか良かったし、 
    よーし!頑張るぞ!的な感じで燃え上がってたわけよ。 
    大体9時~11時くらいだったかな。ちょっと甘いものでも食べてえなー 
    ってことでチョコ買いにザンクス行ったんだ。 
    自慢じゃないが俺の家には結構広い庭があるんだ。 
    それでそこに大きな松の木が2本あるんだけど 
    その陰から、人が覗いてたんだよ。 
    その時は回りは真っ暗で明かりといえば月明かりだけだったからさ 
    多分何かの見間違いだろうと思って自分を納得させたんだよね。

     
    【俺は今ストーカー被害にあってる  前編】の続きを読む

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    255 : 雨田 ◆oyR5OGXLW2 [sage] 投稿日:2010/08/21(土) 02:39:03 ID:vVV4II/u0 [1/3回(PC)]
    【視えないモノ】1/3 

    大学へ入学してからあっという間の夏。私は友人たちと久しぶりに会うことになった。 
    集合場所に着くと、誰が呼んだのか、高校時代によくつるんでいた先輩も来ていた。 
    彼は幼いころに両親が再婚したとかで、年齢が一つ上とは言え、かなり大人びていた印象だった。 

    お決まりの花火も一通りおわり、これまたお約束の「肝試しに行こう」が誰かの口から飛び出た。 
    私たちの高校から数十分車を飛ばしたところに廃病院があるから、そこへ行こうということらしい。 
    深夜のノリで特に反対もなく――先輩は少し不満げに見えたが――廃病院に向かうことになった。 

    しかし楽しげな気分もどこへやら、到着したとたん、廃病院の寂れた雰囲気が押し寄せてきた。 
    アルコールの回った怖いものなしの数人を除いて、大半はびくびくしながら院内をまわっていた。
    256 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2010/08/21(土) 02:39:41 ID:phOy9uT/0 [1/1回(PC)]
    >>230わらたwwwかわいい絵だなwwww

     
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    102 : 本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2010/08/26(木) 09:13:26 ID:BK0hJT3v0 [1/1回(PC)]
    この間のお盆、旦那の実家に帰省してその帰り道。 

    高速道路を自宅最寄りのインターで降りて走ってると、寒気に襲われて、ふと運転中の旦那の足下を見ると女の人?っぽい顔と手が見えてそして旦那の足をつかんでた… 
    私はビビりすぎて声も出ず、絞り出すように「あ、足…」とだけ言うと、旦那は何事も無いかのように「ん?あぁ、お前も見えてるんや」と一言… 
    そして旦那の目つきが変わってギロリと足下を睨むと一瞬車内に風が起こって?空気が変わり、旦那の足下には何も無くなっていた。 
    「今の何やったん??」と旦那問いかけながら顔をみると今度はルームミラーを睨んでる。 

    私もルームミラーに目をやってみるとさっきの女がトランクルームに… 
    悲鳴を上げそうになった瞬間、「どっりゃっぁぁぁぁぁぁ、んfjか;vふぃうあ;/wl」 
    と、ちゃんと聞き取れなかったものの旦那が広島弁でDQNのように幽霊に向かって叫びました。 
    次にルームミラーをみるともう何もいなくなってました。 
    私は半泣きになりながら彼に「今のなんやったん?何?何?」と聞いても、「さぁ、何やろねぇ」としか言いませんでした。 
    そして家に着いて、旦那実家に無事に帰ってきましたと電話をするときにさっきの怖かった話をしてみると、義母から 
    「あぁ、あの子はお祖父さんににとるけぇね。」と 
    要約すると彼の家は代々小さな神社?というか何かを祀ってる祠の管理をしてる家で、家系でたまにそういうのが見える人がいるらしく、一番力があったのが彼の亡くなったお祖父さん。 
    そして今の親戚で彼の一番上の従兄弟と彼だけ少し力があるらしい。 

    そんな話、今まで旦那から聞いた事も無かった… 
    そして、出会った頃から関西弁で、今でも実家に帰っても広島弁なんてしゃべらない彼が本気で怒るときは広島弁になるんだwと気づいた、私の中では洒落にならない怖い話でした。



    103 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2010/08/26(木) 10:54:29 ID:YOAke79G0 [1/5回(PC)]
    >>102 
    広島弁怖いもんねw

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    242 : 無月 ◆rke4WFVdV6 [sage] 投稿日:2010/08/21(土) 02:20:12 ID:xDOQeNBMO [2/5回(携帯)]
    【縁】 
    (1/2) 

    仕事先の縁で知り合った男性。 
    割とカッコイイし、性格もよし。アウトドア好き、中堅どころで収入もしっかりしてる。 
    タバコは時々、お酒は毎日ビール一本という、男の自分から見てもいい人なんだが、何故か女性と縁がない。というか、長続きしない。 
    付き合い始めは女性側から告白されたり、彼から申し込んだりだが、別れる時は100%彼女から振られる。 
    浮気をしたわけでもないのに「女性の影がある」と言われたり、デートの最中に「寒気がする」「気味が悪い」と言われたり。 
    なので、30歳半ばにもなって、未だに独身だった。 
    そんな折り、彼も釣りが趣味という話になって、一緒に出掛けることになった。 
    彼の車で行くことになり、待ち合わせ場所に向かったところ――彼の後ろに誰かが居る。 
    年配の女性が、彼の後ろから睨むようにこちらを見てる。 
    二言三言会話してから、恐る恐る「そちらの女性も一緒に行くんですか…?」と聞くと、「は?女性?」と彼が振り向く。 
    その時にはもう女性の姿はなかったが、今見たものが幻覚とも思えなかった。 
    その日は何事もなく釣りを終え、それからしばらく変わったこともなかったため女性のことをすっかり忘れていたのだが、 
    たまたま足を運んだアウトレットモールで、デート中の彼と鉢合わせた。

     
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    239 : 枯野 ◆BxZntdZHxQ [sage] 投稿日:2010/08/21(土) 02:14:52 ID:K36XqKfnP [1/4回(p2.2ch.net)]
    「一方通行」 1/2 

    俺の従弟が通っていた高校の近くに公園があった。 
    古くからある神社の裏手の高台に細長い敷地を持ち、 
    県道に面した側にブランコと滑り台がこじんまりとあるだけで、 
    もっぱら土日のゲートボールや夕方の犬の散歩に使われる広場である。 
    学校から一度坂を上り、公園の辺りで下り始めて私鉄の駅に出る。 
    そのため、彼らはよく学校脇の酒屋の様なコンビニの様な店でジュースや菓子を買い込み、 
    公園にたむろしては今週のジャンプやマガジンの内容について語り合ったり、 
    他愛のない追いかけっこをしたりして遊んでいたらしい。 

    ある時、そんな調子で遊んでいるうちに日が暮れて来た。冬の初めだったと言う。 
    男ばかりでそんなことを気にする者はなく、 
    皆学ラン姿なのに「色鬼する者寄っといで」などと騒いでいる。 
    風邪気味だった従弟は缶コーヒーを手にブランコに腰掛け、 
    ゆらゆらと揺れながら黒い人影が薄暮の中でぎゃーぎゃーとはしゃいでいるのを眺めていた。 
    すると公園の向こう側、神社の森がある側の道路にも黒い人影があることに気付いた。 
    ブランコは県道に背を向ける格好なので、仲間たちが駆け回っている広場の向こう、 
    ドウダンツツジの植え込みを挟んで細い道がある辺りまではかなりの距離がある。 
    赤紫色の夕暮れの中、人影が男か女か、若いのか老いているのか、それすらも判らない。 
    ただ黙々と列になり歩いて行く姿が見える。 
    道の向こうは不法投棄避けの高いフェンスがある。公園の短い辺とは言えそこそこの長さを、 
    フェンス沿いに連なって歩く人々が切れ目なく続くのは何だかおかしい。 
    従弟は暫くその列を見守っていたが、そっと立ち上がって公園の奥へと向かった。

     
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